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【ウルトラセブンを超える若き最強戦士とは?】セブンの息子、ウルトラマンゼロが向かう無限大の未来は?

二重作昌満博士(文学)/PhD(literature)

みなさま、こんにちは!

文学博士の二重作昌満(ふたえさく まさみつ)です。

もうすぐ夏休みも終わりですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

さて、今回のテーマは「零(ゼロ)」ですー。

「お前、急にかっこつけたけど何言ってんの?」という方も多いかと思いますが、そんなに飾るような内容ではございません。

この「零(ゼロ)」という言葉ですが、実に様々な意味が含まれています。

例えば、何もない状態を表わす数字の「0」。

さらには考え得る最低の温度である「絶対零度」においても、「零」という表記がなされています。

つまり「零(ゼロ)」とは、何もない状態を表わす数字として表わされる一方、最低の状態を象徴する言葉としても、私達の生活の中で日々用いられています。

そこで今回掘り下げるのが、日本が世界に誇る特撮ヒーロー番組である『ウルトラマン』シリーズに登場した若き最強戦士、ウルトラマンゼロ。

なんと彼は、あのウルトラセブンの息子でした。しかしゼロは当初、自身をウルトラセブンの息子とは知らず、大罪を犯してウルトラマン達の故郷である「光の国」を追放された苦い経験を持つ若者だったのです。

ウルトラマンゼロはウルトラセブンの息子。セブンが頭部に装着されているアイスラッガー(刃物兼ブーメラン)を駆使して戦うように、ゼロは二本のゼロスラッガーを用いて敵を切り裂く。
ウルトラマンゼロはウルトラセブンの息子。セブンが頭部に装着されているアイスラッガー(刃物兼ブーメラン)を駆使して戦うように、ゼロは二本のゼロスラッガーを用いて敵を切り裂く。

しかしゼロは数多くの戦いを通じて「ウルトラ戦士の心」を学び、今やたくさんの仲間に囲まれ、後進の育成にも励む頼もしき存在となりました。

今年2024年は、ウルトラマンゼロが登場して15周年の節目にあたり、国内外で多種多様な催事の開催が開催される等、今や彼の人気は国内だけに留まらず、海外にも及んでいます。

2014年に開催された円谷プロとハワイ州観光局の提携企画「ウルトラハワイ」では、4体のウルトラマン立像がハワイ州オアフ島内に期間限定で設置された。ゼロが設置されたのはポリネシア・カルチャー・センター。
2014年に開催された円谷プロとハワイ州観光局の提携企画「ウルトラハワイ」では、4体のウルトラマン立像がハワイ州オアフ島内に期間限定で設置された。ゼロが設置されたのはポリネシア・カルチャー・センター。

そこで今回は、そんなウルトラセブンの息子である「ウルトラマンゼロ」の足跡に焦点を当てていきたいと思います。

※本記事は「私、アニメや特撮にくわしくないわ」という方にもご覧頂けますよう、可能な限り概要的にお話をしておりますので、ゆっくり肩の力を抜いて、気軽にお楽しみ頂けたらと思います。

【ウルトラマンゼロ!セブンの息子だ!大罪を犯したウルトラマンゼロを導いた存在とは何者か?

さて、ここからは「ウルトラマンゼロ」について触れていきますが、その前に少しだけ、ウルトラマンシリーズについて概説をさせてください。

『ウルトラマン(1966)』に登場した初代ウルトラマン。陸海空から現れる怪獣達を相手にウルトラマンは戦い、最後は必殺光線・スペシウム光線で退治する。しかし時には罪のない怪獣をいたわる優しさもみせた。
『ウルトラマン(1966)』に登場した初代ウルトラマン。陸海空から現れる怪獣達を相手にウルトラマンは戦い、最後は必殺光線・スペシウム光線で退治する。しかし時には罪のない怪獣をいたわる優しさもみせた。

ウルトラマンシリーズは、株式会社円谷プロダクション制作の特撮ヒーロー番組『ウルトラマン(1966)』及び、特撮怪獣番組『ウルトラQ(1966)』を起点とするシリーズです。1966年に『ウルトラマン』が放送され、身長40mの銀色の巨人が巨大な怪獣と戦い、最後は必殺光線(スペシウム光線)で怪獣を退治するという物語はたちまち子ども達の心を掴み、最高視聴率42.8%、平均視聴率36.8%を記録する大人気番組となりました。

