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20代の新聞購読率は約1割…主要メディアの利用状況

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 若者でも新聞を読む人は居るけれど……

平日と休日、年齢階層別にメディアの利用実態を探る

メディアの技術が加速度的に進み、世代間のメディアギャップが社会問題化する昨今。その実情を総務省の調査「平成27年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2015年11月14日から11月20日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリングによって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳から69歳の1500サンプルが対象。アンケート調査と日記式調査を同時併行で実施し、後者は平日2日・休日1日)の結果から確認していく。

次に示すのは主要メディア(雑誌は欠けているが)の年齢階層別平均行為者率を示したもの。「行為者率」とは該当する仕切りの期日、今件の場合は1日単位でその行為をした人の割合を示す、いわば利用者率。例えば平日・テレビ(生放送)・10代の値は75.9%とあるので、10代で平日1日にテレビを連続で10分以上観た人は75.9%居ることになる。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、平日)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、平日)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日)

利用者率そのものはテレビが一番多く、(インター)ネットがそれを追い、新聞が続く形。そしてテレビは生放送ではシニア層ほど利用者が多く、録画はどの世代もほぼ同率。ネットは20代がピークだが、50代までは2/3超を維持する。一方で新聞やラジオの世代間格差は大きい。特に新聞は10代で2.9%、20代でも10.3%でしかないが、60代では62.0%にまで達している。

対比されることの多いネットとテレビだが、10代から30代まではネットの方が利用者率は高く、それ以降はテレビの方が高い。40代はテレビとネットはほぼ同率だが、50代以降は大きな差が出る形でテレビ行為者率が優勢となる。利用した人それぞれがどの位の長さで利用したかはまた別問題だが、少なくとも利用した・しないの区切りでもこれだけはっきりとした、世代別のメディアギャップが見て取れる。

平日と休日の差異

生活リズムや各種メディアの利用状況において、平日と休日では過ごし方、時間の消費方法は随分と異なる。そこで休日値における平日との差異を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日値の平日との差異、ppt)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、休日値の平日との差異、ppt)

ラジオは休日の方が利用率が低い。これは平日では自宅などで家事などをしながら、あるいは自動車を運転しながら聴いている人が多いが、休日はそれほど「ながら聴取」をする場面は無いことを意味する。またテレビ(録画)が平日と比べて高めだが、これは平日録画した番組を、休日の時間がある時にまとめて視聴するライフスタイルをとっていることの表れとなる。

テレビも生放送の利用率は休日の方が高めだが、若年層がやや高めで、それ以外は大きな変化はない。この年齢階層向けに、日曜限定でリアルタイムにて観たい番組があるのだろう(例えばニチアサ)。新聞も休日の方が読まれているのは、日曜版の存在や、朝食時に時間の余裕ができるからだと考えられる。

1年間の利用の変化

最後に示すのは前年分、2014年調査分の結果との差異を算出したもの。

↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、2014年との差異、平日、ppt)
↑ 主要メディアの平均行為者率(2015年、2014年との差異、平日、ppt)

テレビの生放送は中堅層で減退する一方、若年層と高齢層で大幅に増加し、差し引きで全体では増加。インターネットは大よそ増加、特に40代の伸びが著しい。これは同世代のスマートフォンの利用率上昇に伴うもの。他方新聞は60代以外は概ね減少。全体的な新聞離れが見て取れよう。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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