【ウルトラセブンを超える若き最強戦士とは?】セブンの息子、ウルトラマンゼロが向かう無限大の未来は?
みなさま、こんにちは!
文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。
もうすぐ夏休みも終わりですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
さて、今回のテーマは「零(ゼロ)」ですー。
「お前、急にかっこつけたけど何言ってんの?」という方も多いかと思いますが、そんなに飾るような内容ではございません。
この「零(ゼロ)」という言葉ですが、実に様々な意味が含まれています。
例えば、何もない状態を表わす数字の「0」。
さらには考え得る最低の温度である「絶対零度」においても、「零」という表記がなされています。
つまり「零(ゼロ)」とは、何もない状態を表わす数字として表わされる一方、最低の状態を象徴する言葉としても、私達の生活の中で日々用いられています。
そこで今回掘り下げるのが、日本が世界に誇る特撮ヒーロー番組である『ウルトラマン』シリーズに登場した若き最強戦士、ウルトラマンゼロ。
なんと彼は、あのウルトラセブンの息子でした。しかしゼロは当初、自身をウルトラセブンの息子とは知らず、大罪を犯してウルトラマン達の故郷である「光の国」を追放された苦い経験を持つ若者だったのです。
しかしゼロは数多くの戦いを通じて「ウルトラ戦士の心」を学び、今やたくさんの仲間に囲まれ、後進の育成にも励む頼もしき存在となりました。
今年2024年は、ウルトラマンゼロが登場して15周年の節目にあたり、国内外で多種多様な催事の開催が開催される等、今や彼の人気は国内だけに留まらず、海外にも及んでいます。
そこで今回は、そんなウルトラセブンの息子である「ウルトラマンゼロ」の足跡に焦点を当てていきたいと思います。
※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けたらと思います。
【ウルトラマンゼロ!セブンの息子だ!大罪を犯したウルトラマンゼロを導いた存在とは何者か?
さて、ここからは「ウルトラマンゼロ」について触れていきますが、その前に少しだけ、ウルトラマンシリーズについて概説をさせてください。
ウルトラマンシリーズは、株式会社円谷プロダクション制作の特撮ヒーロー番組『ウルトラマン(1966)』及び、特撮怪獣番組『ウルトラQ(1966)』を起点とするシリーズです。1966年に『ウルトラマン』が放送され、身長40mの銀色の巨人が巨大な怪獣と戦い、最後は必殺光線(スペシウム光線)で怪獣を退治するという物語はたちまち子ども達の心を掴み、最高視聴率42.8%、平均視聴率36.8%を記録する大人気番組となりました。
大衆的な人気を博した『ウルトラマン(1966)』の放映終了後も、その次回作である『ウルトラセブン(1967)』、以降も『ウルトラマンタロウ(1973)』や『ウルトラマンレオ(1974)』等、シリーズが続いていきました。
元号が昭和から平成へと移行した後も、『ウルトラマンティガ(1996)』、『ウルトラマンコスモス(2001)』、『ウルトラマンギンガ(2013)』と世代を跨ぎながらシリーズが続き、現在は最新作『ウルトラマンアーク(2024)』の放送も開始され、親子三世代に渡り長く親しまれる特撮ヒーロー番組として、ウルトラマンシリーズの物語はますます拡大の一途を辿りつつあります。
そんな約60年に渡る長い歴史を持つウルトラマンシリーズの中で、特に突出した大活躍を見せている者こそ、本記事の主人公である「ウルトラマンゼロ」。
彼がデビューしたのは、2009年12月12日公開の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』。
壮大な宇宙を舞台に、人間と怪獣、ウルトラマン達が力を合わせて、悪のウルトラマンベリアルから宇宙の平和を取り戻すという内容で公開されました。
さて、本作『ウルトラ銀河伝説』におけるゼロの活躍ですが、彼は「とある事件」を起こしてウルトラマン達の故郷である「光の国」を追放され、他のウルトラマン達の指導を受けながら更生に励むという、いわば「不良少年」のようなデビューだったのです。
ここで疑問なのは、「セブンの息子、何やったの?」という件・・・。
彼は強さを求めて、あまりにも強大な力のために触れてはならないとされる禁断の光(プラズマスパークと呼ばれる人工太陽)に触れようとしてしまい、ウルトラセブン達に制止されていたのです。実は過去にも強さに惹かれてこの禁断の光に手を出したウルトラマン(ベリアル)がおり、彼を追放した結果、悪の道に走ってしまった前例がありました。つまり、正義の超人であるウルトラマンひとりの人生を大きく狂わせてしまうほど強大な力だったのです。
平和の使者であるウルトラマンでありながら悪の道に走り、宇宙で破壊の限りを尽くしたベリアルの二の舞を生み出してしまったら、ウルトラマン達もたまったものではありません。ましてやウルトラマン達にとって「かけがえのない星」である地球を救った英雄・ウルトラセブンの息子ともあれば尚更のことです。
正義を持たない力がどんなに危険なものか、ゼロはまだ知らなかったのです。
セブンは息子・ゼロを「もうウルトラ戦士の資格はない」と判断し、彼を「光の国」から追放します。しかしゼロの追放先は、普段ウルトラマン達が鍛錬に励む「K76星」という惑星でした。