『ウルトラマン(1966)』放送終了後、次回作『ウルトラセブン(1967)』が放送された。幾千の星からやって来る宇宙人達の侵略も魔の手から、光の国の恒点観測員340号ことウルトラセブンが地球を守る。
『ウルトラマン(1966)』放送終了後、次回作『ウルトラセブン(1967)』が放送された。幾千の星からやって来る宇宙人達の侵略も魔の手から、光の国の恒点観測員340号ことウルトラセブンが地球を守る。

大衆的な人気を博した『ウルトラマン(1966)』の放映終了後も、その次回作である『ウルトラセブン(1967)』、以降も『ウルトラマンタロウ(1973)』や『ウルトラマンレオ(1974)』等、シリーズが続いていきました。

ウルトラマンシリーズ第7作『ウルトラマンレオ(1974)』では、マグマ星人によって故郷L77星を失ったウルトラマンレオと、マグマ星人達との戦いで変身不能となったウルトラセブンの師弟関係が描かれた。
ウルトラマンシリーズ第7作『ウルトラマンレオ(1974)』では、マグマ星人によって故郷L77星を失ったウルトラマンレオと、マグマ星人達との戦いで変身不能となったウルトラセブンの師弟関係が描かれた。

元号が昭和から平成へと移行した後も、『ウルトラマンティガ(1996)』、『ウルトラマンコスモス(2001)』、『ウルトラマンギンガ(2013)』と世代を跨ぎながらシリーズが続き、現在は最新作『ウルトラマンアーク(2024)』の放送も開始され、親子三世代に渡り長く親しまれる特撮ヒーロー番組として、ウルトラマンシリーズの物語はますます拡大の一途を辿りつつあります。

ウルトラマンゼロは映画『ウルトラ銀河伝説(2009)』にて衝撃のデビューを果たした後、彼を主人公にした映画やオリジナルビデオ等、派生作品が数多く制作された(写真はこれらの作品のBlu-ray Box)
ウルトラマンゼロは映画『ウルトラ銀河伝説(2009)』にて衝撃のデビューを果たした後、彼を主人公にした映画やオリジナルビデオ等、派生作品が数多く制作された(写真はこれらの作品のBlu-ray Box)

そんな約60年に渡る長い歴史を持つウルトラマンシリーズの中で、特に突出した大活躍を見せている者こそ、本記事の主人公である「ウルトラマンゼロ」。

彼がデビューしたのは、2009年12月12日公開の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』。

壮大な宇宙を舞台に、人間と怪獣、ウルトラマン達が力を合わせて、悪のウルトラマンベリアルから宇宙の平和を取り戻すという内容で公開されました。

2009年12月12日公開の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(左)はテレビ番組『大怪獣バトル』の劇場版。本作品を機に、ウルトラマンゼロを主役とした派生作品(右)が次々と制作。
2009年12月12日公開の映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(左)はテレビ番組『大怪獣バトル』の劇場版。本作品を機に、ウルトラマンゼロを主役とした派生作品(右)が次々と制作。

さて、本作『ウルトラ銀河伝説』におけるゼロの活躍ですが、彼は「とある事件」を起こしてウルトラマン達の故郷である「光の国」を追放され、他のウルトラマン達の指導を受けながら更生に励むという、いわば「不良少年」のようなデビューだったのです。

ここで疑問なのは、「セブンの息子、何やったの?」という件・・・。

彼は強さを求めて、あまりにも強大な力のために触れてはならないとされる禁断の光(プラズマスパークと呼ばれる人工太陽)に触れようとしてしまい、ウルトラセブン達に制止されていたのです。実は過去にも強さに惹かれてこの禁断の光に手を出したウルトラマン(ベリアル)がおり、彼を追放した結果、悪の道に走ってしまった前例がありました。つまり、正義の超人であるウルトラマンひとりの人生を大きく狂わせてしまうほど強大な力だったのです。

『ウルトラ銀河伝説(2009)』の悪役であるウルトラマンベリアル。もともと彼は「光の国」出身のウルトラマンだった。悪の道に墜ちた彼は、100体の怪獣軍団を率いて破壊の限りを尽くし、光の国を壊滅させた。
『ウルトラ銀河伝説(2009)』の悪役であるウルトラマンベリアル。もともと彼は「光の国」出身のウルトラマンだった。悪の道に墜ちた彼は、100体の怪獣軍団を率いて破壊の限りを尽くし、光の国を壊滅させた。

