「ウーマン」村本だけじゃない!芸人への“ストーカー行為”
お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔に対し、仕事現場で待ち伏せするなどのストーカー行為を繰り返したとして、女子大生が逮捕されていたことが報じられたのは先月21日のことだった。
村本自身も、その後、MCを務めるラジオ番組「ウーマンラッシュアワー村本大輔のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)の中で「キツネのお面をかぶった女が、自宅前に立っていた」などと話していたように、実態は非常に深刻なものとなっていた。
しかし、実は、芸人にとって、こういった度を超えたファンの存在というのは、善し悪しはともかく、日常的にありふれた話ともなっている。
「全国的な売れっ子でなくても、出始めの若手でも、この手のエピソードは体験していると思います。歌手や俳優よりも身近に感じやすく、話しかけやすい。しかも、劇場出番など日々の動きが把握しやすい。そういったことも“過度に熱を帯びた”ファンを生み出す背景になっているのかもしれません」(関西を拠点に活動する放送作家)。
「また、目が張り付いてるで」
大阪時代から「千原兄弟」の千原ジュニアが足しげく通う居酒屋さんが大阪・ミナミにあるが、そこにジュニアが入店すると、毎回決まってホラー映画さながらの光景が起こっていた。その店の入口近くには小窓があるのだが、どこで察知するのか、ジュニアが店に入ると、そこに暗闇から店内を見つめる目が浮かび上がる。
当時、ジュニアのことを熱心に追いかけていた女性が店外から見つめているのだが、良いか悪いか、本人も居酒屋のマスターも「また、目が張り付いてるで」とこともなげに言うくらい、日常的な光景にもなっていた。
さらに、最近でも、先月結婚を発表したばかりの漫才コンビ「銀シャリ」の鰻(うなぎ)和弘がまさかの被害を受けていた。
結婚報道後、朝、投函物がないか自宅ポストに手を入れると、明らかな違和感が。あまりにも予想外の手触りに恐怖を覚えつつも、ポストの中を確認してみると、中にパックから出した状態のむき出しの納豆が放り込まれていたという。
2年半で3回引越ししていた
村本のストーカー逮捕報道が出たその日、大阪時代から村本と親しいスタッフと話をする機会があった。
当初は普段の“ゲスキャラ”イメージから、関係者の中ですら「ストーカーされていたの?それとも、していたの?(笑)」などと、どちらかというと軽いタッチで話題にのぼっていた部分もあったが、上京当初からの詳細を知る人物から話を聞けば聞くほど、その内容はショッキングなものだった。
「ある意味、濃い、熱狂的なファンが付くタイプの村本さんだけに、ストーカー的存在の女性は複数いたんです。中でも、とりわけ激しかったのが今回逮捕された女子大生。実は、村本さんは身の危険を感じて、2年半で3回引っ越ししてるんです。その費用は全部あわせて200万円以上にものぼっています。食事の際、常に後輩を何人か引き連れていたのも、さびしがり屋だからというのもありますが、本当の意味は“万が一”のことを考えてのことだったんです」(前出スタッフ)。
かつては、明石家さんまが「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系)の中で「さんちゃん、寒い…」と自宅玄関前で待ち構えるファンをモチーフにしたコントを見せてもいた。いつの時代も、ファンとのギリギリの攻防戦が繰り広げられていた証拠とも言える。
自らを傷つけかねない事態をも笑いに変える。もちろん、きれいごとだけで済まされる話ではないが、そこにこそ、芸人の生きざまと底力がとりわけ色濃く映し出されているようにも思う。