メジャーリーガーに人気のあるグラブとバット。今年のオールスター・ゲームで最も多く使用されたメーカーは
今年のオールスター・ゲームでは、投手16人と野手36人の計52人が守備につき、野手のうち41人が打席に立った。
52人がはめていたグラブのメーカー別内訳は、下のグラフのとおり(キャッチャーミットとファーストミットを含む)。
29人のローリングス(Rawlings)が過半数を占め、10人のウィルソン(Wilson)が2番目に多かった。3位以降は、ナイキ(NIKE)が4人、ミズノ(MIZUNO)が3人、オールスター(All-Star)が2人と続き、他には、アディダス(Adidas)、ルイビル・スラッガー(Louisville Slugger)、スポルディング(Spalding)、マルッチ(Marucci)が1人ずついた。
スティーブン・ボート(オークランド・アスレティックス)ら2人が使用していたオールスターは、どちらもキャッチャーミットだ。このメーカーは他のポジション用のグラブも作っているものの、マスクやプロテクターなど捕手のギアに強い。また、デビッド・プライス(デトロイト・タイガース)が使っているルイビル・スラッガーは、メーカーではなくブランド。今年3月にヒラリック&ブラズビーからウィルソンに売却されたが、今回はウィルソンとは別々にカウントした。
一方、41人が打席で手にしていたバットのメーカー別内訳はこちら。
17.5人のマルッチが最も多く、8.5人のルイビル・スラッガー、6.5人のオールド・ヒッコリー(Old Hickory)を合わせた人数を凌ぐ。4位以降は、トゥーチ・ランバー(Tucci Lumber)とSam(サム)が各2人、ミズノ、マックスバット(MaxBat)、トリニティ(Trinity)、チャンドラー(Chandler)が各1人、ジンガー(Zinger)が0.5人だった。
端数が出ているのは、打席によって異なるメーカーのバットを持っていた選手がいたためだ。ブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)はマルッチとオールド・ヒッコリー、サルバドール・ぺレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)はルイビル・スラッガーとジンガーを使用。それぞれのバットを使った打席数にかかわらず、彼らは1人分を半分に分けて0.5人ずつと数えた。
今シーズンはローガン・モリソン(シアトル・マリナーズ)がネルソン・クルーズ(マリナーズ)のバットを使ったように、チームメイトのバットを借用する例はたまに見かける。ただ、ハーパーはその枠を超えて、他のチームの選手のバットを使用している。昨シーズンは、ヤシエル・プイーグ(ロサンゼルス・ドジャース)のバットで打っていたこともあった(モリソンとプイーグは、今年のオールスター・ゲームには選ばれていない)。
グラブとバットの組み合わせトップ5は、ローリングス&マルッチ(8.5人)、ローリングス&ルイビル・スラッガー(5.5人)、ローリングス&オールド・ヒッコリー(4人)、ウィルソン&マルッチ(3人)、オールスター&ルイビル・スラッガー(2人)だった。グラブもバットも同じメーカーという選手も2人いて、アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)はマルッチ、ブレット・ガードナーはミズノで揃えていた。ブランドは別ながら、ウィルソンのグラブ&ルイビル・スラッガーのバットという組み合わせのブライアン・ドージャー(ミネソタ・ツインズ)もいる。
今年のオールスター・ゲームには登場しなかったものの、他にもメジャーリーガーが使用するグラブやバットを作っているメーカーはいくつかある。例えば、ベイデン・スポーツ(Baden Sports)のアックス・バット(Axe Bat)は、数年前にジミー・ロリンズ(現ロサンゼルス・ドジャース)が使っていて、今シーズンはダスティン・ペドロイア(ボストン・レッドソックス)が手にしている。このバットは従来のものと異なり、グリップエンドが斜めになっている。
ローリングスは19世紀からある老舗だが、マルッチは2002年に創業された。今後、アックス・バットを使うメジャーリーガーが増えてくるかどうかはわからないが、マルッチのように台頭してくるメーカーが、他にあって不思議はない。