Yahoo!ニュース

パリ金メダルの車いすラグビーが横浜に初上陸!横浜武道館で迫力の開幕戦 ―22日まで熱戦が続く―

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
1日目、ボールを持つ東北ストーマーズの三阪洋行。ライズ千葉との対戦

 今夏パリ2024パラリンピックで日本代表が金メダルを獲得し世界一に輝いた車いすラグビーが、横浜武道館(横浜市中区)で開催される。 「第26回車いすラグビー日本選手権」は、12月20日に開幕し、22日の決勝戦まで3日間かけて全国から8チームが出場して日本一を競う。

 全国に10チーム・約100名の競技人口を擁する車いすラグビーは、日本代表が2004年アテネパラリンピック以来6大会連続して出場。2016年リオパラリンピック、2021年東京パラリンピックで銅メダルを獲得し、今夏パリパラリンピックでついに金メダルを獲得。日本のパラスポーツとして世界トップの強さを誇っている。

ライズ千葉の月村珠実キャプテン(右)は今月パリで開催されたウィメンズカップにも出場した。
ライズ千葉の月村珠実キャプテン(右)は今月パリで開催されたウィメンズカップにも出場した。

 2021年の東京パラリンピックは、新型コロナウイルス感染症の影響で無観客で開催され、多くの人々、特に若い世代や子どもたちの実際にパラスポーツの魅力を目にする機会を逃した。スポーツ離れ、そして人口減少や経済状況の変化により、人々の価値観も変化している中で、障害のある人もない人も共に成長できる社会づくりが求められている。多様な関わり方、子ども時代からの共生社会の実現を目指す機運も広がってきた。

パリ日本代表・池透暢(左・フリーダム高知)ベテラン・パラリンピアンの仲里進(中央・沖縄ハリケーンズ)。レジェンドが競技環境を万全にし、若いプレーヤーやチームが増えつつある。
パリ日本代表・池透暢(左・フリーダム高知)ベテラン・パラリンピアンの仲里進(中央・沖縄ハリケーンズ)。レジェンドが競技環境を万全にし、若いプレーヤーやチームが増えつつある。


 2026年に開催される愛知・名古屋アジアパラ競技大会では、車いすラグビーが3大会ぶりに実施種目として復帰する。 東北ストーマーズの三阪洋行が2023年に中国・杭州で開催されたAPC(アジアパラリンピック委員会)でアスリート委員長に選出され、日本がアジア地域でのパラスポーツの発展をリードする役割を担っている。

日本選手権初参加のウェーブス大阪
日本選手権初参加のウェーブス大阪


 今回の横浜開催は、車いすラグビー日本選手権として初めて。 会場の横浜武道館は、今年4月にオープンした横浜文化体育館(5000人収容可能)に隣接する2020年完成した施設で、約3000人収容できるアリーナと約500人収容できる武道場を備えている。今大会の観戦は無料で、大会初日には地元の小学校から2校(88人、128人)と中学から25人が応援に訪れた。

 世界一の強さを誇る熱い日本の車いすラグビー。横浜での日本選手権は、国内大会でありながら世界に注目されるハイレベルな熱戦が展開されている。より多くの子どもたちに生観戦してもらい、パラスポーツの魅力を体感してほしい。

(取材・PARAPHOTO 校正・久下真以子 写真は全て筆者撮影)

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

佐々木延江の最近の記事