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【名古屋市中村区】お散歩しながら楽しむ小さなお寺市「ささしま暮らしのお寺市」へ行ってきました②

サファーライター(名古屋市)

前回の続きです。(前回の記事はこちら→お散歩しながら楽しむ小さなお寺市「ささしま暮らしのお寺市」へ行ってきました① Yahoo!ニュース

■カフェ・デ・モンクなごやか

カフェ・デ・モンクなごやかは宗教の枠を超え、心のケアにあたる「臨床宗教師」が悲しみや苦しみを抱える人の話に耳を傾ける傾聴喫茶。名古屋市・区社会福祉協議会の助成を得て開催。宗教勧誘は一切行わない。
カフェ・デ・モンクなごやかは宗教の枠を超え、心のケアにあたる「臨床宗教師」が悲しみや苦しみを抱える人の話に耳を傾ける傾聴喫茶。名古屋市・区社会福祉協議会の助成を得て開催。宗教勧誘は一切行わない。

「カフェ・デ・モンクなごやか」は臨床宗教師さんとカードゲームやおしゃべりに興じられるコーナー(名前の通り「文句」をこぼしても良いみたい)。

神主さんとお坊さんと一緒に、カードゲーム「もしバナゲーム」をしてしばし遊ぶことにしよう。こちらのカードゲームは「病気になったときなどに、何を重要視するか」に思いを巡らせて、自分の価値観を見つけるゲーム(だと思う)。

臨床宗教師は欧米の医療機関ではメジャーな存在。宗教勧誘を行うのではなく、話し手の価値観を尊重しながら、宗教者としての経験をいかして寄り添います。被災地や福祉施設で心のケアを提供することも。
臨床宗教師は欧米の医療機関ではメジャーな存在。宗教勧誘を行うのではなく、話し手の価値観を尊重しながら、宗教者としての経験をいかして寄り添います。被災地や福祉施設で心のケアを提供することも。

配られた5枚の持ち札には、「誰かの役に立つ」「自分の人生を振り返る」などの文字が。(自分が病気になったと想定して)これは自分にとっては大事なことではない」と思ったカードを1枚ずつ順番に場に捨て、かわりに場から「これは大事だ」と思ったカードを1枚拾う。

一巡、二巡…と繰り返し、もう捨てたいものも拾いたいものもなくなったらおしまい。

逡巡した結果、最後に手元にある札はすなわち「大事にしたいものだよね」という即興のゲーム。

こんなカード。坊主めくりや花札のようにマイナールールが存在するらしい。この状況、絹田村子先生の漫画「さんすくみ」(小学館)の世界である。まだ読んだことがない人は、ぜひ読んでみてほしい。
こんなカード。坊主めくりや花札のようにマイナールールが存在するらしい。この状況、絹田村子先生の漫画「さんすくみ」(小学館)の世界である。まだ読んだことがない人は、ぜひ読んでみてほしい。

(余談だがカードを配ってくれたお坊さんは手違いでご自身には1枚多く、6枚もの手札を配っていた。「徳の高さ分が天から加算されたのかな?」と解釈した筆者。お坊さんはゲームが始まると、早々に神に関するカードを手放していた。こういった場面が見られるのも、「カフェ・デ・モンクなごやか」の醍醐味かもしれない。)

これはまだ途中。何のカードを拾おうか迷っているところ。これまでの経験や、現在の状況によって捨てるカードや拾うカードが左右されるのではないかしら。
これはまだ途中。何のカードを拾おうか迷っているところ。これまでの経験や、現在の状況によって捨てるカードや拾うカードが左右されるのではないかしら。

筆者は、何回目かのターンで「ユーモアを持ち続ける」を手放して、「身体が楽」みたいなカードを拾いました。筆者が捨てたユーモアのカードは、お坊さんがトンビのように「これはね大切にしている♪」とさらっていったので、「アタイのユーモアが…!!」とちょっと後悔。現実ではユーモアを大切にしようと決めた。

このゲームは心がつらい人はやらなくてもいいし、途中でやめてもいいです(初めに「できそうかな?無理はしないでね」と確認があります)。これ、家族や友人とも気軽にやってみたいな。

■第2会場、長松寺へ向かおう。

地元の和菓子屋さんも大人気であっという間に完売。四角いお餅も売っていました。
地元の和菓子屋さんも大人気であっという間に完売。四角いお餅も売っていました。

ゲームにも満足したので、円福寺から長松寺へ向かおう。歩いて1分もない距離なのだが、道中の誘惑に負ける。だってお団子も和菓子もおいしそうだったんだもん。仕方ないよね。

出店しているお灸屋さんで、火を使わないお灸をすえてもらいました。じんわり温まりながら団子を食す。
出店しているお灸屋さんで、火を使わないお灸をすえてもらいました。じんわり温まりながら団子を食す。

長松寺では、年に1度この時期にしかお目にかかれないガリガリのお釈迦様に見守られながら、座禅会に参加。今しがたお団子を平らげてきたところなので、なんだか後ろめたい気持ち。

「最近はSNSがあったりしますが、いまは心を空っぽに」とのお坊さんのお言葉で静かなひとときを過ごしました。最後は宗派による座禅のスタイルの違いや修行について教えていただき、お寺をあとにしました。

みんな「足が痺れた~」なところ。心を空っぽにするのはなかなか難しい。
みんな「足が痺れた~」なところ。心を空っぽにするのはなかなか難しい。

前を歩く人が「みなさんで集まってこういうことをやるのはいいね、うちのほうは何もない」と話していたのが印象的でした。

「このあたりもだいぶ変わったけれど、住みやすいですよ」と話すのは近隣に住まう方。長松寺にはどら焼き、ホットサンド、キンパ、飴などのお店が出店。撚り糸やお洋服、アクセサリーショップも。
「このあたりもだいぶ変わったけれど、住みやすいですよ」と話すのは近隣に住まう方。長松寺にはどら焼き、ホットサンド、キンパ、飴などのお店が出店。撚り糸やお洋服、アクセサリーショップも。

イベントの実行委員でもある円福寺の小玉副住職は

「高齢化が進む地域なので、地域のみなさんのつながりをもてる場を作りたい。お寺という場所で開催しているので、どんな方でもその方らしく過ごせる場に」

と話します。

イベントで使える金券がもらえるスタンプラリーも開催されていました。
イベントで使える金券がもらえるスタンプラリーも開催されていました。

幅広い年齢層で賑わう村祭りのような雰囲気で、あたたかい気持ちになれるイベントでした。次回は4月27日(日)に開催予定とのこと。新年来たりなば、春遠からじ。

子ども店長さんに作ってもらったお花。うれしい。
子ども店長さんに作ってもらったお花。うれしい。

【ささしま暮らしのお寺市】
■場所:
・第一会場「円福寺」(名古屋市中村区下米野町3丁目7)
・第二会場「長松寺」(名古屋市中村区下米野町2丁目1)
■アクセス:
近鉄米野駅徒歩5分/あおなみ線ささしまライブ駅徒歩10分/名古屋駅徒歩15分
■駐車場:あり
■主催:ささしま暮らしのお寺市実行委員会
■外部リンク:ささしま暮らしのお寺市実行委員会公式インスタグラム
※掲載内容は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございます。

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ライター(名古屋市)

名古屋在住。働き、暮らしながら「虫の目」で見つけた気になったもの、「素敵ね」と思ったことをゴキゲンに発信しています。「ワクワク」や「美味しい」、「へぇ~!」を大事に。ラジオが好きで、聞きながらあちこちへ行く毎日。白黒の猫と暮らしています。硯に向かいて20年、どうぞよろしくおねがいします。

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