平和の使者であるウルトラマンでありながら悪の道に走り、宇宙で破壊の限りを尽くしたベリアルの二の舞を生み出してしまったら、ウルトラマン達もたまったものではありません。ましてやウルトラマン達にとって「かけがえのない星」である地球を救った英雄・ウルトラセブンの息子ともあれば尚更のことです。

正義を持たない力がどんなに危険なものか、ゼロはまだ知らなかったのです。

セブンは息子・ゼロを「もうウルトラ戦士の資格はない」と判断し、彼を「光の国」から追放します。しかしゼロの追放先は、普段ウルトラマン達が鍛錬に励む「K76星」という惑星でした。

追放されたゼロを「K76星」で鍛えたのは、セブンの愛弟子であるウルトラマンレオ(中央)とその弟アストラ(左)だった。過酷な特訓の様子を見守るのは、かつてレオ達を支援した伝説の超人、キング(右)である。
追放されたゼロを「K76星」で鍛えたのは、セブンの愛弟子であるウルトラマンレオ(中央)とその弟アストラ(左)だった。過酷な特訓の様子を見守るのは、かつてレオ達を支援した伝説の超人、キング(右)である。

身寄りのないゼロを引き受けたのが、ウルトラセブンの愛弟子であるウルトラマンレオと、その弟であるアストラ。そして歴代ウルトラマン達を支援してきた伝説の超人、ウルトラマンキング(声:小泉純一郎)でした。建前上はゼロを追放していたウルトラセブンですが、あえて突き放す親の愛から、愛息であるゼロを愛弟子のレオに預けていたのです。

「くそっ!こいつを外せ!」「それも修行の内だ!我慢しろ!」かつて自身がセブンに厳しく鍛え上げられたように、レオはゼロを過酷な環境下において厳しく鍛え上げた。
「くそっ!こいつを外せ!」「それも修行の内だ!我慢しろ!」かつて自身がセブンに厳しく鍛え上げられたように、レオはゼロを過酷な環境下において厳しく鍛え上げた。

かつて自身がセブンに徹底的にしごかれたように、レオはゼロを容赦なく鍛え上げます。養成ギプスのような装置をゼロに着用させ、普段通りに動くことの出来ないゼロに、燃える獅子(レオ)は容赦なく襲いかかりました。その様子を静観するアストラとキングですが、修業を積みながらゼロは少しずつ力をつけるだけでなく、か弱き命を守るというウルトラ戦士としての使命に目覚めていきます。

特訓の中でゼロが守った小さな命。それは「ピグモン」と呼ばれるK76星で生きる小さな生物だった。ゼロが力だけでなく小さき命を思いやる精神を持つようになったことを認識したキング達は、修業を終了させる。
特訓の中でゼロが守った小さな命。それは「ピグモン」と呼ばれるK76星で生きる小さな生物だった。ゼロが力だけでなく小さき命を思いやる精神を持つようになったことを認識したキング達は、修業を終了させる。

ウルトラマンは単に強いだけではない。か弱き者もいたわる優しき心も欠かせないー。かつて禁断の光に触れようとしたゼロを父・セブンが助けたように、窮地に陥る者を助けることも強さの形であると、師匠であるレオに諭されるゼロ。

そしてゼロの修業を見守ってきたウルトラマンキングは、ゼロの父親こそウルトラセブンであり、大罪を犯したゼロに過酷な試練を積ませることで、一人前のウルトラ戦士に鍛え上げようとしていた意図をゼロに明かします。

ウルトラマンゼロの母親(ウルトラセブンの妻)であるが、その詳細については未解明な点が多い。一説によれば光の国の「宇宙科学技術庁」にいた科学者らしく、素晴らしい研究をたくさんしていたらしいが詳細は不明。
ウルトラマンゼロの母親(ウルトラセブンの妻)であるが、その詳細については未解明な点が多い。一説によれば光の国の「宇宙科学技術庁」にいた科学者らしく、素晴らしい研究をたくさんしていたらしいが詳細は不明。

