日経平均過去最高値突破記念、前回過去最高値を付けた1989年を振り返る
日経平均は22日に34年ぶりの過去最高値を更新した。それではその34年前がどのような時代であったのかを振り返ってみたい。
1989年12月29日に当時の史上最高となる38957円44銭をザラ場中(寄り付きと引けの間の取引時間中)に付け、この日の終値は38915円87銭となり、終値での最高値を付けた。
1986年頃から始まった地価や株価など資産価格の高騰はのちにバブルと呼ばれた。1985年のプラザ合意後の急激な円高に対処するための、度重なる利下げによる未曾有の金融緩和に加え、公共事業拡大による財政出動が要因となり、日本のバブルが発生したのである。
金融緩和や円売り介入などから資金は余剰となり、それは設備投資には向かわず、株や土地に向かい典型的な資産インフレを引き起こした。円高対策のための日銀の金融緩和により、バブルを加速させる結果となった。
1989年に入ると日銀は公定歩合を数度に渡り引き上げ、完全に金融引締策へと転向した。それにもかかわらず、バブルの勢いは年末まで続き、日経平均株価は、その年の大納会で過去最高値を付けたのである。
日銀は5月に当時の政策金利である公定歩合を0.75%引上げて3.25%とし、10月には0.5%引上げて3.75%に、12月には0.5%引上げ4.25%としたのである。
当時の日銀総裁は12月16日までが澄田智氏、12月17日からは平成の鬼平と呼ばれた三重野康氏が就任した。
1989年1月8日から年号が平成に変わった。
1989年といえば4月に消費税が初めて導入された年でもあった。
総理大臣は1989年6月3日までは竹下登氏、8月10日までは宇野宗佑氏、8月10日以降は海部俊樹氏。
1989年11月にはベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終結するなど世界史の大きな転換点となった年でもあった。