6000年続く食文化に滅亡の危機…?海の怪物と激闘し続けた過去と現代の保全活動について紹介
最近では目にする機会すら珍しくなった鯨肉。
実は縄文時代から食されていたことはご存じでしょうか?
長崎県にある縄文時代の遺跡「つぐめの鼻遺跡」からは、鯨類の捕獲や解体に使われたとみられる石銛や石器が出土しています。
今回は、そんな6000年間も続く捕鯨の歴史を紹介したいと思います。
6000年前から行われていた捕鯨作戦
捕鯨のはじまりについては定かではありません。
しかし、縄文時代の遺跡で鯨類の捕獲や解体に使われたとみられる石銛や石器が出土していることから、当時はすでに捕鯨が行われていたと考えられています。
また、世界で捕鯨が本格的にはじまったとされるのは9世紀頃でのこと。
ノルウェー、フランス、スペインが本格的な捕鯨を開始したことがきっかけでした。
日本での捕鯨はじまり
日本で手銛を使用した捕鯨がはじめて行われたのは、12世紀(平安時代~鎌倉時代)頃だったとされています。
この当時、捕鯨を行っていた男性たちは何又にも分かれた鋭利な「手銛」という道具を使って、裸一貫で巨大な鯨と戦っていたのです。
荒れ狂う海上で巨大な海のボス・鯨と戦うことは簡単でなく、多くの命が犠牲となりました。
捕鯨の本格化と乱獲
1606年、和歌山県で「鯨組」による組織的な捕鯨が始まったことを皮切りに、日本国内で初となる本格的な捕鯨がスタート。
さらに1675年、和歌山県で初の「網取り式捕鯨」が開始され、より安全に鯨を捕まられるようになったことから全国的に捕鯨が普及します。
さまざまな捕獲様式が開発されたことで捕鯨のリスクは軽減されましたが、今度は鯨の乱獲が問題視されるようになりました。
これからの鯨肉文化
現代でも鯨の乱獲問題は解決しておらず、絶滅危惧種に指定されている鯨類も少なくありません。
政府は対策として鯨の捕獲に制限を設けて保全活動に取り組んでいるようですが、国外からは日本の「捕鯨」そのものが非難されている現状です。
日本では6000年もの長きにわたり続いてきた食文化ではありますが、動物の命や保護が第一優先となるため、「これからの鯨肉文化」を考えることは非常に難しい問題といえるでしょう。