日銀保有の国債は52%と過去最高を記録。昨年12月末時点の日本国債の保有者
日銀は3月17日に2022年第4四半期の資金循環統計(速報)を発表した。
資金循環統計(速報)(2022年第4四半期) https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sj.htm/
12月末の個人の金融資産額は2022兆8206億円となり、2000兆円台は維持するなど高い水準を維持した。個人の金融資産の内訳は、現金・預金が前年比で2.1%増の約1166兆円。株式等は同5.1%減の約199兆円、投資信託は同5.6%減の約86兆円となっていた。
これを基にして国債(短期を除く)の保有者別の内訳を算出してみた。2022年12月末時点の国債残高は1051兆3998億円となっていた(この統計では時価総額となっている)。保有者別の内訳は下記の通りとなる。
中央銀行(日銀)、546兆9301億円、52.0%
保険・年金基金、230兆8869億円、22.0%
預金取扱機関(銀行)、110兆9053億円、10.5%
海外、68兆1837億円、6.5%
公的年金、44兆5501億円、4.2%
家計、12兆6706億円、1.2%
その他、37兆2731億円、3.5%
日銀保有の国債は52%と過去最高を記録。日銀は指値オペなどで10年債主体に積極的に国債を購入した結果、前期比で約11兆円増となっていた。日銀以外は総じて保有額を減少させており、日銀に吸い上げられた格好となった。
これは日本の債券市場の流動性を奪っているだけでなく、10年新発債をすべて買いあげるなど財政ファイナンスを行っているかにみえるとともに、日銀の財務体質が物価上昇に応じた利上げに耐えられなくなる懸念をも強めることとなる。
短期債を含めた国債全体の数字でみると12月末の残高は約1198兆円。このうち日銀が約555兆円で46.3%のシェアに。海外勢の残高は約166兆円と短期債を含めると国債全体の13.8%のシェアとなっていた。