ブランコを替わりたくない子には原因があった!保育士が教える「人を思いやるためのたった1つのポイント」
こんにちは!ぽん先生です。
「少しでも楽しく子育てを!」をモットーに、現在子育て世代を集めてオンライン講座を開いたり、育児に関する情報の発信を行ったりしている現役の保育士です。
今回は公園で遊具の順番を替われない子の対処方法についてお話ししていきたいと思います。
公園あるある
公園で遊んでいると、みんなで順番に遊ばなくてはならない場面はよくあります。
ところが、その順番待ちが原因でトラブルに発展してしまうことは少なくありません。
例えば、滑り台のように流れ作業で順番に遊べるものであれば良いですが、ブランコやシーソーなどのように、入れ替わらないと遊べないものもありますね。
そんな時に「あ、お友達が待ってるから終わりにするよ!」と自分から替わってくれたら助かりますが、なかなかそうもいきません。
大人から「ほら、お友達が待ってるからそろそろ替わるのよ」と話したところで、すぐに交代してくれることは少ないでしょう。
ところが、ある方法を知っていると、自分から順番を替わってくれる可能性がぐっと上がるのです。
一体どのような方法があるのでしょうか。
やってみよう!
子どもが自分から順番を替わってくれる方法。
それは、待っている子に「〇〇がやりたくて待っているの?」話しかけることです。
例えば、先程のようにブランコで他の子が待っているのにもかかわらず、順番を替わらないで乗り続けていたとします。
そんな時には、待っている子に「もしかして、ブランコがやりたくてここで待ってるのかな?」と聞いてみましょう。
もしも「うん、やりたい!」と答えたのであれば、それを聞いた上で、「お友達がブランコしたくて待っているみたいだから、あと10秒で順番を替わってくれる?」などのように交渉してみてください。
きっと、いつもよりも快く順番を替わってくれるでしょう。
どうして?
なぜこのような方法が有効なのでしょうか。
それは、待っている子ども本人の口から「ブランコがしたい」という言葉を聞くことが、子どもには替わってほしいということが一番よく伝わるからです。
一般的に、子どもたちは人の立場に立って考えることが難しいとされています。
そのため、「ここで待っているお友達は何をしたいと思う?」などと話したところで、あまりピンときません。
もしかしたら、何度も伝えているうちに「ブランコがやりたいと思う」などと答えることはあるでしょう。
しかし、それは相手の立場に立って理解できるようになったのではなく、ただ言われたからそう答えるようになるだけなのです。
そのため、相手の気持ちを考えて自分から行動することを促すよりも、実際にその子から話してもらう方が手っ取り早く行動に結びつきやすいのです。
察する子に育てたい?
ここまでお話ししてきましたが、「言われる前に自分で気づいて行動する」ということについては触れていません。
自分の子に対して、「相手から言われなくても自分で考えて行動できる子になってほしい」という思いを持つ方は多いでしょう。
しかし、私はこれはおすすめしません。
ここで少し、皆さんの日常の出来事を思い出してみてください。
例えば、「この前、あの人に誤解を与えてしまったんじゃないかな」なんていったことを思い返した経験はありませんか?
人によっては週に2,3回はあるなんて人もいるでしょう。
これは他人に合わせすぎることや、人の顔色が気になってそればかり見てしまっていることによって起こるものです。
これらは対人関係において過剰に過敏になってしまっている状態であり、それによって精神面、つまり心からの疲労が生じる原因にもなります。
そのため、子どもに人の顔色を伺いながら行動を促すことは、私はおすすめしたくありません。
それよりも、まずは言葉にして要求されたことに答える経験をしてもらいたいのです。 ※
まとめ
今回は公園で遊具の順番を替われない子の対処方法についてお話ししました。
子どもたちが順番の交代を理解できないのは、人の立場にたって考えることがまだできないからです。
そんな時には、「〇〇がやりたくて待っているの?」などと聞くことで、待っている子から「やりたい」という言葉を聞くことができます。
このような環境を作ることで、子どもたちは相手の思いを汲み取り、相手を思いやった行動をとることができるでしょう。
遊具の順番待ちでお困りの方は、ぜひ試してみてくださいね。
※参考文献
名越康文・ロブ@大月『まわりにあわせすぎる人たち』IBCパブリッシング、2005年