日本人形がホラー映画に登場するのは何故?恐怖を感じさせる正体とは
日本の和服を着た人形「日本人形」は、日本の伝統的な文化遺産です。
ホラー映画やお化け屋敷など、何かと怖いシーンに登場する人形として認知している方も少なくないでしょう。
そこで今回は、日本人形の歴史とともにホラー映画に登場する理由を紹介します。
□日本人形の歴史
日本人形の歴史は古く、その起源は平安時代(794〜1185年)の京都にまで遡ります。
当時の京都では誕生した子供の無病息災を祈り、子供の枕元に形代(カタシロ)という人形を寝かせる慣わしが存在しました。
この形代には子供の厄災を移し負わせる役目があり、子供の死亡率が高かった当時ならではの風習だといえるでしょう。
そして、この形代こそが日本人形のルーツだといわれているのです。
□日本人形がホラー映画に登場する理由
可憐な日本人形がホラー映画やお化け屋敷に登場することを疑問に思ったことはないでしょうか。
古くから日本には、人形に魂が宿るという考え方や言い伝えが存在しました。
また、日本人形が小さな子どもの成長を願ったり嫁ぐ女性を厄災から守ったりするなどの願いを込めた置物だったことから、送り主や持ち主の想いが宿る印象を持つ人も少なくないようです。
そういった要素をホラー映画に導入したことで、人々の記憶や潜在意識が刺激され、恐怖の対象として認識されているのではないかともいわれています。
日本人形は精巧に作られているため、その表情や雰囲気にドキっとすることも少なくありません。
けれどそんな日本人形は、怨念や呪いのようなものではなく、近しい人を思いやるやさしい心がたくさん詰まったステキな置物といえるかもしれません。