380年以上続く『長崎くんち』、人気のクジラ「モッテコーイ」の大声援
江戸時代から続く「長崎くんち」は、今年はコロナ禍の影響などで4年ぶりに10月7日から開催となった。
「長崎くんち」は、寛永11年(1634年)からはじまり、その中でも「鯨の潮吹き」が始まったのは、144年後の1778年(安永7年)。240年以上の歴史がある。
「鯨の潮吹き」の見せ場は、 5メートル以上吹き上げる潮である。動き回るクジラと一緒に下から人間の手によってポンプで水を打ち上げている。
神社での「奉納踊」は、朝と夕方に行われ、その後、町を練り歩く。
各町から披露される「奉納踊」は、7年ごとに順番にローテションで変わる。順番が今年に回ってきた万屋町の「鯨の潮吹き」は、コロナもあり、まさに10年ぶりとなる。
お祭りが始まった1634年の長崎では、「出島」埋築が着工され、「眼鏡橋」が架けられている。
当時、日本は、鎖国を維持した状態で貿易ができるように出島を作って、貿易を行っていただけあって、祭の踊りも日本独特のお祭りの趣とは異なり、オランダ、ベトナムなど異国を感じさせる「奉納踊」も多く披露された。
江戸時代の長崎を支えた産業といえば、当時、古式捕鯨の中心地であった。壱岐、対馬、五島、平戸の各地に漁場が盛んに行われていた。捕鯨業は江戸時代最大の産業であった。
現在、長崎県では捕鯨は行われていないが、今でも全国でクジラを一番多く食する県民である。
トリを務めたクジラによる奉納踊「鯨の潮吹き」は、会場の多くの見物客から、アンコールを意味する「モッテコーイ」の声援がより大きく響き渡っていた。