【泉南市】“一枝に一房だけ”の「贅沢すぎるぶどう」に予約殺到。街の「小さなぶどう園」が毎年人気
「今年のぶどうは、すでにご予約いただいている分で完売となりました」
そう話すのは、泉南市の信達岡中にある「ことりはぶどう園」の園田 弥紗子(そのだ みさこ)さん。
想像以上に小さな農園で、一枝に一房だけ実る「贅沢すぎるぶどう」を育てていたのは、意外にも若くて可愛らしい女性でした。
元々はお父様のご趣味だったという「ぶどう栽培」。
親子二代でぶどう園を営んで7年ほどの月日が経つそう。
一房 3000円ほどのぶどうは、決してお安いとは言えませんが、その価値を知る人は毎年リピートするといいます。
どのような土地で、どんな風に育てているのか、「ことりはぶどう園」を訪れた様子をお伝えします。
のどかな田園風景の中に青いネットが張られている土地が見えてきました。
視線の先に見えるのが「ことりはぶどう園」です。想像以上に可愛らしい農園は、ポツンと一軒家ならぬ「ポツンと農園」といった感じ。
「今朝、収穫してしまったので量は少ないですが…」と見せていただいたぶどうは、ひとつひとつが圧巻のボリュームで、小さな農園の中で存在感を放っていました。
弾けんばかりのプリプリのぶどう! パンパンという表現の方がふさわしいかも? と思えるほど、今にも実が弾けて飛び出しそうです。こちらは「ナガノパープル」の品種改良に日本で初めて成功したというオリジナル品種の「泉州パープル」。
「黒ぶどう」なのに皮ごと食べることが出来て、爽やかな甘みと香りが特徴なのだそう。
口に放り込むと“爽やかな甘み”という表現がぴったりなのがわかります。鼻から抜ける香りとのバランスもちょうどいい。
種もないから気軽に食べやすく、次から次へと食べたくなります。
“ぶどうの王様”といわれている「シャインマスカット」は、魅力的な香りと甘みが特徴。取材日の朝もテレビで特集が放映されるなど、人気沸騰中の品種です。
種もなく、皮ごと食べられる手軽さはもちろんのこと、鮮やかなライトグリーンは見た目にも華やかで、贈り物にも最適です。
それにしても大きくて立派。ここまでボリューミーなものはあまり見かけません。
見てください! 粒がハートのカタチをしているのがわかりますか?
その名も「マイハート」。シャインマスカットの仲間なのだそう。酸味が少なく、甘みが強い品種で、味も見た目の可愛らしさも人気とのこと。
本来は、濃い赤色になるはずが、今年は暑さのせいでこのような色に。
「ぶどう栽培」は天候との闘いで、今年の“猛暑”には悩まされたそうです。
粒が大ぶりで酸味もしっかりしつつ、甘みもある人気品種「黒耀(こくよう)」。
紫色のぶどうの中でも特に色が濃く、高級感のある見た目が特徴。
「シャインマスカット」と見た目は似ていますが、「雄宝(ゆうほう)」は重いもので1キロもあるそうです。その豪快さからは想像できないほど、甘みを強く感じる品種です。
皮がうすく、しっかりめの果肉は食べ応え抜群。酸味は少なく甘みたっぷりです。
基本的に種はないそうです。
名前も見た目も可愛らしい「サニードルチェ」。青りんごのようなさわやかな風味と食感が特徴で、甘すぎず酸味もあるのでケーキ屋さんが好むそう。
他にも小粒で甘みが強い「クイーンセブン」は、冷凍してアイスやヨーグルトと一緒に食べると美味しい、と好評なのだとか。残念ながら取材日には一房も残っておらず、すでに完売しているとのこと。今あるぶどうも予約分ですでに完売しているというから、その人気ぶりが伺えます。
よく見ると一本一本 木の太さが違うことに気づきます。
「1~2年目の木」「2~3年目の木」「3~4年目の木」と、“何年選手”かは、木の太さを見ればわかるとのこと。
一本の木に対して根域制限をかけ、その品種に必要な土壌を整えているそうです。
一枝に葉は15枚から20枚。ぶどうは一房だけ、と徹底したこだわりぶり。
放っておくと1本の木に600房も実るというぶどうを200房ほどに抑えることで、栄養分がたっぷりいきわたった美味しいぶどうが育つのだそう。
蕾の摘粒もぶどうのカタチが決まる大切な作業。
「花が咲いた後、このように実がなります」。
ぶどうの赤ちゃんですね! 可愛い!
「父が朝4時から収穫したぶどうを、3時間から4時間かけて箱詰めをして発送します。その後、わたしは他のぶどう園のお手伝いに行き、父は夕方頃からぶどうの木のお世話です。もう、家族総出でぶどう漬けの毎日ですよ 笑」。
晴天が多く、雨の少ない泉州の気候は、甘くて美味しいぶどうを作るのに適しているといいます。小さなぶどう園が目指すぶどうの栽培は、個性豊かなぶどうたちをそれぞれに必要な環境の下でのびのびと育てること。なんだか人間の子育てと似ていますね。
現在、10種類の品種を育てている「ことりはぶどう園」ですが、隣の土地では“新品種”も開発中とのこと。美味しくて可愛い新たな品種がお目見えする日も近いかもしれません。
ぱっと目を惹く可愛らしいパッケージやsnsでの発信、ホームページの作成などの本格的なブランディングは園田さん姉妹が担当。
若い女性ならではのセンスで、従来の“ぶどう園”のイメージとは異なる魅力を発信し続けています。
「ことりはぶどう園」のぶどうは、公式ホームページ(外部リンク)のオンラインショップを中心に食べチョク、産直アウル、ふるさと納税ポータルサイトでの販売のほか、LINEやFAXで直接注文も受け付けています。
残念ながら今年のぶどうは完売してしまいましたが、6月頃にご予約いただくと入手可能とのこと。詳しくは、「ことりはぶどう園」のホームページをご確認ください。
*毎年品種は異なります。
小さなぶどう園が親子二代で大切に育てているぶどう。
“一枝に一房”だけの「贅沢すぎるぶどう」は売り切れ必至です。
予約を忘れないよう、来年の手帳(6月)に「ことりは ぶどう」と書き留めておいてくださいね。