日銀はブラックアウト前に、市場への正常化浸透に向けた最後のひと押しか
日銀は18~19日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するか議論すると14日の2時に日本経済新聞電子版が伝えた。
ちなみに日銀は、金融政策決定会合の2営業日前(会合が2営業日以上にわたる場合には会合開始日の2営業日前)から会合終了当日の総裁記者会見終了時刻までの期間は、国会において発言する場合等を除き、金融政策及び金融経済情勢に関し、外部に対して発言しないとする、いわゆるブラックアウト期間を設けている。
この記事は日銀がブラックアウト前に最後のひと押しを行ったようにも受け取れる。ただし、記事の内容そのものは目新しいものはない。
・連合が15日にまとめる春季労使交渉の集計結果を見極めて最終判断する
・マイナス金利政策の解除とあわせて長短金利操作の撤廃も検討
・金利の急騰を防ぐため、撤廃後も一定の国債の買い入れを続ける方針
・上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の買い入れも終える
・マイナス金利の解除に向けて政府内からも大きな異論は聞こえない
日銀内からは、3月会合では中小企業の賃上げまで見極められないとの慎重論も聞こえるようだが、すでに19日解除に向けて準備は整ったとみたほうが良いかと思う。
この記事には「事情に詳しい複数の関係者」といった人物は登場してこなかったため、日銀発かどうかはわからない。これまでの各社の報道なども受けて、総括した見方なのかもしれない。しかし、タイミングからみて、ブラックアウト前の最後のひと押しであった可能性は高そうである。
14日の22時に、こんどは時事通信が、日銀は14日、来週18、19両日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する方向で調整に入ったと伝えていた。これはいわゆる「念押し」といったところか。