苦手な長文読解も、スラッシュリーディングで、洋書もニュースもすらすら楽しく読める!
英語を長いあいだやってきて、こんなお悩みありませんか?
- 文法の知識はけっこうあるつもりだけど、いざ英語の長文となると意味がわからない。
- 文型もわかるし、知らない単語もないのに、何を言いたいのか意味がつかめない。
- 受験勉強でかなり多くの英単語を覚えたけど、洋書や英語のニュースが読めない。
- 早く読めないので、TOEICのリーディングはいつも時間切れ。
- 英検の長文のような、知らない分野の長文が苦手。
今回は、そんなお悩み解決の方法、スラッシュリーディングをご紹介します。
もくじ
こんな読み方していませんか?
・返り読みをしている
・文法にあてはめて理解している
・英文が読めない理由
・英語を読む目的とは?
・あたまごなしで理解する
・スラッシュリーディングのメリット
・練習問題1
・練習問題2
・まとめ
こんな読み方していませんか?
返り読みをしている
学校で習ったのは、うしろから訳していくやりかただったのではないでしょうか?
I went to the supermarket to buy some beer.
「わたしは、ビールを買いにスーパーへ行った」
うしろの、to buy some beer を先に訳してからwent to the supermarket を訳す。
いわゆる「返り読み」というヤツです。
これがまったくダメということではありません。
自然な日本語表現になっているので、日本人学習者には理解しやすいです。
翻訳はもちろんですが、洋書や新聞記事の内容をしっかり理解するには、自然な日本語に置き換えることが必要です。
文法にあてはめて理解している
5文型のうち、どれにあてはまるのかを考えてしまうことありませんか?
読んでいる文章が5文型のうちどれか?
「これは、4文型だからSVOO になって、5文型だとSVOC となるから、意味はえ~と」と
考える。
5文型という規則に置き換えて意味をとらえるという学習方法は、学生時代にさんざんやってきました。
詳しい内容は忘れたけど、5文型にあまりいい印象がないという方も多いのではないでしょうか?
英文が読めない理由
返り読みや、文法にあてはめて読むことのデメリットは何でしょうか?
はい!時間がかかりすぎるということ。
そして、原文本来の流れで理解しずらい。
英文を読むには、基本的な文法知識はとうぜん必要です。
ですが、つねに構文にあてはめて考えるという癖があると、文法的に解釈するというのが目的となってしまいます。
これですと、本来の「読む楽しみ」からずれてしまいます。
英語を読む目的とは?
英語を読む目的は何でしょうか?
洋書であれ、ニュースであれ、書かれている内容を理解することですよね?
ほしい情報を得る。
小説であれば、その世界に浸って楽しむ。
SNS上でのコメントを読んで、いろんな意見に触れたり。
Reading for pleasure と言われているように、楽しい!と感じられる読み方が
たいせつです。
では、どうやって英文を読んでいけばいいのでしょうか?
あたまごなしで理解する
英語を英語の発想の流れに沿って理解していくことが大事です。
英語は、大切なことが最初のほうに来ており、付属の内容は後半にもっていきます。
日本語とちょうど逆です。
I went to the supermarket to buy some beer.
この英語の順番どおりに理解していくのを、「あたまごなし」で理解していくと言います。
目に入った順番で意味を理解する方法です。
返り読みは一切しません。
目で英文を追っているときは、順番どおりに読んでいると思います。
可能な方は、ここで音読してみてください。
→ → → → → → → → →
I went to the supermarket to buy some beer.
いま、音読したとおりに意味を理解していくことが大事。
外国人の方が理解するのと同じように理解するだけです。
スラッシュリーディングのメリット
あたまごなしで英文を理解する必要性はわかったけど、どうやったらいいのか?
そこで使うのが、スラッシュリーディングです。
スラッシュというのは、斜め線のこと「/」です。
意味の塊のところに「/」を入れて読んでいきます。
あたまごなしで英文を理解するというのは、同時通訳を想像していただくとわかりやすいですね。
目に入った順に意味を理解できるので、返り読みによる時間のロスがありません。
英文を書いた人の発想の流れに触れられます。
練習問題1
では、ここで簡単な問題をやってみましょう。
つぎの英文をみて、意味の塊あるいは好きな箇所に「/」を入れてみてください。
I went to the supermarket to buy some beer.
to 不定詞の前でとか、前置詞の前でなど文法的なことは考えなくていいです。
ここが、意味のひとかたまりかなと思えば、その箇所でOKです。
例1.I /went to /the supermarket /to buy /some/ beer.