これまで自身の出生を知らなかったゼロは一人前の戦士として認められ、父・ウルトラセブンの危機を知って戦場(怪獣墓場)へと向かいます。

怪獣墓場には、最凶最悪のウルトラマンベリアルと、彼が率いる100体の怪獣軍団が待ち構えていた。壊滅した光の国から脱出した初代ウルトラマンとセブン達が挑むが劣勢。セブンはベリアルの策で致命傷を負う。
怪獣墓場には、最凶最悪のウルトラマンベリアルと、彼が率いる100体の怪獣軍団が待ち構えていた。壊滅した光の国から脱出した初代ウルトラマンとセブン達が挑むが劣勢。セブンはベリアルの策で致命傷を負う。

戦場で待ち構えていたのは、かつて自身と同様に禁断の光に手を出し、悪の道へと墜ちた最凶最悪のウルトラマン、ベリアルでした。致命傷を喰らい、傷つき眠る父親(セブン)の惨状に、ゼロは怒りに震えます。

「誰だ?」(ウルトラマンベリアル)

「ゼロ!ウルトラマンゼロ!!セブンの息子だ!!!」(ウルトラマンゼロ)

修業を完遂させたゼロの姿を見たセブンは、ゼロの腕の中で静かに目を閉じる。怒りに震えるゼロは、師匠・レオから伝授したキック技や、父親譲りのゼロスラッガーを駆使してベリアルを確実に追い詰めていった。
修業を完遂させたゼロの姿を見たセブンは、ゼロの腕の中で静かに目を閉じる。怒りに震えるゼロは、師匠・レオから伝授したキック技や、父親譲りのゼロスラッガーを駆使してベリアルを確実に追い詰めていった。

親父同様地獄に送ってやるとベリアルは100体の怪獣軍団をゼロに差し向けますが、レオ兄弟に鍛え上げられた確固たる強さと、洗練された数々の技の前に、怪獣達は次々に一掃されていきます。最後はベリアルと一騎打ちし勝利を収めたゼロは、他のウルトラマン達と共闘して事件を解決したのでした。

ウルトラマンベリアルによって破壊された「光の国」は、ゼロ達の活躍によって復興し、ゼロは帰還を許されます。しかし彼の胸中にあったのは、負傷した父・ウルトラセブンの安否でした。

そんなゼロの前に健在な姿を現わしたのは、ウルトラセブンでした。

「さすが、俺の子だな・・・」(ウルトラセブン)

「親父・・・」(ウルトラマンゼロ)

再会した親子は、力強く抱き合うのでした。

ベリアルによって一度は壊滅した「光の国」。長老であるウルトラマンキング(声:小泉純一郎)の演説のもと、ウルトラマン達は遙かなる宇宙の平和と未来のために、新たに立ち上がる決意を固めた。
ベリアルによって一度は壊滅した「光の国」。長老であるウルトラマンキング(声:小泉純一郎)の演説のもと、ウルトラマン達は遙かなる宇宙の平和と未来のために、新たに立ち上がる決意を固めた。

【新しい仲間に愛弟子の誕生!】未来へ続くウルトラマンゼロのその後の物語とは?

上述した映画『ウルトラ銀河伝説(2009)』にて華々しいデビューを飾ったウルトラマンゼロですが、彼の活躍はこれに留まりません。現在に至るまでの15年の間、ゼロは新しい仲間達と出会い、後進のウルトラマン達を強く鍛え上げ、さらには彼にとって愛弟子のような存在も獲得していくことになりました。

『ウルトラ銀河伝説(2009)』からその後のゼロの活躍を描いた映画やオリジナルビデオにて数々の仲間と出会った。ゼロは仲間達と共に新しい宇宙警備隊「ウルティメイトフォースゼロ」を結成した。
『ウルトラ銀河伝説(2009)』からその後のゼロの活躍を描いた映画やオリジナルビデオにて数々の仲間と出会った。ゼロは仲間達と共に新しい宇宙警備隊「ウルティメイトフォースゼロ」を結成した。

宇宙の平和を守るウルトラマンゼロは、ダイナ(左)やコスモス(中央、青)といったM78星雲光の国以外のウルトラマン達とも親交を深め、3人の心を1つにしてウルトラマンサーガ(右)へと融合する力も得た。
宇宙の平和を守るウルトラマンゼロは、ダイナ(左)やコスモス(中央、青)といったM78星雲光の国以外のウルトラマン達とも親交を深め、3人の心を1つにしてウルトラマンサーガ(右)へと融合する力も得た。

