【海士町】23年ぶりに行われた大迫力の牛突き大会「後鳥羽院遷幸800年祭」奉納牛突き
z島根県沖60kmに浮かぶ隠岐諸島。
独自の文化と歴史が息づき、ユネスコ世界ジオパークに認定されるほど雄大な自然が残るこの諸島の中の一つ、海士町(あまちょう)。
この島で、10月16日に23年ぶりに牛付き大会が開催されました。
海士町はもともと後鳥羽上皇が島流しにされた島としても知られており、去年から今年にかけて後鳥羽上皇が島に流されて800年目を祝う記念の大祭「後鳥羽院遷幸800年祭」が行われています。
今回23年ぶりに執り行われた牛突き大会も、その祭りの一環として行われました。
超満員の大盛況に終わった牛付き大会を、今回はレポートしていきます♪
牛付き大会の開始はお昼の12時半。
隠岐神社外苑はすでに普段とは全く違う雰囲気が漂っています。真剣勝負前のピリッとした空気もありつつ、23年ぶりの牛突きにどこか沸き立つような雰囲気も。
外苑には「神牛」とよばれる奉納のための牛も繋がれていました。なんと神牛には乗って良いとのこと♪
楽しく牛に跨る子供たちに混じって、大人も乗せてもらって楽しむ姿も。
神牛に乗ってはしゃぐ子供たちが可愛くて癒され、本番前のほのぼのとした雰囲気を楽しむことができました♪
12時になると開会の挨拶と共に、生演奏の民謡と踊りの披露が始まります。
神社に響く島の民謡が本当に心地よかったです♪
島の伝統民謡「キンニャモニャ」にあわせたキンニャモニャ踊りの披露も。
島っぽくていいですよね♪
そしていよいよ本番へ。
突き牛たちの土俵入りが開始します。
続々と入場する牛たち。
一頭一頭が本当に大きく、この牛たちを操る牛飼いの人たちの度胸と技術に感服してしまいます。
牛の土俵入りの際には、隠岐神社外苑は超満員に。
滅多に見られない牛突きに島内外から多くの人たちが足を運んでいます。
土俵入りの最後は、神牛の入場。
一歩一歩に重みを感じるほど大きな牛の練り歩きを間近で見ることができました♪
土俵入りが終わると、すでに会場のムードも最高潮に。
いよいよ牛突きの開始です。
今回の牛突き大会では3回の取り組みが行われます。2回目までの取り組みは引き分け試合とされており、いわゆるエキシビジョン的な牛突きの披露が行われます。
とはいえ突き牛たちは本気でぶつかり合い、引き分けと分かっていても手に汗握る試合が行われました。
角がぶつかり合う鈍い音が会場に響き、衝突の激しさを感じさせます。
この牛の闘いもすごいのですが、このすぐそばで牛を操る牛飼いの方は本当にすごいなと。
ちなみに私は牛のあまりの大きさに近寄るのも怖いくらいでした。
2回目の取り組みが終わると、次がいよいよ勝負を決する3回目の試合。
その前に会場と牛に元気と喝を入れる催し事が入ります。
港の地区の子供会による演目の披露。
本当に島全体でこの牛突きを盛り上げているんですね♪
そしていよいよ横綱の両雄が土俵に入ります。
ちなみに牛の体重は両牛とも1トン弱の重さ。
人間がこれほど小さく見えるのかというくらい大きな牛です。
両牛が土俵に入り、さらにピリっとした真剣勝負の空気が会場全体を覆います。
そして3試合目が開始。
これまでにないくらい大きくて鈍いぶつかり合う衝撃の音が響きます。
勝負を決する牛は、角がかなり鋭く削ってあり、本物の「死闘」が繰り広げられます。
両牛とも拮抗した力の中で押しては押されの試合が続きます。
土俵内は牛の蹴り上げた土が舞い、突き合いの激しさを遠くからでも感じることができました。
観客もこの真剣勝負を固唾を飲んで見守ります。
鋭く削られた角でぶつかり合うため、両牛の角は血によって朱色に染まり、死力を尽くして闘う牛の迫力にただただ圧倒されていました。
拮抗する闘いは十数分以上繰り広げられました。
そしていよいよ決着。
一方の牛が逃げたことにより勝負が決します。
勝者側の牛飼いサイドは歓声に溢れ、会場からは死闘を尽くした牛たちへの賞賛の拍手が鳴り響き続けました。
800年歳にふさわしい、本当に大迫力の牛突きでした。
3回戦目勝負の牛。
疲れ果てた表情と、朱色の角が闘いの激しさを物語っています。
牛突き後は、勝負戦の勝者への表彰が行われ、いよいよ祭りも終わりです。
海士町での祭りの締めといえばやはりこれ。
餅投げです。
大きな催し事の際には必ずと言ってもいいほど行われる餅投げ。海士町らしい祭りの締めくくりで牛突き大会は幕を閉じました。
本当に大迫力の牛突き大会。
次の海士町での開催はいつになるかまだ分かりませんが、隠岐の牛突きは一見の価値は大いにあります。
海士町だけでなく隠岐全体でも見ることができる牛突き。
是非みなさんも一度、機会があればご覧になってみてくださいね!