よく考えてみると、iCloudの有料プランの価格って…
iCloudにはこれまで、無料プランと有料プランがありました。しばらくは、年間4000円ほどかかる有料プラン(20GB)を使ってきましたが、ここ数年、私は無料(5GB)で済ませていました。iPhoneのバックアップくらいにしか使わなかったので。
このiCloudに、iOS 8のリリースに合わせて、クラウドストレージのiCloud Driveが追加され、アプリだけでなくMacやPCからファイル保存などの活用が可能になりました。が、こちらも新機能ですが、iCloud Photo Libraryが、大きくストレージを占めることになるでしょう。
有料プランは値下げされ、そこから先は20GBで月額100円、200GBで月額400円、500GBで月額1200円、1TBで月額2400円という価格設定になりました。以前は20GBで年間4000円だったので、一挙に7割引です。単価を計算してみると、20GB月額100円では1GBあたり5円。以前のプランでは16.5円だたので、1/3以下の価格になりました。
200GB月額400円では1GBあたり2円と、半分以下にグッと下がります。容量が増えればもっと単価が安くなると思いきや、その上の500GB1200円・1TB2400円では2.4円で、逆に単価が上がっています。
iCloudの追加ストレージの価格は、200GBのプランがもっともお得ということになり、このプランに誘導しているような印象を受けます。
そもそも、iPhoneとiPadをICloudでバックアップすると、だいたい5GBは使い切るような感覚。ここからiCloudの新しい機能を使おうとすると、有料プランが必須になり、もしiPhoneを数年続けて使っているなら、主に写真の容量の問題で、20GBというサイズも心許ない、けれども単価が大幅に安い200GBのプランにしておこう、というところでしょうか。
iCloud Photo Libraryはまだベータ版であるため、その使い勝手などを確かめるべく、取りあえず私は20GB月額100円のプランを使い始めました。10月からの2ヶ月間で、写真・ビデオだけで10GB。おそらく年明け、1月末には、200GBにアップグレードすることになるはずです。
■ 価格と位置づけを比べる
「大幅値下げ」というキーワードは確かにその通りなのですが、他のサービスと比較すると、例えばDropboxは1ドル118円計算で、1TBのプランは約1.18円。iCloudよりもさらに安い設定です。容量を増やしていくと、1TBのプランでiCloudは倍以上の金額になります。
Evernoteの場合は、送料ではなく毎月の4GBまでのファイルを保存できて月額5ドル(およそ590円)なので、長期にわたって使う場合はありがたい設定です。またFlickrは、無料アカウントに1TBの写真専用領域を提供しているため、写真だけにこだわるのであれば、Flickrはよいチョイスと言えます。
iCloudは、どちらかといえば、Dropboxのようなシンプルなストレージというより、機能性のストレージという位置づけ。もちろん、メモ専門のEvernoteや、写真専門のFlickrの方がよくできているのですが、システム統合と、アプリなどを意識しないわかりやすさが、iCloudのウリ、ということでしょう。
ただし、フォトライブラリにしてもドライブにしても、新しいサービスなので、当面様子見が必要です。Appleはいままでもクラウドサービスがそこまで上手くなく、ちゃんと動くかどうかまだ分からないところがあるので。