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またしてもR・マキロイ発言が注目、「PGAツアーとPIFの統合交渉は今年末までに決着!?」 #ゴルフ

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

なかなか進まず、膠着状態にあるPGAツアーとサウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」との統合交渉が「今年の末までには決着する!?」と、北アイルランドのローリー・マキロイが欧州メディアに語ったことが、米ゴルフ界でも大きく報じられている。

今週は欧州のDPワールドツアーのダンヒル・リンクス選手権がスコットランドで開催されている。同大会はプロアマ形式で、初日からの3日間はカーヌスティ、キングスバーンズ、セント・アンドリュースを日替わりで回った上で予選カットを行ない、最終日はセント・アンドリュースが決戦の舞台となる。

大会には、DPワールドツアーの選手に加え、PGAツアー選手も数名、出場しているが、ジョン・ラームやブルックス・ケプカをはじめとするリブゴルフ選手14名も参加しており、様々なツアーの選手が集結していることが注目されている。

だが、それ以上に注目を集めているのは、PGAツアーのジェイ・モナハン会長とPIFのヤセル・ルマイヤン会長、DPワールドツアーのガイ・キニング会長、それに大会の実質的運営者と言われている南アフリカ出身のビリオネア、ジョアン・ルーパート氏も出場していること。「ゴルフ談義」によって、統合交渉が進められるのではないかと見られている。

モナハン会長はPGAツアーのビリー・ホーシェルと、ルマイヤン会長はリブゴルフのディーン・バーメスターとペアを組むのだが、さらに注目すべきは、マキロイが父親ゲリーとペアを組んだ上で、初日はルーパート氏、2日目はモナハン会長、3日目はルマイヤン会長と同組で回る仕掛けになっている点だ。

もちろん、そんなペアリングは偶然の賜物ではない。マキロイは北アイルランドBBCの取材に応じ、「ジョアン・ルーパートは、ゴルフの世界を1つにするために力を注いでくれている。僕らは正しい方向に向かっている」と明かしたそうだ。この大会で大きな権限を持つルーパート氏の肝煎りで、PGAツアーとPIFの交渉の場と機会を意図して作り出しているということなのだろう。

マキロイは、さらにこう言っている。

「ゴルフは伝統的なスポーツだが、みんなが同じ方向を向くためには、ときとしてチェンジが求められる。今がそのときだ」

その「チェンジ」が起こるタイミングは、いつごろなのかと問われたマキロイは、こう答えた。

「今年の終わりまでに、そうなることを望んでいる。とても複雑な交渉だし、この規模の交渉には、お金も時間もかかる。今は10月になったばかり。あと3カ月で何かが決まると良いのだけど、、、」

結局、「今年の末までに決着」とは、現実的な見通しというより、マキロイの「希望論」にすぎない様子。マキロイといえば、つい先日は「PGAツアー選手の半数が、PIFとの交渉が成立しないことを望んでいる」と明かしたばかりで、そのあたりの感情論が交渉を複雑化させていることは想像に難くない。

だが、ゴルフファンやゴルフ関係者の多くは、そろそろ「すっきりさせてほしい」と願っているのではないだろうか。マキロイの希望論が現実になってくれることを、今は祈り、待つしかない。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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