身寄りのないゼロを引き受けたのが、ウルトラセブンの愛弟子であるウルトラマンレオと、その弟であるアストラ。そして歴代ウルトラマン達を支援してきた伝説の超人、ウルトラマンキング(声:小泉純一郎)でした。建前上はゼロを追放していたウルトラセブンですが、あえて突き放す親の愛から、愛息であるゼロを愛弟子のレオに預けていたのです。
かつて自身がセブンに徹底的にしごかれたように、レオはゼロを容赦なく鍛え上げます。養成ギプスのような装置をゼロに着用させ、普段通りに動くことの出来ないゼロに、燃える獅子(レオ)は容赦なく襲いかかりました。その様子を静観するアストラとキングですが、修業を積みながらゼロは少しずつ力をつけるだけでなく、か弱き命を守るというウルトラ戦士としての使命に目覚めていきます。
ウルトラマンは単に強いだけではない。か弱き者もいたわる優しき心も欠かせないー。かつて禁断の光に触れようとしたゼロを父・セブンが助けたように、窮地に陥る者を助けることも強さの形であると、師匠であるレオに諭されるゼロ。
そしてゼロの修業を見守ってきたウルトラマンキングは、ゼロの父親こそウルトラセブンであり、大罪を犯したゼロに過酷な試練を積ませることで、一人前のウルトラ戦士に鍛え上げようとしていた意図をゼロに明かします。
これまで自身の出生を知らなかったゼロは一人前の戦士として認められ、父・ウルトラセブンの危機を知って戦場(怪獣墓場)へと向かいます。
戦場で待ち構えていたのは、かつて自身と同様に禁断の光に手を出し、悪の道へと墜ちた最凶最悪のウルトラマン、ベリアルでした。致命傷を喰らい、傷つき眠る父親(セブン)の惨状に、ゼロは怒りに震えます。
「誰だ?」(ウルトラマンベリアル)
「ゼロ!ウルトラマンゼロ!!セブンの息子だ!!!」(ウルトラマンゼロ)
親父同様地獄に送ってやるとベリアルは100体の怪獣軍団をゼロに差し向けますが、レオ兄弟に鍛え上げられた確固たる強さと、洗練された数々の技の前に、怪獣達は次々に一掃されていきます。最後はベリアルと一騎打ちし勝利を収めたゼロは、他のウルトラマン達と共闘して事件を解決したのでした。
ウルトラマンベリアルによって破壊された「光の国」は、ゼロ達の活躍によって復興し、ゼロは帰還を許されます。しかし彼の胸中にあったのは、負傷した父・ウルトラセブンの安否でした。
そんなゼロの前に健在な姿を現わしたのは、ウルトラセブンでした。
「さすが、俺の子だな・・・」(ウルトラセブン)
「親父・・・」(ウルトラマンゼロ)
再会した親子は、力強く抱き合うのでした。
【新しい仲間に愛弟子の誕生!】未来へ続くウルトラマンゼロのその後の物語とは?
上述した映画『ウルトラ銀河伝説(2009)』にて華々しいデビューを飾ったウルトラマンゼロですが、彼の活躍はこれに留まりません。現在に至るまでの15年の間、ゼロは新しい仲間達と出会い、後進のウルトラマン達を強く鍛え上げ、さらには彼にとって愛弟子のような存在も獲得していくことになりました。
しかしそんなウルトラマンゼロの足跡は、彼にとって因縁の相手かつ、不滅のライバルであるウルトラマンベリアルとの戦いの歴史でもありました。
何度ゼロに倒されて命を失おうがベリアルはよみがえり、執拗にゼロを追い詰めていきました。ある時は大銀河帝国を築いた人海戦術でゼロ達を苦戦させ、またある時は自身が亡霊となってゼロを操り、ゼロ自身の手で彼の仲間達の殺害を実行したこともありました(後に復活)。
そんな終わりなきゼロとベリアルの戦いに終止符を打ったのは、なんとベリアルの息子であり、「ジード」という新たなウルトラマンでした。
ベリアルを崇拝する宇宙人(ストルム星人)が、ベリアルの遺伝子から人工的に作り上げた命であるウルトラマンジード。彼は自身の出生に抗いながら、大切な仲間達と共に生きていくことを決意し、ベリアルと抗戦します。
そんなジードを支援したのが、ウルトラマンゼロでした。
ゼロはサラリーマンの青年( 伊賀栗レイト)と一心同体となって地球に滞在し、自身の運命に苦悩するジード(朝倉リク)の戦いをサポートしていきました。
ベリアルがジードによって退治されたことに伴い、ゼロは地球を離れます。
その後もゼロの戦いは続き、ベリアルに代る新たな宿敵(アブソリューティアン)との遭遇、そしてまた「ゼロの弟子」になりたい一心で彼を慕う後進のウルトラマン(ウルトラマンZ)と出会うことになります。
デビューから現在まで、15年に渡り描かれてきた若き最強戦士、ウルトラマンゼロの戦い。
歴代ウルトラマン達の中でも、これ程長く派生作品が制作され、新たな要素が次々に加えられていったヒーローは極めて稀なケースといって良いかと思います。
誕生15周年のアニバーサリーを迎え、今や国内外で高い支持を誇るウルトラマンゼロが、新たな未来に向けてどんな物語を紡いでいくのか。
私も、彼の「次の物語」を心待ちにしたいと思いますー。
最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。
(これまでのウルトラマンゼロの活躍を視聴するなら)
・TSUBURAYA IMAGINATION(通称:ウルトラサブスク、外部リンク)
(参考文献)
・中村公紀、「スーパーてれびくん×ウルトラマンサーガ」、小学館
(アクセス ※米国ハワイ州オアフ島内)
・ポリネシアカルチャーセンター
住所:55-370 Kamehameha Hwy, Laie, HI 96762
URL:https://polynesia.jp/(外部リンク)