ソーシャルメディアは携帯とパソコン、どちらで多く使われているのか
大体携帯メインなソーシャルメディア
ソーシャルメディアが普及した背景には、スマートフォンをはじめとした携帯電話の急速な浸透が大きな要素との指摘がある。他方、画面が広いパソコンの方が使いやすいとの意見も多い。そこで利用の現状を総務省の情報通信政策研究所が2015年5月に発表した「平成26年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の公開値をもとに確認していく。
次に示すのはそれぞれのソーシャルメディア(LINEは厳密にはソーシャルメディアではないが、今件では同一視する)を利用しているか、している場合はパソコン(PC)と携帯電話(スマートフォン、従来型携帯電話の双方)それぞれを用いているか否かを尋ねたもの。複数回答形式のため、パソコンと携帯電話双方で使っている場合、両方に答えている。なお「利用」とは書込みや投稿に限らず、読む・観るだけでも該当する。
LINEはパソコン経由の利用者率が5.7%、5割以上が携帯電話から利用している。Facebookはパソコンが多く1割を超えているが、その倍以上の23.1%が携帯経由。ツイッター(Twitter)はパソコン経由が1割にも満たず、携帯経由が18.3%にも達している。MobageやGREEなどのように元々携帯電話向けゲームやコミュニティがベースとなったサービスは無論だが、その他のソーシャルメディアも皆、携帯経由の利用者がパソコン経由よりはるかに多く、携帯がソーシャルメディアの利用を促進させていることが改めて確認できる。
動画共有サービスでも状況はさほど変わらず、携帯電話経由の利用者の方が多い。唯一ニコニコ動画はわずかではあるが、パソコン経由の利用者の方が多くなっている。これは携帯電話向けのアプリケーションの品質に問題があるとの指摘もされている。
1年間の動きを見ていくと
続いて前年からの変化を算出したのが次のグラフ。動画共有系は前年2013年分では調査対象として取り上げられていなかったため、今グラフでは省略されている。
LINEは元々利用率が高いサービスだが、それでもなお1年間の伸びが著しい。特に携帯電話による利用者が10%ポイント近くと断トツの伸び率を示している。パソコン経由でも2.7%。同サービスの急速な浸透ぶりが見える。
伸び率ではLINEにかなわないが、健闘しているのがツイッターとFacebook。特にツイッターはパソコンで2.7%ポイント、携帯電話で3.2%ポイントと、大本の利用率の低さを考慮すれば大きな成長。また両サービスともLINEとは異なり、パソコン・携帯電話利用者双方の伸び方にさほど違いが無いのも特徴的。
他方、mixi、Mobage、GREE、Google+はほぼ減退。特に携帯電話経由の利用者の減りぶりが著しい。ぱっと見で今グラフを眺めると、mixi、Mobage、GREE、Google+からLINEとFacebookとツイッターにシフトしたようにも見える。もっともGoogle+は前年調査分において、調査用紙に一部問題があり、回答値が高めに出た可能性が否定できず、必ずしもこの下げ方が正しいとは限らない。あくまでも参考値程度と見るべき。
主要ソーシャルメディアではいずれもパソコン経由では無く携帯電話経由がメインで使われ、新興勢力のLINEとFacebook、ツイッターに利用がシフトしている。これらは他の調査でも逐次指摘されている状況ではあるが、それが改めて裏付けられた形といえよう。
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