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年間本塁打記録だけじゃない!大谷翔平に更新を期待したい松井秀喜氏が持つもう1つの日本人最多本塁打記録

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
自身3度目の週間MVPを受賞した大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【自身3度目の週間MVPを獲得した大谷選手】

 MLBが現地時間の6月21日、週間最優秀選手(MVP)を発表し、ア・リーグでは大谷翔平選手が選出された。大谷選手にとっては2018年9月以来3度目の受賞となる。

 MLBが発表したリリースによれば、選出された理由として以下の活躍を指摘している。

 ・(選考対象週で)7試合に出場し、打率.296/出塁率.387/長打率.963を記録するとともに、6得点、8安打、6本塁打、9打点、1盗塁を記録。さらに1試合に登板し、6回1失点5奪三振で勝利を挙げている。

 ・20日のタイガース戦で今シーズン23本目の本塁打を放ち、ブルージェイズのブラディミール・ゲレロJr.選手に並びMLBトップタイに立った。これは7試合中自身6本目も本塁打だった。

 ・マイク・トラウト選手、トニー・グラウス選手、ドン・ベイラー選手に次いでエンジェルス史上4人目となる、オールスター戦前に20本塁打&10盗塁を達成した。

 ・打者として通算70本塁打、投手として通算139奪三振を達成した。過去にこれを上回る通算記録を残した選手はベーブ・ルース選手、リック・アンキール選手、ジョニー・リンデル選手の3人しかいない。

【松井秀喜氏の年間本塁打記録突破は確実】

 MLBが評価しているように、先週の大谷選手の本塁打量産は凄まじかった。3試合連続&1試合2本塁打を含む7試合6本塁打は、まさに圧巻の一言だ。

 ちなみに先月も16日のレッドソックス戦から3試合連続本塁打を放っており、勢いに乗った際の大谷選手の爆発力は誰もが認めるところだろう。

 現時点で23本塁打を放っていることを考えれば、今後大谷選手がいかに調子を落とそうとも、2004年に松井秀喜氏が樹立した日本人選手の年間最多本塁打記録である31本塁打を突破するのは時間の問題だ。

 むしろ現在のような爆発力を考慮すれば、最後まで本塁打王のタイトル争いに絡んできそうな予感さえある。これまで誰も予想すらできなかった日本人選手のタイトル奪取は、あまりに夢があり過ぎる。

【期待される松井氏の最多月間本塁打記録の更新】

 すでに大谷選手が、MLB挑戦した日本選手の中で史上最強の長距離砲であることは疑う余地はないと思うが、折角なので名実ともにその座について欲しいと考えるのはファン心理として当然のこと。

 その意味でも、年間本塁打記録だけでなく松井氏が持つもう1つの日本人最多本塁打記録も塗り替えることを期待して止まない。

 それは月間本塁打記録だ。実は松井氏はMLB在籍10年間で、現在の大谷選手を上回るほどの勢いで本塁打を量産した時期があるのだ。

 松井氏はヤンキース入り2年目の2004年に31本塁打を記録しているが、自身の最多月間本塁打記録を樹立したのは、25本塁打を記録した2007年シーズンのことだった。

 そのシーズンの7月に28試合出場し、13本塁打を放っている。松井氏が月間本塁打を10本以上放っているのは、後にも先にもこれ1回のみだ。

 ちなみに大谷選手の最多月間本塁打数は、野手に専念していた2019年シーズンの6月に記録した9本だ。

 エンジェルスは6月にあと8試合を残し、大谷選手はすでに8本塁打を放っている。現在の爆発力があれば、自らの月間本塁打記録を突破するのみならず、松井氏の記録を突破する可能性は十分にありそうだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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