しかしそんなウルトラマンゼロの足跡は、彼にとって因縁の相手かつ、不滅のライバルであるウルトラマンベリアルとの戦いの歴史でもありました。

ゼロの活躍が続くと共に、彼のライバルであるベリアルも執拗にゼロを狙い、その姿を変えてゼロと再戦してきた。あるときはカイザーベリアルを名乗り、またある時はカイザーダークネスと名乗ってゼロを追い詰めた。
ゼロの活躍が続くと共に、彼のライバルであるベリアルも執拗にゼロを狙い、その姿を変えてゼロと再戦してきた。あるときはカイザーベリアルを名乗り、またある時はカイザーダークネスと名乗ってゼロを追い詰めた。

何度ゼロに倒されて命を失おうがベリアルはよみがえり、執拗にゼロを追い詰めていきました。ある時は大銀河帝国を築いた人海戦術でゼロ達を苦戦させ、またある時は自身が亡霊となってゼロを操り、ゼロ自身の手で彼の仲間達の殺害を実行したこともありました(後に復活)。

ゼロに倒され、亡霊となったベリアルは今度はゼロ自身に憑依して彼の仲間を抹殺する。自分の手で仲間を殺めたことに苦悩するが、亡き仲間の声で奮起したゼロは新たな姿でベリアルを圧倒し、仲間をよみがえらせた。
ゼロに倒され、亡霊となったベリアルは今度はゼロ自身に憑依して彼の仲間を抹殺する。自分の手で仲間を殺めたことに苦悩するが、亡き仲間の声で奮起したゼロは新たな姿でベリアルを圧倒し、仲間をよみがえらせた。

そんな終わりなきゼロとベリアルの戦いに終止符を打ったのは、なんとベリアルの息子であり、「ジード」という新たなウルトラマンでした。

ベリアルを崇拝する宇宙人(ストルム星人)が、ベリアルの遺伝子から人工的に作り上げた命であるウルトラマンジード。彼は自身の出生に抗いながら、大切な仲間達と共に生きていくことを決意し、ベリアルと抗戦します。

ウルトラマンベリアルの息子の物語、『ウルトラマンジード』は2017年7月1日から12月23日まで、全25話が放送された(写真はバンダイビジュアルから発売中の本作のBlu-ray Box全2巻)。
ウルトラマンベリアルの息子の物語、『ウルトラマンジード』は2017年7月1日から12月23日まで、全25話が放送された(写真はバンダイビジュアルから発売中の本作のBlu-ray Box全2巻)。

『ウルトラマンジード(2017)』は全25話を通じて、ベリアルと彼の息子・ジードとの攻防が描かれる。本作にはゼロも新たな姿(ゼロビヨンド)で参戦し、ジード(右)と共に強化されたベリアル(左)と戦った。
『ウルトラマンジード(2017)』は全25話を通じて、ベリアルと彼の息子・ジードとの攻防が描かれる。本作にはゼロも新たな姿(ゼロビヨンド)で参戦し、ジード(右)と共に強化されたベリアル(左)と戦った。

そんなジードを支援したのが、ウルトラマンゼロでした。

ゼロはサラリーマンの青年( 伊賀栗レイト)と一心同体となって地球に滞在し、自身の運命に苦悩するジード(朝倉リク)の戦いをサポートしていきました。

ベリアルがジードによって退治されたことに伴い、ゼロは地球を離れます。

長きにわたり続いたベリアルとの戦いに終止符が打たれたと思いきや、今度はゼロの前にアブソリューティアンと呼ばれる存在が現れた。その一員タルタロスは、過去の時間からベリアルを呼び出し、共にゼロを追い詰める
長きにわたり続いたベリアルとの戦いに終止符が打たれたと思いきや、今度はゼロの前にアブソリューティアンと呼ばれる存在が現れた。その一員タルタロスは、過去の時間からベリアルを呼び出し、共にゼロを追い詰める

その後もゼロの戦いは続き、ベリアルに代る新たな宿敵(アブソリューティアン)との遭遇、そしてまた「ゼロの弟子」になりたい一心で彼を慕う後進のウルトラマン(ウルトラマンZ)と出会うことになります。

