自分もハリケーン被害を受けながら、それでも被災者のために動き出したPGAツアー選手たち #ゴルフ
9月26日から米国南東部を縦断したハリケーン「ヘレン」は、フロリダ州やジョージア州、ノース・カロライナ州、サウス・カロライナ州やその周辺に家屋の倒壊、倒木、洪水、停電などの甚大な被害をもたらしている。AP通信などの報道によると、10月を迎えた今でも約140万軒が停電しており、多くの死傷者が出ている。
マスターズの舞台、オーガスタ・ナショナル(米ジョージア州オーガスタ)も大きな被害を受けている。しかし、フレッド・リドレー会長は「被害状況は確認中だが、優先すべきはオーガスタ・ナショナルのスタッフや近隣の住民、ビジネス・オーナーの人々の安全だ」と語った。
PGAツアー選手のジョン・デーリーは、フロリダ州の自宅が洪水被害に遭い、「すべてを失った。でも私たち家族は全員無事だ。そして、失ったものは別のもので置き換えることができる」と自身のSNSで発信し、生きていることへの感謝を綴っていた。
そんな中、PGAツアーの選手たちが、さっそく被災者や被災地のためにアクションを起こしている。
今週のPGAツアーの大会、サンダーソン・ファームズ選手権のディフェンディング・チャンピオンで39歳の米国人選手、ルーク・リストは、ワシントン州シアトルの出身だが、現在はジョージア州オーガスタ在住だ。
米ゴルフウィークによると、リストの自宅もハリケーン被害に遭い、停電しているとのこと。リストは近隣住民らとともに、道路をブロックしている倒木を短く切って撤去する作業などを行なった上で、家族を連れて今週の試合会場であるカントリークラブ・オブ・ジャクソン(米ミシシッピ州ジャクソン)にやってきた。
そして、オーガスタ大学出身で、やはりオーガスタに自宅がある37歳のスウェーデン出身選手、ヘンリック・ノーランダーとともに、ハリケーン被災者と被災地のための寄付活動を行なうことを決めたという。
リストとノーランダーの2人は、1つバーディーを獲るごとに500ドルを寄付し、4日間で積み上げた全額が赤十字社を通じて被災地へ届けられるそうだ。
リストは「たくさんの人々が被災している今、どんな形であれ、できる限り、最大限、社会のために貢献したい」と語り、「お世話になってきた社会にお返しがしたいと思う人々に、寄付へのさらなる協力をお願いしたい」と呼びかけている。
自らも被災しながら、それでも寄付を行なうPGAツアー選手たちの素早く温かい動きは、これからゴルフ界全体に広がるのではないだろうか。