【富士宮市】四季折々で違う風景を織りなす 猪之頭にある農業の神様『伊勢神明宮』
市内猪之頭地区には数多くの湧水があります。
猪之頭地区で市の保存湧水地に指定されている場所(湧水量は指定時のもの)
陣馬の滝 湧水量 2000キロリットル/1時間
陣馬の滝東側 湧水量 542キロリットル/1時間
山口養鱒場西側 湧水量 542キロリットル/1時間
五斗目木橋西側 湧水量 584キロリットル/1時間
向山荘跡地東側 湧水量 542キロリットル/1時間
猪之頭伊勢神明宮 湧水量 108キロリットル/1時間
猪之頭橋北側 湧水量 542キロリットル/1時間
これらの湧水は芝川の源流にあたり、広くこの地域の生活用水として使用されている他に、ニジマスの養殖やわさび田の用水としても利用されているそうです。
今回は猪之頭地区で市の保存湧水地の最北に位置する『猪之頭伊勢神明宮』を訪れてみました。
両脇は畑、もしくは田んぼでしょうか。
現在は白い保護シートのようなもので覆われていますが、水を張った田んぼだったと想像したら、水の中の参道と鳥居…とても素敵な情景が思い浮かびます。
鳥居の額束には『伊勢神明宮』とありました。
伊勢神明宮は太陽を神格化した神、天照大神を主祭神とし、伊勢神宮内宮を総本社とする神社です。
農耕儀礼と結びつき、江戸時代の新田開発の際に神明宮を創建されたと言われています。
地元の方々には「お伊勢さん」と呼ばれて親しまれているのだそう。
鳥居をくぐると、日の光の入る明るい森のような境内に続きます。
両サイドにある石灯籠は、よく見ると溶岩を使用して作られています。
右側には怒っているような顔の石像が祀られていました。
小泉の湧水のある『出水不動尊』に祀られている不動明王に顔が似ているような気がするのは私だけでしょうか。
さらに奥に進むと、左手に保存湧水地の看板がありました、が…湧水が湧き出ていると思われる場所は枯れ川となっていました。
湧水の恵みはなくなってしまったのでしょうか。
奥の神殿横には、富士宮市指定保存樹のシダレザクラが若葉を風にそよがせていました。
そして境内の周りには、ニリンソウが群生していました。
後々聞いた話だと、季節によって湧水の量が変わり、梅雨後の夏には、湧水を見られるのだということでした。
春はシダレザクラ、今の時期はニリンソウ、そして盛夏には湧水、また、11月の七五三と同じ日に秋祭りが行われるという『伊勢神明宮』。
四季折々で違う風景を織りなしてくれるのでしょうね。
猪之頭伊勢神明宮:富士宮市猪之頭862-1