富士宮市中央町にある『珈琲館』。白とレンガの外観が街並みの中でひと際、目を引きます。

祖母がこの付近に住んでいたこともあり、幼いながらに憧れていた、どこかしら異国情緒のあるお店です。

以前は『壱番館』という名前で営業していた場所を、今の店主さんが引き継ぎ『珈琲館』になったそう。

ランタンのような照明が木製の入口からこっそり顔をのぞかせています。ドアを開けると、ふんわりと珈琲の良い香りが漂って来ます。

席に座ると静かにほのかにクラッシックが流れていて、耳を傾けると私の好きなパッフェルベルのカノンが聞こえテンションが上がりました。

何度か訪れている『珈琲館』ですが、友人から「珈琲館のチーズケーキを食べたことがないなんて損してる！」と言われ、今日はチーズケーキを目当てに訪れました。

春一番でしょうか？窓に当たる風が木枠の窓をカタカタと優しく叩きます。こんな事さえ愛おしく思えてしまうのは、『珈琲館』マジックなのかもしれません。

今回は手作りチーズケーキ＋アイスティのケーキセット（￥800）と食後にブレンド（￥400）を注文しました。

アイスティはレモンの香りがふんわりと漂って来てレモネードのような感覚ですが、苦みは一切なく、町散策していて乾いた喉を潤してくれました。

毎朝店主さんが焼いて持って来ると言うチーズケーキは、口に入れると濃厚でいて、噛まなくても舌でほどけるような柔らかさ。この味覚は感動もので、食べ終えてからもしばらく舌なめずりが止まらないおいしさでした。

知らないでいたら損していたと実感するくらいの、誰かに教えたくなるおいしさでした。

珈琲は注文してから挽いて淹れてくれます。丁寧に淹れた珈琲は酸味も苦みもありますが、全てが調和されていて飲みやすい味でした。

沢山のお客さんを向かい入れた珈琲館の軌跡を感じさせられるテーブルで、くつろぎながらおいしいものを口にする幸せ。

『珈琲館』で、ゆっくりとした時間を愉しみ、表へ出ると春風がふわっと私の髪を撫でて通り過ぎて行きました。