平均で10年強…電気洗濯機は何年で買い替えられているのだろうか(2022年公開版)
電気洗濯機の買い替え年数は10年強
家電商品、耐久消費財、白物家電の代表として、電気冷蔵庫と並び名前が挙げられるのが電気洗濯機。快適な日常生活を過ごす上では欠かすことができない家電の一つだが、何年で買い替えられているのだろうか。内閣府の消費動向調査(※)の結果からその実情を確認する。
電気洗濯機について詳しい説明は回答用の質問用紙には無い。単に「電気洗濯機」と記されている。脱水機はもちろん、乾燥機(機能)まで付随している電気洗濯機も多いが、それらもすべて電気洗濯機として包括する。つまり回答者が、それを「電気洗濯機」として見なすか否かの問題。
世帯区分のうち長期の時期系列による値が保存されているのは二人以上世帯のみ。そこでまずは二人以上世帯における、電気洗濯機の買い替え年数推移をグラフ化する。
多少の上下はあるが、買い替え年数はほぼ8~9年で安定していた。いわゆる白物家電と呼ばれる商品に対する買い替えの一般論、定説として「一般家電の買い替えサイクルは10年ぐらい」があるが、電気洗濯機もまたそれに一致する(やや短めだが)ことになる。
他方2017年では大きく伸びて、初めて10年台に突入する形となった。質問設定の変更は確認できないので、質問の文言で回答値に変化が生じたわけではない。直近の2022年では過去最高の年数となる10.8年に。
これを単身世帯の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。
かつてはパソコンや携帯電話などのデジタル系アイテム同様に、全般的に単身世帯の方が買い替え年数が短かったが、2008年以降は立場が逆転。むしろ単身世帯が延びる動きを見せている。単身世帯では2006年より前の買い替えに関するデータは存在しないため、2008年がターニングポイントなのか、2006年・2007年がイレギュラー値なのかまでは判断できない。今データから確認できるのは「2008年以降は単身世帯の方が電気洗濯機の買い替え年数はおおよそ長い」との事実だけである。
また2017年における延びの動きは、二人以上世帯だけでなく単身世帯でも起きている。単身世帯は過去にも10年超えは確認できたが、11年を超えたのは2017年が初めてとなる。直近の2022年でも単身世帯・二人以上世帯ともに10年を超えていることに変わりはない。
電気洗濯機を買い替える理由は
電気洗濯機の「買い替え理由」を二人以上世帯・単身世帯それぞれについて見たのが次のグラフ。
小回りが利きやすい単身世帯の方が「住所変更」による買い替えの率は高い傾向がある。その分「故障」の値がおおむね低く、「上位品目」「その他」項目は世帯構成でさほど違いは無い。いずれにしても電気洗濯機では「壊れてしまって、修理も難しい」「修理するのなら買い替えた方が安上がり」などが原因で買い替えが行われるケースが多数に及んでいる。
電気洗濯機では少々の品質向上をした製品の登場ぐらいでは、買い替えする必要は無いと考えられているのが多数意見。故障により八方ふさがりとなり、ようやく買い替えの決断をするパターンが多い。まさに言葉通りの「耐久財」である。
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※内閣府の消費動向調査
今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することで、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査は毎月1回実施され、その月の15日時点の状況が対象となる。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。
毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2021年4月~2022年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。新規に購入した場合や、買い替えが該当時期でなかった場合は回答に加わらない。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
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