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保育園で学級崩壊したらどうする!?クラスが荒れる原因とそれに悩む保護者へ保育士が伝えたい2つのこと

ぽん先生保育士

こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、子育てや育児に関する情報の発信を行っている保育士です。
今回は頂いたご質問はこちら。

Q:娘が保育園の5歳児クラスに通っていますが、正直学級崩壊している状態です。私としては、転園させたい気持ちと今まで共に過ごしてきた友達と卒園させてあげたい気持ちとで葛藤しています。荒れたクラスからは一刻も早く離れた方が良いと思いますか?

皆さんは、荒れているクラスや学級崩壊しているようなクラスを見かけたことはありますか?
近年は学校だけでなく、保育園もこういった問題を抱えているもの。
しかし、いざ我が子がこういった場面に遭遇してしまった時、どうしたら良いか分からない保護者の方は多いと思います。
今回はクラスが荒れたしまった時に注意してほしいて2つのポイントと、クラスが荒れてしまう原因についてご紹介していきたいと思います。

荒れたクラスで気を付けてほしいこと

結論から言うと、荒れたクラスからは一刻も早く離れた方が良いとは一概に考えなくて良いと思います。
保育園に通う子ども自身が不便や窮屈さを感じていないのであれば、そのまま通い続けて特に問題はないでしょう。
一方で、荒れたクラスや学級崩壊を起こしているクラスは、暴力やいじめが非常に起こりやすい雰囲気が出来上がっています。
1つ目に伝えたいこととして、もし登園するのを嫌がるようなことがあれば、暴力やいじめを受けているかもしれないという視点から注意深く観察する必要があると言えるでしょう。
特に友達にケガをさせられてしまうようなことが続いた場合には要注意です。

さて、そもそもクラスが荒れたり、学級崩壊が起きたりしてしまう理由はなんでしょうか。
これについて、多くの場合は担任の力不足が原因となっていると思います。
例えば、子どもたちよりも強いことを示そうとする保育士や教員がいれば、おとなしく従う子がいる一方で、中には反発してくる子が出てくるでしょう。
こういった子たちが力を持ち、「大人なんて所詮怖いものではない」という雰囲気が強くなってくれば荒れたクラスの完成です。

しかし、本来は厳しく指導できるということが「力のある」という意味ではありません。
本当に力のある保育士や教員であれば、子どもたちと対等に関わりながら、子どもたち自身が自分たちで協力したり、問題解決したりするように上手く導いていくことができるからです。
こういったことができるクラスは、担任がいなくても普段と変わりなく過ごすことができます。
このように、子どもよりも大人が強いことを示そうとするやり方自体が、学級崩壊やいじめの原因となる可能性をはらんでいるのです。

この一方で、担任の力不足が原因ではないケースもあります。
これについては、いわゆるグレーゾーンと呼ばれるような「診断はつかないものの発達障害の傾向がある」ような子どもが増えたことが挙げられるでしょう。
このような場合、基準となっている保育士の配置では物理的に対応しきれなくなっていることが主な原因となります。

荒れたクラスはまだ良い理由

2つ目に伝えたいこととして、クラスが荒れていることは最も悪い状態だとよく考えられますが、実はそうとも限らないということです。
前述した通り、クラスの荒れは子どもよりも大人の方が強いことを示そうとする行動によって引き起こされるものです。
しかしこの場合、秩序はなくとも子どもたちが自分で考えて行動した結果がそれです。
一方で、落ち着いていて知性的に見えるクラスでも、先生が子どもたちよりも圧倒的に強い立場にいれば、子どもは何も考えずに先生の顔色をうかがいながら、ただ言うことに素直に従っているだけだという状況が出来上がってしまいます。
両者を比べると、どちらの方が子どもにとって良くない環境でしょうか。

例えば、それぞれのクラスで「今日はここにある廃材を使って自由に工作してみましょう」と話してみたとしましょう。
すると、その差は歴然です。
荒れたクラスの子どもたちであれば、廃材の取り合いになるくらい一瞬で行動を始め、子どもたちが自分のやりたいことに没頭します。

一方で、静かに見えるクラスでは「先生、どうやってやったら良いか分かりません。教えてください」と言い出す子がほとんどです。
このように、良い言い方をすれば“クラスは荒れていても自分が主体となって行動する力はある”ということです。
これらはあくまで私の経験談に過ぎないことに加え、両者ともに一長一短であることは間違いないと思います。
しかし、近年重要とされている主体性という面から考えてみると、自分で考えて行動することを繰り返すことができる分、まだ良いと考えることもできるでしょう。

※あくまでこれは保育園での話であり、学校の場合は学習という点から別の視点で考える必要があると思います。

いかがでしょうか。
子どもの通うクラスが荒れていたら誰もが心配になると思いますが、私たち親にできることはそう多くありません。
まずは子どもの声を聞き、そこからどうしていくかを考えてみるのが良いのではないでしょうか。
ぜひ、参考にしていただけたらと思います。

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保育士

東京都で働く保育士。「少しでも楽しい子育てを!」をモットーに活動中。

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