梅雨の晴れ間にストロベリームーン
梅雨入りラッシュの中、6月9日(金曜日)は、「ストロベリームーン」です。
6月の満月を指す「イチゴ月」。美味しそうで可愛らしい名前ですが、もともとネイティブアメリカンが使っていた月のニックネームで、6月はイチゴの収穫時期で、ちょうどその頃に満月が赤くなることから、ストロベリームーンと呼ばれるようになったそうです。欧米では、ローズムーン、ホットムーンとも言うそうです。
なぜ赤く見えるの?
ストロベリームーン、いつもよりやや赤みがかった満月になるのはなぜでしょうか?
それは、満月の高さに関係があります。北半球では、夏至の頃の6月の満月は、一年で最も低い高さにのぼります。満月の高さは太陽と逆の関係なので、夏至の頃の満月は低く、反対に冬至の頃の満月は高くのぼります。夕日が赤く見える理由と同じで、月も高さが低いほど、大気の影響を受けて赤っぽく見えるため、夏至の頃の6月の満月は、いつもより赤く染まって見えるわけです。
6月と12月の月の高さを比べてみると、東京の満月の高さは、6月は最も高くのぼっても地平線30度程度なのに対し、12月の満月は高さ80度近くで首が痛くなるくらい見上げないと見えません(下図参照)。
しかも、6月は梅雨真っ最中、湿度が高くなるので、光の散乱の影響で、いつもより赤みを帯びた月になるのです。
今年は見られる可能性高い!
今年もそうですが、過去10年のストロベリームーンの日は9割が梅雨入り後にあたり、去年は九州で記録的な大雨、一昨年は梅雨入り初日、2014年は東京で雹が降るなど、なかなか観測するのが難しいイチゴ月ですが、今年は梅雨の晴れ間にあたり、晴れる所が多くなりそうなんです。
ところで、梅雨入りしたとたん、もう梅雨の晴れ間??とツッコミを受けそうですが、実は、よくあること。梅雨の時期でも1週間に3日間位は晴れますが、特に、梅雨入り直後というのは、雨のもとになる水蒸気の運び屋ともいえるアジアモンスーンや太平洋高気圧の縁辺流がまだ勢いがないため、梅雨前線の活動自体が弱いことが多く、晴れ間が出やすいんです。
最後に、ストロベリームーンは、イチゴの様に赤い色ではありませんので、実際に見てがっかりしないようにしてくださいませ。実際の色は、やや赤みがかったオレンジ色というのが私個人の感想です。空気中の水蒸気の量にもよりますが、月の高さが低いほど、夕日と同じで赤っぽく見えるので、月が一番高くのぼる時間よりも、月が出て直ぐの方がより赤く見えます。ちなみに、6月9日の東京の月の出は午後6時31分、最も高くのぼる時間は午後11時45分。月が出たばかりの頃はまだ空が明るいので、午後8時頃から満月の瞬間の午後10時10分頃までに見るとより良いかもしれません。ちなみに、ストロベリームーンを見ると、信憑性の有無はわかりませんが、「幸せになる」「好きな人と結ばれる」なんて言い伝えがあるようです。
各地の6月9日の月の位置→http://eco.mtk.nao.ac.jp/cgi-bin/koyomi/skymap.cgi
参照:http://www.almanac.com/content/full-moon-names
参照:http://www.nao.ac.jp/faq/a0203.html
(修正:9日午前7時 予報を最新のものに差し替えました)