【富士市】60年前の味、そのままに 口に入れた瞬間懐かしさが蘇る富士本町の名店
こんにちは、Pillonピヨンです。
今日は富士本町通りにある老舗レストラン名花堂をご紹介します。
約60年の長きに渡り富士本町通りで人の流れを見続けてきた名花堂。子どもの頃の家族団らんを思い出しながら食事を楽しんで来ました。
名花堂と言えば名花堂ランチ、もしくはビジネスランチ。いつも迷ったものですが、今回は母がビジネスランチ、私は野菜オムカレーをオーダーしました。懐かしのチキンバスケットは、今はもうメニューから消えていました。
料理を待つ間、店内を見学させていただきました。以前観賞魚の泳いでいた水槽は、5年ほど前から水質変化の関係で使われていませんでした。子どもの頃には料理が届くまで、飽きることなく魚を眺めたことが思い出されます。壁の絵もテーブルと椅子も当時のまま。本当に懐かしい空間に大人の身体で入り込んでしまったかのような錯覚に陥ります。
料理が届くと驚きました。ビジネスランチは本当に当時のままの姿でした。ただ一つ、ライスだけが富士山の形を模していました。野菜のオムカレーは大きなオムライスに食欲をそそる香りのさらっとしたカレーがかけられ、素揚げされた野菜、サラダが贅沢に盛られていました。
サラダを口に入れると、ドレッシングの味で当時の風景までもが浮かんできます。こんなところも変えていないなんて、常連客を大事にしているなと思いました。
素揚げされたナスやパプリカは、カレーにとてもよく合います。口に入れ、噛むとじゅわ~っと滲み出す油がナスの香りを運びます。パプリカは火が通り甘くなり、オムライスと一緒に食べようと思っていたのに、ついつい野菜だけで食べてしまいました。
いよいよオムカレーです。オムライスのご飯はケチャップライスですが、薄めの味付けなのでカレーと相性は抜群。柔らかいトロトロの卵と一緒に食べると、まるで飲み物の様で噛むことを忘れそうでした。卵はケチャップライスとも合いますが、カレーとも合うんですよね。それらを同時に食べることができるなんて、本当に幸せを感じられるプレートだなぁと思いました。
ビジネスランチですが、こちらも食べて驚きだったようです。まず口に運んだから揚げの味が変わっていない。そしてエビフライ、チキンピカタなど、風味、雰囲気が変わらぬ味だったというのです。
ただ焼肉だけは、昔はちょっと焼き過ぎでカリカリしていた部分もあったけど、今はすごく柔らかくて食べやすいということでした。カリカリの焼肉はそれはそれでおいしかったそうです。ただ年齢を重ねた今、焼肉も食べやすく、柔らかくなっていたことがとても嬉しいと言っていました。
見ていて感じたのは、サラダの量、付け合わせのスパゲッティなどが絶妙な量で、ビジネスランチの味を邪魔していないのに単体でもおいしいということ。これは昔と変わらず、ちょっと口直しをしたい気持ちを汲んでくれた料理人さんの心遣いが今まで続いているんだなぁと感じました。
いくら味が変わらないと言っても、変わるところは変え、変えないほうがいい所は変えない。時代に合わせた変化、成長をしているのが一枚のプレートに見られました。
厨房で料理を作る人たちが守り続けた味を、今も同じように味わうことができるなんて幸せなことですね。
名花堂は富士の本町通りに面しています。都まんじゅうのある交差点の北側でとても分かりやすいです。駐車場は都まんじゅうの西側に1台分(No5)ありますが、オレンジパーキングと富士市交流プラザの駐車場に停めると30分割引チケットがいただけます。
Instagramで有名な鬼嫁さんともお話してきましたが、名花堂を愛する気持ちが共振して少々興奮してしまったことは今ここでお詫び申し上げたいと思います。
店内には名花堂がパン屋だったころの写真があり、当時を知る人は昔を偲ぶことができます。
入り口入ってすぐのところにあるイスとテーブルは、初期の名花堂と同じテーブルクロスを使っているそうです。鬼嫁さんとお話をしていると、次から次へといろいろな記憶がよみがえってきてとても楽しいひと時を過ごすことができました。
鬼嫁さんは名花堂を鬼のように愛するお嫁さんでした。昔からのお客様を大事に、新しいお客様も大事に…を心に接客を心掛けていると話してくれました。今度は父も連れて食事に行こうと思います。大事にしたい場所がまたひとつ増えました。
名花堂
所在地 富士市本町9-18
電話番号 0545-64-2552
営業時間 11時~15時 ラストオーダー14時30分
要予約(宴会のみ)4~6名要相談~22時閉店
定休日 火曜日
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