北朝鮮ロケット発射失敗、日本側観測と食い違う説明
8月24日午前3時21分ごろ、北朝鮮は西部の東倉里の西海衛星発射センターから衛星打ち上げロケット「千里馬-1型」を南に向けて発射して軍事偵察衛星「万里鏡-1号」を衛星軌道に投入しようと試みましたが、「第1段と第2段は成功したが第3段で非常爆破装置が誤作動した」と説明、失敗しました。千里馬-1型ロケットは2回目の発射失敗であり、1回目の3ヵ月前の発射失敗では第2段に不具合が生じています。北朝鮮は問題点を改善して10月までに3回目の発射試験を行うと宣言しました。
ところが日本防衛省の観測では、今回の千里馬-1型ロケットの落下物が全て予告落下区域から外れていたと推定されています。つまり、北朝鮮の言う第1段と第2段は成功し第3段で問題が生じたという説明と食い違いがあります。落下物が全て予告落下区域から外れていたとなると、全段に何らかの問題が発生していたのかもしれません。
北朝鮮のミサイル等関連情報|お知らせ(続報)|令和5年8月24日|日本防衛省
ロケット部品の予告落下区域は3カ所。落下物は第1段ロケット、フェアリング(衛星搭載部分のカバー)、第2段ロケット。第3段ロケットおよび衛星は軌道上に乗る予定だった。第1段ロケットおよびフェアリングの予告落下区域に対して第2段ロケットの予告落下区域が一直線上ではないのは、ドッグレッグターンと呼ばれる針路の変更を行い、落下物を有人の島から遠ざける配慮。