全米オープン2日目、32位タイへ後退したタイガー・ウッズが「まだチャンスはある」と言い切る根拠とは?
全米オープン初日に28位タイとやや出遅れたものの、2日目の巻き返しが期待されていたタイガー・ウッズ。
しかし、前日より格段にグリーンが固くなり、多くの選手が苦戦を強いられたこの日、ウッズは1オーバー、72とスコアを落とし、通算イーブンパーで32位タイへ後退。通算9アンダーで単独首位に浮上したゲーリー・ウッドランドとは9打差で決勝2日間に臨むことになった。
【熱くなっている】
「今はまだ、ちょっと熱くなっている。クールダウンする時間が必要だ」
プレー直後のウッズは、この日の自身のゴルフに腹を立てていた。10番からスタートしたウッズは11番で早々にバーディーを奪ったが、期せずしてそれは、この日のウッズの唯一のバーディーになり、上がり2ホールは連続ボギーという悔しい締め括りになった。
バーディーチャンスに付けられなかったわけではない。フェアウエイキープは初日の10回から2日目は11回へ増え、パーオンも9回から13回へ増えた。データが示すウッズのショットは、むしろ初日よりわずかに向上していたが、逆にパット数は25パットから32パットへと悪化。この数字が彼のスコアと順位を悪化させた。
読みやストロークの問題ではないとウッズは感じている様子だ。
「いい終わり方ではなかった。チャンスはいくつかあったし、ミスも数回あった。カップの上にばかり付けてしまい、難しいラインを残してしまった」
バーディーチャンスを逃し続けた最大の原因は、乗せた場所、付けた位置が悪かったこと。つまりはウエッジショットが狙い通りに打てていなかったこと。いい位置に付け、上りのラインをきっちり沈めることができたのは11番のみだとウッズは振り返った。
最終ホールの9番は、せっかく寄せワンのチャンスまで持っていきながら2メートル半のパーパットを外した残念なフィニッシュになり、「熱くなっている」と自身に腹を立てていた。
【まだ戦える位置】
ペブルビーチで開催された2000年の全米オープンを2位に15打差で圧勝したウッズ、今年のマスターズを見事に制したウッズには、今週、メジャー16勝目が期待されているが、首位と9打差で迎える決勝2日間に、果たしてその可能性はあるのか、ないのか。
「まだ戦える位置にいる」
そう即答したウッズが「勝負はこれから」と考える根拠は、もちろんある。初日と2日目でグリーンの状態が変わったように、ペブルビーチのグリーンは刻々と変化していく。32位タイから挑む3日目、ウッズは早めのスタートになる。一方、スタート時間が遅い上位選手たちは、すっかり変化したグリーン上での戦いを強いられる。
「午前から午後にかけて、どのぐらいグリーンがドライになるかがカギだ」
開幕前からペブルビーチは「出だしの7ホールがチャンスだ」と考えているウッズは、早い時間にティオフし、フロント9でスコアを伸ばすつもりでいる。
決勝2日間、グリーン上の「いい位置。正しい位置」、つまりはカップ下方に付けることができれば、開幕前からパット専門コーチのマット・キーレンと積んだ特訓の成果の見せ所になる。
「まだ先は長い」
「まだ戦える位置にいる」
ネバーギブアップのウッズの大挽回をウィークエンドに是非とも見たい。