【泉佐野市】「毎日通いたい…」と“カレー通”が太鼓判をおす実力店が駅チカにオープン 肴&夜営業も〇
「カレーの街、泉佐野へようこそ!」そんな気持ちで向かったお店は、4月11日に我孫子から移転オープンしたばかりの「スパイスカレーフラミンゴ」。
南海 泉佐野駅 から徒歩6分。ぽわんと光るネオンと真っ赤なテントが目印のお店です。
「スパイスカレーフラミンゴ」
南海 泉佐野駅西口を出て、駅前通りを2、3分歩き、りそな銀行を左へ。
3分ほど歩いた左手にお店があります。
カウンター7席のみのこぢんまりとした店内は、目が覚めるようなブルーの壁紙が印象的。
「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれたのは、店主の今瀧 恵理(いまたき えり)さん。カレーが好き、「銀河鉄道999」のメーテルが好き、フラミンゴが好き、お酒が好き、好きなものはず~っと変わらない! とお会いして早々茶目っ気たっぷり。
「我孫子店は、間借り営業でした。実家のあるここ泉佐野市で心機一転がんばることを決意しました」。
我孫子の店は、“カレー好き”が集う楽しいお店だった、と当時を懐かしむように話す恵理さん。まだ、お会いして10分ほどだけど、つかず離れず寄り添ってくれる空気感がとても心地よく、すっかり分かり合えるムードに。
そんな恵理さんが作るカレーは「魚介系和だしスパイスカレー」。
自分のカラダを内から整えたいと思っていた時期に とあるお店で食べた“スリランカカレー”に衝撃を受け、それ以来 方々食べ歩き、独学で研究を重ねてきたといいます。
「食べてはメモをとり、家で作る…を繰り返していました。お店巡りは今も続けています」。
定番カレーや日替わりカレーなど。名も知らぬ副菜も?
「本日のカレー」と書かれたメニューには、名も知らぬ副菜もあり、一体どんな料理なのか興味津々です。
おススメは、定番の「フラミンゴチキンカレー」と「牛スジランカカレー」「たこ・イカ・ホタテの梅香るカレー」の2種あいがけ。
副菜の“アチャール”は、インドの漬物で、“クスンブリ”はきゅうり、玉ねぎ、ココナッツをあえた南インドのサラダ。そして“モジュ”とは、スリランカの炒め煮のことだそう。
わたしは常々、カレー屋さんの「あいがけ」に魅力を感じていて、これを選ばない人なんているのかなぁと疑問に思うほど。いろんな味を少しずつ食べられる幸せは、コンプリート欲も満たせて一石二鳥。
今回は、「牛スジランカカレー」と「たこ・イカ・ホタテの梅香るカレー」の2種あいがけをオーダーします。
豊富な“肴メニュー”に驚く
「スパイスカレーフラミンゴ」は最近では珍しい“夜も営業している”カレー屋さん。
カウンターには、ズラリとお酒も並んでいて、カレーをあてにお酒も楽しめちゃうんです。そのため“肴メニュー”も豊富。
こちらも一体どこの国の料理なの? と思うほど、家庭ではお目にかかれない一品ばかり。
恵理さん曰はく、料理は日本をはじめ、中国、スリランカ、インド、タイなどにインスパイアされた「創作料理」が中心で、“肴メニュー”は週替わりとなるそう。
おススメの「ハチノスラッサム風」と「牛すじ塩煮込み」をオーダーすることに。ちなみに「ハチノス」とは、牛の第2胃袋にあるホルモンで、見た目が蜂の巣のように見える希少部位。
実食
「ハチノスラッサム風」
見た目の鮮やかさと、すっぱ辛い香りが食欲をそそります。
塩味と酸味のバランスが絶妙で美味しい。スパイスも効いていてハッと目覚めさせてくれるような一杯です。聞くところによると、南インドで食べられているミールス(菜食料理を中心とした定食)に「ラッサム」がついてくるのだとか。内臓の働きを良くしてくれるスープとして親しまれていて、「食前酒のようなもの」と恵理さんは微笑みます。
「ハチノス」ってゴムのような食感のイメージでしたが、とろけるような柔らかさにびっくり。下茹でをしっかりして臭みを抜くことで、ここまで柔らかく、美味しくなるのだそう。一般的な「ラッサム」は、豆と野菜を煮込んだ料理ですが、そこへ「ハチノス」を加えたのは恵理さんのアイデア。お見事。美味しい。
あー、お酒が飲みたい。
「牛すじ塩煮込み」