例2.I went to the supermarket /to buy some beer.
例3.I went to the supermarket to buy some beer. スラッシュなし!(慣れると可能)
例1の英文を使って説明します。
スラッシュを引いた箇所ごとの意味を考えます。
わたし/行った/スーパーへ/買いに/いくつかの/ビール
I /went to /the supermarket /to buy /some/ beer.
日本語としては不自然ですが、これだけでも意味はわかります。
簡単な例文ですが、スラッシュリーディングのやり方とはこんな感じです。
練習問題2
では、もう少し難しくて長い英文を使ってみましょう。
短い文だと見てすぐ意味がわかるけど、長文になるとお手上げという生徒さん少なくありません。
以下の英文をコピペしてメモに貼り付けたり、ノートに書きだして実際にスラッシュをいれてみてください。
Although, many educators are concerned that this instruction will dampen students' Japanese language skills, studies have shown that this typ of instruction actually enhances a leraner's native language skills. (by Daily Yomiuri)
では、かなり細かくスラッシュを入れてみます。
Although,/many educators are /concerned/ that/ this instruction /will/ dampen /students' /Japanese language skills, /studies/ have shown /that /this typ of instruction/ actually/ enhances /a leraner's /native language skills./
英文に慣れていない生徒さんですと、このくらいこまかな箇所にスラッシュを入れることもあります。
慣れると、スラッシュをいれなくともすんなり頭から意味がはいってくるようになります。
では、各単語の意味をのせてみます。
~だけれども/教育者の多くは/懸念している/(~を)/この指導方法/~だろう/弱める/生徒たちの
Although,/many educators are /concerned/ that/ this instruction /will/ dampen /students' /
日本語の言語スキル/研究/証明されている/(~を)/このような指導方法/実際には/強化する
Japanese language skills, /studies/ have shown /that /this typ of instruction/ actually/ enhances
学習者の/母語のスキル
/a leraner's /native language skills./
これをもう少しわかりやすい日本語にすると、以下のようになります。
Although,/many educators are /concerned/ that/ this instruction /will/ dampen /students' /Japanese language skills, /studies/ have shown /that /this typ of instruction/ actually/ enhances /a leraner's /native language skills./
教育者の多くは、この指導方法は生徒たちの日本語言語スキルを弱めることになるだろうと懸念しているが、研究で証明されているように、この指導方法によって実際には学習者の母語スキルを強化することになる。
日本語としてはまだ不自然ですが、意味は十分わかると思います。
まとめ
ふたつの練習問題をやってみていかがでしたか?
第一段階として、単語の意味は調べないといけませんが、あまり文法的なことを考えないで、まずは意味をのせていけばいいだけです。
その後、ご自分なりにわかりやすい日本語にして意味を確認します。
さらに深く理解するには、文法の側面からのアプローチが必要ですが、「長文が苦手」なので、なにか方法を知りたいという方にはとりくみやすいと思います。
スラッシュリーディングができれば、英語の流れに沿って英文が理解できます。
最初のうちは、スラッシュだらけになりますが、何度かやっているうちに英文を読むことに慣れてきます。
そのうち、スラッシュを入れなくても、すんなり意味がわかるようになります。
つまり、長文読解力がつくということです。
そうなると、洋書も英語のニュースも読めるので、受験はもちろん、英検やTOEIC,TOEFLなどの資格試験にも有効です。
あたまから理解できるということは、リスニングにも大いに関係があります。
リスニングこそ、聞こえたそばから理解していかなければいけませんので。
ということで、長文読解力をつけるためのスラッシュリーディングのご紹介でした。
お手持ちの洋書や、ウェブサイトで見た英語の記事、SNSのコメントなど、
「いまいち意味がわからない」という箇所があれば、スラッシュリーディングを試してみてください。