ハリケーン被害のオーガスタ・ナショナルが500万ドルを寄付、来年のマスターズは予定通り開催 #ゴルフ
9月26日(米国時間)に米国南東部を縦断したハリケーン「ヘレン」は、フロリダ州やジョージア州、ノース・カロライナ州やサウス・カロライナ州に甚大な被害をもたらし、米CNNによると、すでに死者数は190名超。洪水や家屋の倒壊、倒木による被害はいたるところに見られ、いまなお停電が続いている地域もあるという。
今週はアジア・パシフィック・アマチュア選手権が開催されているため、日本の太平洋クラブ御殿場コース(静岡県御殿場市)に滞在しているオーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長は、10月3日(米国時間)に声明を出し、被害を受けたジョージア州オーガスタ市周辺のコミュニティのために、500万ドルを寄付することを発表した。
オーガスタ・ナショナルのコースや施設も大きな被害を受けているのだが、それでも地域住民のために率先して力を尽くすところは、さすがゴルフ界でリーダーシップを発揮しているオーガスタ・ナショナルである。
アジア・パシフィック・アマチュアの優勝者は来年のマスターズ出場権を獲得することができるのだが、果たして2025年マスターズは予定通り、4月10日からの開催が可能なのかどうかが心配されていた。
米スポーツイラストレイテッドによると、リドレー会長は御殿場で米メディアの質問に答え、「オーガスタ・ナショナルは数日間、停電状態だが、大勢の人々が復旧作業に力を尽くしてくれている」と明かした。そして、「来年のマスターズは予定されている通りの日程で開催されることに自信を持っている」と力を込めた。
さらに、リドレー会長は声明の中で、こう綴っている。
「嵐に襲われたとき、私はオーガスタにいて、その猛威を直に感じた。オーガスタ・ナショナルの従業員や近隣住民や友人、そしてビジネス・オーナーの方々は、早急な手助けを必要としており、彼らはオーガスタ全域に及んでいるこの困難を乗り越えるために、そうしたヘルプを受けるべきである」
「オーガスタ・ナショナルはサバンナ・リバー地域財団と協力し、私たちのコミュニティを手助けしたい。それは私たちの務めだと考えている。そうした手助けが求められているときに、私たちならではの迅速適切な対応をすることこそが、私たちが目指すゴールだ。私たちの手助けが、みなさんの心を前に向け、危機的状況に対処しようという気持ちにつながることを望んでいる」
折りしも、ミシシッピ州ジャクソンで今週開催されているPGAツアーの大会、サンダーソン・ファームズ選手権では、オーガスタ在住の39歳の米国人選手、ルーク・リストと37歳のスウェーデン人選手、ヘンリック・ノーランダーが、やはり彼ら自身もハリケーン被害を受けながらも、被災地と被災者のために寄付をしたいと考え、1つバーディーを獲るごとに500ドルを寄付する活動を開始したばかりだ。
被災した選手、被災したオーガスタ・ナショナルが、それでも被災地や被災者の役に立ちたいと申し出て、アクションを起こしている。
米ゴルフ界に見られる互助の精神は、とても勇敢で、そして温かい。