パリ金メダリストたちの集う2日目。東北ストーマーズは3位決定戦へ。ー車いすラグビー日本選手権ー
横浜武道館で開催されている「第26回車いすラグビー日本選手権大会」は、2日間の予選を終了し、決勝リーグの対戦カードが決まった。決勝戦は、前回優勝のブリッツと前回3位のフリーダム、3位決定戦は、前回2位で優勝を目指していた東北ストーマーズと初の表彰台を目指す福岡ダンデライオンという組み合わせとなった。
橋本勝也を擁する東北ストーマーズは3位決定戦へ
プールA1位のフリーダムとプールB2位の東北ストーマーズによる準決勝は、第3ピリオドまで互角の戦いが繰り広げられた。40-39と東北ストーマーズがリードして迎えた最終ピリオドで点差が開いた。「先に2点を取ったことで気持ちが受け身になった」と中町俊耶(2.0)、「仕掛けるタイミングが僅かに遅れターンオーバーが発生し、ミスが響いた」と、橋本勝也(3.5)は試合を振り返った。
今年のパリ2024パラリンピックで金メダルを獲得した日本代表の主力として成長した22歳の橋本は、「今年は、世界一と日本一で終わりたかった。目標が途絶えてしまった」と悔しさを滲ませながらも、「東北ストーマーズは経験豊富な選手や、強化指定入りした選手もいる、これからも期待してもらえるチームだと思う。過去に”手をつなぐ”がチームスローガンだったことがあるが、チームの雰囲気を良くし結果にもつながった。この方向性で、これからは自分が世界一のプレーヤーになることを目標として掲げていく中で、個人の成長がチームの結果にもつながると考えている」と語り、改めて日本一のチームを目指すことを決意した。
初の表彰台を目指す福岡ダンデライオン
この日もう一方の準決勝では、日本一の強豪ブリッツと対戦し敗れた福岡ダンデライオンが初のメダル獲得を目指している。チームには、お隣の国・韓国代表の朴雨撤(パク・ウーチョル/2.0)、朴承撤(パク・スンチョル/1.0)の兄弟が参加している。二人はオーストラリアでの試合にも参加するなど国際的な経験を積み、福岡で3年目の日本選手権を闘っていた。
兄の朴承撤は「日本は世界一のチームだ。福岡ダンデライオンはミドルポインター、ローポインターを中心にした強いチーム。ここで皆さんと試合できるのは本当に光栄で、勉強になります」と述べ、またブリッツ戦でフル出場した弟の朴雨撤選手は「プレーヤーとベンチのメンバーが一つになる、家族のようなチームだ。これまでは4位だったが、ストーマーズに勝って3位になりたい」と意欲を語った。日本での活動を心から楽しんでいる様子だ。
2026年アジアパラ競技大会を見据えた魅力あるチームに注目を!
2年後の2026年、愛知・名古屋でアジアパラ競技大会が開催される。パリ2024で世界一となった日本。今後の日本選手権は、国内大会でありながら、日本のクラブチームがアジア、そして世界に注目される機会となるだろう。東京2020パラリンピックを生観戦できなかったという方や、子どもたちにも、パラスポーツの楽しさを届けたい。
最終日の試合について
最終日の3位決定戦は、12月22日(日)11時15分、決勝戦は13時から試合が始まる。会場の横浜武道館は、JR根岸線・関内駅(南口)より徒歩5分
(写真:PARAPHOTO/そうとめよしえ 校正・久下真以子 この記事はPARAPHOTOで取材しました)