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LINE利用率92.5%…主要ソーシャルメディアなどの利用状況

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
いつでもどこでもスマートフォンでソーシャルメディア。利用実情は(写真:アフロ)

ウェブサービスの中では今一番利用され注目を集めているのがソーシャルメディア。その利用実情を、総務省が2022年8月に情報通信政策研究所の調査結果として公式サイトで発表した「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)から確認する。

今回利用実情の目安として利用率を確認するのは主要ソーシャルメディア、具体的にはLINE、Twitter、Facebook、mixi、Mobage、GREEの計6サービス。加えて動画・写真系のソーシャルメディアであるYouTube、Instagram、ニコニコ動画、TikTok、Snapchat。LINEは厳密にはソーシャルメディアではなくコミュニケーションサービスだが、今件ではソーシャルメディアとして取り扱われている。

具体的サービス毎の利用状況は次の通り。LINEは若年層の利用率が圧倒的に高く、これが後押しする形で一般的な(コミュニケーション系)ソーシャルメディアでは最上位につくこととなった。

↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2021年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(全体比)(2021年)

LINEに次いで多いのはTwitter、そしてFacebookと海外発のソーシャルメディアが続く。かつて日本で一世を風靡したmixiだが、今調査の限りでは2.1%のみの利用率に収まっている。LINEは厳密にはソーシャルメディアと似て非なるものなので、実質的には「国内利用率ナンバーワンのコミュニケーション系ソーシャルメディアはTwitter」となる。

他方、動画系のソーシャルメディアまで精査に含めれば、LINEと肩を並べているのがYouTube。全体の8割台が利用している。2018年から調査対象に加わったTikTokは25.1%。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。各層間の特性が表れており、興味深い結果が出ている。

↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2021年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(コミュニケーション系、全体比、年齢階層別)(2021年)

↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2021年)
↑ ソーシャルメディアの利用率(動画・写真系、全体比、年齢階層別)(2021年)

まずはコミュニケーション系。LINEが全年齢階層で8割超え、特に10~50代では9割超えの値を示し、圧倒的な普及の実情が確認できる。60代ですら8割強がLINEを利用中。これらの値はインターネット利用者、携帯電話利用者限定ではなく、該当する属性全体比であることに注意が必要である。60代の人10人を集めれば、そのうち8人強はLINEを利用している計算となる。

10~50代ではTwitterがLINEに続き、60代ではFacebookが続いている。かつて実名・実肖像主義のFacebookは日本では浸透しないのではないかとの話もあったが、この値を見る限りそれは単なる杞憂だったようだ。30代では半数近くの人がFacebookを利用していると答えている。Twitterは20代で8割近くが利用。

LINEとTwitterはいずれも20代が利用のピークで、それ以降年齢とともに利用率はおおよそ減少していく。Facebookが30代をピークとしているのは、仕事で使う人が多いからだろうか。60代ではLINEが8割強を示しているものの、それ以外ではFacebookが2割近く、Twitterは1割強。利用端末そのものの普及率の低さも一因だが、今調査の別項目結果の限りでは(グラフなど略)高齢層ではデジタルにおけるコミュニケーションは電子メールが主流で、ソーシャルメディアにはまだ手がおよばない。あるいは必要性を感じないのかもしれない。何しろコミュニケーションメディアは、自分だけでなく意思疎通をしたい相手も登録していないと、利用ができないのだから。それゆえにLINEの高い値は特異的。利用ハードルの低さが利用率の底上げに貢献しているのだろう。

動画・写真系ソーシャルメディアになると、YouTubeでのLINEのような幅広い年齢階層における利用状況が見て取れる。50代までは8割超、60代でも2/3強が利用している。豊富なコンテンツの実装に加え利用ハードルが低く、ブロードバンドでインターネットにアクセス可能な環境であれば、会員登録の必要すらなくほぼ利用できるのが強みではある。

ニコニコ動画は20代の利用が多いが、30代でも19.0%、60代でも7.6%の利用状況が確認できる。オシャレ感の強い画像共有サービスInstagramは20代が利用のピークで8割近く、30代では5割台後半、40代でも過半数の利用率を示し、若年層に強いサービスの実情が把握できる。モバイル向けの短い動画共有サービスTikTokは10代の利用が圧倒的に多く6割強、20代が4割台後半だが、40代以降は2割に届かない。写真や動画などを個人やグループに送れる、そして送った相手が閲覧した後は再閲覧ができなくなる特殊な性質のサービスSnapchatは20代がピークの5.1%だが、50代以降は1%にも満たない。

今件調査結果からはLINEのさらなる浸透やYouTubeの圧倒感、TikTokの急成長ぶりなど、興味深い動きを多々見受けることができるが、これらの動きはここ数年のものであり、単年のイレギュラー的なものではない。来年はさらにこれらの動きが進み、日本国内におけるソーシャルメディアの勢力図も随分と変化した状況となるだろう。

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※令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2021年11月30日から12月6日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13歳~69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「経年での利用時間などの変化については、調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きを入れている。さらに2020年分の調査については「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」との補足があった。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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