【ワインの歴史】ファラオも飲んでいた!古代エジプトの人々はどのようなワインを飲んでいたの?
ナイルの流れに乗って古代エジプトを訪れると、紀元前1500年、そこにはブドウとワインの魔法が広がっていました。
ワイン造りは、遠きレバントの地から伝わり、ナイルデルタの豊かな土地で繁栄したのです。
王宮の壁画には、ブドウ畑と醸造の情景が鮮やかに描かれ、供物としてのワインが亡き人々の来世を彩りました。
赤ワインは特に神秘的で、血の色に似ていることから、古代エジプト人はそれを神々と戦った者たちの血の化身と信じたのです。
酔えば体が祖先の血に満たされ、正気を失う…何とも背筋が寒くなるような迷信ではありませんか。
やがて、ツタンカーメン王の墓からは白ワインの痕跡も見つかり、エジプトのワイン文化は交易の広がりをも示しています。
一方、地中海を挟んだフェニキアでは、ワイン造りの技術が風とともに運ばれ、ギリシャやローマの産業をも育みました。
彼らが商ったブドウ品種は文明の味覚を豊かにし、さらにはカルタゴの地で生まれたストローワインのレシピがローマの宴を甘美に染めたのです。
こうして、古代エジプトとフェニキアの物語はワインの香りとともに、今も私たちを魅了し続けています。