あー、これ絶対美味しいやつ。わたしだって“料理歴”は長いのだからわかってしまう。
レモングラス、バイマックル、カルダモンなどのハーブやスパイスをベースにお出汁と塩でシンプルに煮込んだ牛すじがとても美味しくて、これまたとろけるように柔らかい。なんだ? この発想は。どうしたら思いつく? と頭がごちゃごちゃに。
添えられたレモン、パクチー、柚子胡椒の意外な組み合わせが、この想いを加速させます。作ってみたい、でも作れない。やっぱり恵理さんってスゴイ。
「牛スジランカカレー」と「たこ・イカ・ホタテの梅香るカレー」の2種あいがけ
もうこの時点で恵理さんに勝手に信頼を寄せているから「ほらね?」という言葉しか出てこない。
鰹と昆布でとった和風だしをベースに複雑なスパイスが絡み合う「牛スジランカカレー」(右)。和風だしのカレーは薄味のものが多い印象ですが、お酒にも合うようにしっかり濃い目の味付けとなっています。
伴走してくれるお米は、日本米とバスマティ(インド)の混合米。
ほろほろと崩れるターメリックライスが食べやすく、どんどん食べ進めてしまう。
夢中に食べていたからか、気がついた時にはこの状態でした。
泉州のたこさん、こんにちは。
そう、野菜や魚介類は地元のものを使用しています。
魚介類は地元の漁師さんから、野菜はお客さんから差し入れも。
もちろん、「たこ・イカ・ホタテの梅香るカレー」も魚介の旨味たっぷりで美味。
ごちそうさまでした!
“塩”にもこだわりがあり、「チキン」には海塩、「ポーク」には梅塩、「牛スジ」には岩塩を使用。南インド直輸入のオーガニックスパイスやハーブ(コリアンダー、ターメリック、マスタードシード、カルダモン、バイマックル、レモングラスなど)を惜しみなく使い、恵理さんの頭の中にあるイメージを “料理” にしています。
そんな恵理さんはファンも多く、その吸引パワーからか 取材中も初めての方、我孫子店の頃からの常連さんの姿もちらほら。
お客さんがみんないい人
週3回以上スパイスカレーを食べている“カレー通”の男性
いきなりの撮影に快く笑顔を向けてくれたこちらの男性、なんと週3回以上スパイスカレーを食べている“カレー通”。
恵理さんのカレーの印象を尋ねると「和風テイストで優しい味。毎日食べても飽きない。近くにあったら毎日通いたい」というお言葉をいただきました。
実はこの方、お住まいは大阪市内でご実家が泉佐野。
コロナ後は、カレーの激戦区であっても夜営業しているお店は少なく、「こんな店あまりない」といいます。どうやらカレーは店によって味が全然違うため、飽きないらしい。
今日はバイクで一時間かけて来てくれました。次は、夜 お酒が飲みたいなぁとも。
入れ替わり立ち替わりお店に来るお客さんが、なぜか明るくてみんないい人。
以前、お仕事でご一緒させていただいた「一般社団法人 バリュー・リノベーションズ・さの」の石井さんは、今日はプライベートでのご来店。
泉佐野駅から徒歩2分のところにある「BAR フジ」のマスターは我孫子店の頃からのお客さん。
我孫子店の常連さんで、引っ越しを機にお別れ…と思いきや、引っ越し先がなんと“泉佐野”だったという ゆきさんは、恵理さんと奇跡の再会。
なんだろう、この店めちゃくちゃあったかい。
ひとり旅が好き。人生いろいろ
ひとり旅が好きだという恵理さん。タイ、ベトナム、カンボジア、イギリスを旅した経験も。すべての人を包み込んでくれそうな温かなお人柄は、きっとそんな豊かな経験から。
ある時期から沖縄にハマり、器の魅力にも気づいた、とお皿を見せてくれました。お客さんの雰囲気にあわせてお皿を選ぶのが楽しい、と。
順風満帆そうに見える恵理さんですが、人に騙された経験もあるそうです。
別の土地で、オープン直前まで準備していたお店の契約金を騙し取られたのだとか。
そんな辛い経験が、人としての深みを出しているのかなぁ。
さいごに
「スパイスカレーフラミンゴ」のカレーは、程よい辛さで誰にでも親しまれる味です。
落ち着いたら土日だけ「お子様カレー」をはじめようかなぁ、と恵理さん。
テイクアウトもできるので、忙しい人も一度お店をのぞいてみてほしい。
その味や恵理さんの魅力を知ると、きっと何度も足を運びたくなりますよ。