西山山麓の大原野南春日町エリアには、紅葉の名所として知られる大原野神社や正法寺、勝持寺などが隣接しています。紅葉シーズン間近の2023年11月11日に訪れました。

　吉高由里子さん主演で話題の2024年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公紫式部が藤原道長とともに中宮彰子行啓のお供をしたとされるのが大原野神社です。大原野神社は延暦3年（784年）、桓武帝の長岡京遷都の際、藤原氏の氏神である奈良春日大社の神々をこの地に最初に祀ったころより「京春日」といわれています。

　大原野神社の境内には、昔の農家のおばあちゃんたちが豊作を祝って近所に配ったと言われる「昔のままのよもぎ餅やだんご」を、煎茶や抹茶と一緒に食べることができる店が2軒あります。

　一の鳥居から少し奥の大原野神社入口駐車場前にある「草餅こばやし」では、店舗に隣接して竹林の前に６人掛けテーブルが２つあって、小塩山で家族やスタッフで手摘みしたよもぎと北海道産の上質の餡で作る「草餅」と餡が入っていない伸し餅「よもぎ餅」、「ぜんざい」を食べることができます。

　ドリンクは、よもぎ餅の風味を邪魔しないようにと甘酒やコーヒー、桜はなびら茶があります。「焼きよもぎ餅セット」を注文すると、串に3個刺された餅と塩漬けにした桜の花びらが浮かぶ「桜はなびら茶」が出てきました。焼きよもぎは、もちっとした歯ごたえの中から、よもぎの香りと旨味が口の中いっぱいに広がっていきます。桜の花びらが清涼感を醸し出すお茶が良く合いますね！

　「草餅」と「よもぎ餅」は洛西ニュータウンにある、洛西タカシマヤ（高島屋洛西店）でも日にち限定で購入可能です。但し、店舗の営業は春と秋の時期のみ営業となっています。

　春日神社の猿沢池を模したという鯉沢の池周辺など、紅葉は、まだほとんど色づいていない感じでした。その池の絶景を見ながら一服できるのが、境内で30年続く「春日乃茶屋」です。大原野産の自家製よもぎがたっぷり練りこまれ、昔近所で配られた麻の葉模様をつけた「よもぎ団子」の店です。

　こちらの「よもぎ団子」は、ほど良い加減のもちもち感の生地から、塩の効いたほんのり甘い小倉あんがあふれ出してくるほんとに懐かしい味です。店主は、「最近は親戚が寄るということも少なくなっている家庭が多いので、伝統の味を守り続けている」といいます。味も形も昔のまんまなんですよ！

　さあ、まもなく紅葉や柿紅葉、黄葉が始まります。ぜひまだまだ穴場の西山山麓へお越しください！

大原野神社（外部リンク）京都市西京区大原野南春日町1152　075-331-0014

春日乃茶屋（外部リンク）京都市西京区大原野南春日町1152 大原野神社境内　075-332-2281

草餅こばやし　京都市西京区大原野南春日町2246（大原野神社門前）