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冬の風物詩を作るのはドイツのお菓子屋さん?シュトラウス金進堂さん「ショコラ水羊かん」で繋ぐ食文化

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

ありがたいことに、おすすめの和菓子はありますか?という質問を公私ともに頂戴することが多々あるのですが、おすすめと申しましてももうあれこれありすぎて、どこからお伝えしようかと思うほど。

その中でまれに遭遇するのが、「あんこが嫌いなのだけど…」「こし餡は平気だけど、粒餡の豆っぽさが苦手で…」というリクエスト。あんこが好き!という方は粒餡好きな方が多くいらっしゃるかと思いますが、小豆の粒立ちを認識するとどうにも苦手という方も意外と多いのです。

ショコラ水羊かん
ショコラ水羊かん

そしてまさに今!福井県では冬の風物詩ともいえる水ようかん作りが最盛期を迎えているといっても過言ではありません。喉を潤すような瑞々しい水ようかんを冬に楽しむ、これはもう福井県ならではの食文化ですね。

その中でも今回は、大正13年の洋菓子屋さん「シュトラウス金進堂」さんの「ショコラ水ようかん」をご紹介。

見た目はお馴染み、福井県の水ようかんです
見た目はお馴染み、福井県の水ようかんです

洋菓子屋さん…?と思った方。お間違いありません。シュトラウス金進堂さんはドイツのウィーン菓子を中心にお作りになっているお店で、バウムクーヘンやクリスマスのシュトーレンは勿論、ザッハトルテなど王道ストレートの味わいが好評を得ています。

しかし、創業時は和菓子屋さんだったということもあり、今もなお粒餡を用いた和洋折衷のお菓子や、冬には昔から地域の方々に愛されてきた水ようかんをお作りになっているのです。

確かに一般的なこし餡に比べると、やや赤みを帯びた茶色ですね
確かに一般的なこし餡に比べると、やや赤みを帯びた茶色ですね

洋菓子のノウハウを盛り込んだショコラ水羊かんのチョコレートは、カカオ分70パーセントと、ほんのりビターなチョコレート。三温糖を用いたこし餡の、すっきりと上品な風味がチョコレートの芳醇かつリッチな薫香とよく馴染みますね。

チョコレート、というよりは、カカオ感が強めの大人っぽい香り
チョコレート、というよりは、カカオ感が強めの大人っぽい香り

ふわりと出迎えてくれるこし餡の淡い甘味、そしてスッと舌の上を撫でるように広がるチョコレートのまろやかさ。そこで味わいがぶれず、スッと通った芯のような格式の高さを感じるのはやはりハイカカオチョコレートだからですね。

滑らかな表面の中に秘めたたっぷりの水分
滑らかな表面の中に秘めたたっぷりの水分

あんこを炊いている小さなシェフたちがキュート
あんこを炊いている小さなシェフたちがキュート

シュトラウス金進堂さん特有の、豊潤な水分量が喉に流れ込んでくるようなしずる感がお好きという場合は、もしかしたら好みがはっきりと別れるかもしれません。しかし、ご自身の得意とする分野を用いて郷土の食文化を継承していきたいと思う心意気に触れられるような水ようかんもまた、寒い冬こそお似合いなのではないでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

柳谷ナオ

<シュトラウス金進堂>
公式サイト(外部リンク)
福井県越前市姫川2-3-39
0778-22-1471
10時〜18時
定休日 水曜・日曜(不定休)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

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