楽天・小郷裕哉と伊藤裕季也が野球教室を開催 野球の楽しさを再実感し来季の飛躍を誓う
12月16日、茨城県守谷市の常総運動公園野球場でプロ野球・東北楽天ゴールデンイーグルスの外野手・小郷裕哉と内野手・伊藤裕季也によるバッティング教室が行われた。
立正大の同期で2018年の明治神宮大会優勝メンバーでもある両選手は、2022年途中の伊藤のトレード加入により、再び同じユニフォームでプレーしている。
今回は、守谷市議会議員を務めている田中啓一氏が、仙台育英の有望左腕・仁田陽翔の来春入学に尽力するなど立正大のスカウトをしている縁もあり実現。同地での3日間の自主トレと一般社団法人守谷市スポーツ協会主催による同教室が実現した。
2027年から東京ヤクルトスワローズのファーム施設移転・開業が決まり野球熱の高まりを見せる守谷市を中心に小学6年生の男女41人が集まり、子供たちと両選手とも笑顔の絶えない時間となった。
今季、キャリアハイを大きく更新する120試合の出場で打率.262、10本塁打、49打点を挙げた小郷は「守谷市からプロ野球選手が誕生していないと聞いたので、1人でも多くの子供たちの可能性が広がるように」と指導。開会式から明るく挨拶し、積極的に声かけをして、子供たちからの質問にも「(デッドボールは痛いですか?)バリ痛いよ」「(苦手な投手と球種は?)モイネロのカーブ!」などと気さくに答えた。
教室終了後には「活発な小学生から僕らもパワーをもらいました」と笑顔を見せ、「東北だけでなく、今回訪れた茨城含め全国の様々な方に応援してもらえる選手になりたいですし、応援に恥じないように頑張りたいです」と誓った。また、来季に向けては「全試合に出て、(今年2打席足りなかった)規定打席に立つことが1番の目標です」と力強く語った。
エスコンフィールドHOKKAIDO第1号本塁打を放つなど伊藤もまた今季キャリアハイの87試合に出場。だが「今年の成績は最低ライン。満足できる数字では1つもありませんでしたし、何かが通用したとも考えていません」と、きっぱり。
「来年は今年の成績と比べられると思うので、どの数字も大幅に超えていきたいです」と意気込んだ。そのために今はフィジカル強化をメインに「思ったように動けて出力を出せる体づくりをしたいと取り組んでいます」と明かした。
そうした決意の中で、今回のイベントも大きな刺激となったようだ。
「プロの世界でやっていると、どうしても結果が欲しくなって苦しくなりがちなのですが、今日子供たちと触れ合って、あらためて野球を楽しむ大切さを学びました」
「子供たちは“どうやったら上手くなるんだろう”という向上心がすごく見えて、僕自身にとっても必要なことだと感じましたし、エネルギーをもらいました」
開会式やアップの際は笑顔で冗談を飛ばすなどしていたが、バッティング指導になると一転。真剣な表情と丁寧な言葉選びで助言する姿が目立った。
「僕が言っていることがすべてではないし正解というわけではない」と前置きしながらも「プロの世界でも、様々な方の意見や感覚がすごく貴重なものなのになっています。できる限りのことは伝えて、それが少しでもプラスになってくれれば嬉しいです」と殊勝に語った。
参加した野球少年・少女にとってはもちん、来季の飛躍を目指す2人にとっても、野球の楽しさや向上心の大切さをあらためて実感する貴重な時間となったようだ。