ゼロの弟子である若きウルトラマンの活躍を描いた『ウルトラマンZ』は2020年6月20日から12月26日まで、全25話が放送された(写真はバンダイビジュアルから発売中の本作のBlu-ray Box)。
ゼロの弟子である若きウルトラマンの活躍を描いた『ウルトラマンZ』は2020年6月20日から12月26日まで、全25話が放送された(写真はバンダイビジュアルから発売中の本作のBlu-ray Box)。

ウルトラマンゼロに憧れ、弟子入りを目指す新人戦士ウルトラマンZ。明るく陽気な性格の反面、不器用な彼を当初は弟子と認めなかったゼロだが、悪魔セレブロから地球を守り抜いた彼を弟子として認めていくように?
ウルトラマンゼロに憧れ、弟子入りを目指す新人戦士ウルトラマンZ。明るく陽気な性格の反面、不器用な彼を当初は弟子と認めなかったゼロだが、悪魔セレブロから地球を守り抜いた彼を弟子として認めていくように?

デビューから現在まで、15年に渡り描かれてきた若き最強戦士、ウルトラマンゼロの戦い。

歴代ウルトラマン達の中でも、これ程長く派生作品が制作され、新たな要素が次々に加えられていったヒーローは極めて稀なケースといって良いかと思います。

強力なアブソリューティアンを前に一度は敗北したゼロ。ゼロは再びK76星にてセブンやレオ達と修業を開始。ゼロの中に眠る「野性の本能」を呼び覚ましたゼロは、真紅の姿「ワイルドバースト」として覚醒する。
強力なアブソリューティアンを前に一度は敗北したゼロ。ゼロは再びK76星にてセブンやレオ達と修業を開始。ゼロの中に眠る「野性の本能」を呼び覚ましたゼロは、真紅の姿「ワイルドバースト」として覚醒する。

誕生15周年のアニバーサリーを迎え、今や国内外で高い支持を誇るウルトラマンゼロが、新たな未来に向けてどんな物語を紡いでいくのか。

私も、彼の「次の物語」を心待ちにしたいと思いますー。

最後までご覧頂きまして、誠にありがとうございました。

登場から15年ー。ウルトラマンゼロの進化はこれからも続いていく。そして彼に憧れ、志を共にする後進のウルトラマン達と共に、無限大に拡がる未来へ向かって突き進んでいくー(筆者撮影)。
登場から15年ー。ウルトラマンゼロの進化はこれからも続いていく。そして彼に憧れ、志を共にする後進のウルトラマン達と共に、無限大に拡がる未来へ向かって突き進んでいくー(筆者撮影)。

ウルトラマンゼロの人気は国内だけに留まらず、中国をはじめ海外市場においても高く支持されている。中国では、写真のような日本未発売の商品が現地にて多数発売されており、現在もその勢いは止まることはない。
ウルトラマンゼロの人気は国内だけに留まらず、中国をはじめ海外市場においても高く支持されている。中国では、写真のような日本未発売の商品が現地にて多数発売されており、現在もその勢いは止まることはない。

(これまでのウルトラマンゼロの活躍を視聴するなら)
TSUBURAYA IMAGINATION(通称:ウルトラサブスク、外部リンク)
(参考文献)
・中村公紀、「スーパーてれびくん×ウルトラマンサーガ」、小学館

(アクセス ※米国ハワイ州オアフ島内)
・ポリネシアカルチャーセンター
住所:55-370 Kamehameha Hwy, Laie, HI 96762
URL:https://polynesia.jp/(外部リンク)

博士(文学)/PhD(literature)

博士(文学)。日本の「特撮(特殊撮影)」作品を誘致資源とした観光「特撮ツーリズム」を提唱し、これまで包括的な研究を実施。国内の各学術学会や、海外を拠点とした国際会議へも精力的に参加。200を超える国内外の特撮・アニメ催事に参加してきた経験を生かし、国内学術会議や国際会議にて日本の特撮・アニメ作品を通じた観光研究を多数発表、数多くの賞を受賞する。国際会議の事務局メンバーのほか、講演、執筆、観光ツアーの企画等、多岐に渡り活動中。東海大学総合社会科学研究所・特任助教。

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