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【京都市】猛暑日でも2022年を上回る人出! 2023年祇園祭鉾町を歩く 山伏山 露天神山 菊水鉾 

HOTSUU地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 2023年の祇園祭は4年ぶりに神事などが完全復活しています。2023年は7月17日(祝)にはハイライトとなる山鉾巡行が行われました。前祭、後祭を合わせた人出は、コロナ禍前の2019年(計53万人)を上回った昨年の計80万人からさらに増えて、90万人とも100万人とも予想されています。

 前祭宵山で室町通り、新町通に集中する鉾町を歩いてみました。いくつかの山鉾を紹介します。まずは2023年前祭の巡行順を決める「くじ取り式」で1番を引いた山伏山。名の由来は山に飾る御神体(人形)が山伏の姿をしているのでこう呼ばれます。宵山には、聖護院から山伏が来て会所で祈祷を行いました。

 昔八坂の法観寺の五重塔が傾いたとき法力によって傾きを修正したという浄蔵貴所の大峯入りの姿をあらわしています。前懸は雲龍文様の刺繍、胴懸は花卉胡蝶文様の綴錦を用いています。平成11年に復元された見送は龍波濤文様の綴錦です。

 続いて菊水鉾。町内に古くからある井戸「菊水井」にちなんで名づけられた鉾。鉾頭には金色の菊の花の装飾、稚児人形は菊の露を飲んで不老長寿となったとされる「菊慈童」だそうです。

 元治元年(1864年)蛤御門(禁門)の変で焼失しましたが、昭和28年(1953年)に89年ぶりに地元の繊維業者松本元治氏の熱意が実り復興されました。昭和に再建された比較的新しい鉾のため、懸装品も皆川月華の唐獅子図・飛鶴図をはじめ近現代の著名な作家が手がけています。

 霰天神山(あられてんじんやま)は、 錦小路通室町西入にあるので「錦天神山」または「火除天神山」ともいわれます。戦国時代に京都で大火があったとき、時ならぬ霰が降り火は瞬く間に消えましたが、一寸二分(約3.6センチ)の天神像が降ってきたのでこれを祀ったとの伝承が残っています。欄縁にそって朱塗り極彩色の廻廊があって、真ん中に唐破風春日造の神殿を奉っています。

 前懸は中国刺繍の太湖岩鳳凰図や16世紀にベルギーで製作された「イーリアス」物語を描いた毛綴を用いています。左右の胴懸は上村松篁、上村淳之親子の原画花鳥綴織、後懸は「紅地雲龍宝尽図」です。山の縁起にちなみ宵山では「火防せ、雷除け」の御守が授与されました。

 7月24日の後祭では、橋弁慶山、南観音山、浄妙山、八幡山、鯉山、北観音山、黒主山、役行者山、鈴鹿山、鷹山、大船鉾の11基が巡行します。ぜひそちらにもお出かけください!

祇園祭山鉾連合会(外部リンク)京都市中京区山伏山町 554 

地域ニュースサイト号外NETライター(京都市)

 「YAHOO!ニュース ベストエキスパート2024 地域クリエーター部門 特別賞」を受賞 京都をこよなく愛する地域ニュースサイト号外NETの京都市担当タウンクライヤ―です。四国から大阪の元地方紙記者。観光ガイドをしながら京都時空観光案内2024(観光ガイドのための京都案内マニュアル)全19巻や「やさぐれ坊主京を創る 前田玄以の生涯」(京都文学賞一次審査通過)はじめ、京都を題材にした小説なども執筆しています。

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