VR体験をゴーグルではなく巨大シアター『#スフィア』で異次元体験 #vegassphere
KNNポール神田です。
2023年エンタテインメントの世界に新たな名所が登場した。
2023年9月30日ラスベガスで『SPHERE』がスタートした。
すべてが、規格外だ。
■世界最大の球形建造物の誕生 23億ドル(約3,427億円)
https://www.thespherevegas.com/
https://www.instagram.com/p/Cx0u9ZcxTQq/
MSG SPHERE(正式名称:Sphere at The Venetian Resort)
収容人数は2万人。高さは約112メートルで30階建てのビルに相当。幅157m、延べ床面積81,300平方メートルを超える球体全体がLEDで覆われている。座席数は17,600席、スタンディングスペースは2,400席、10,000席に4D機能が搭載。
2018年にマディソン・スクエア・ガーデン・カンパニー(MSG)によって発表。
2019年に建設開始。2021年のオープン予定がコロナ禍で建設中断。
当初は、『MSG』と『ラスベガス・サンズ(ベネチアンリゾート所有)』とのパートナーシップで発足。サンズは、ベネチアンホテルの東側を『Shere』に提供。
2022年に『Apollo Global Management』が『ベネチアン』を62億5,000万ドルで買収し、ラスベガス・サンズではなく『MSG』と『Apollo』とのパートナーシップへ継承。
その後建設再開により2023年9月29日にオープンを迎えた。
予算規模は16億6,000万ドルだったが、最終的には23億ドルに膨張。
■ラスベガス スフィア
https://www.thespherevegas.com/
建設中の頃からニュースで、気にはなっていたが、想像以上の出来栄えのようだ。
SNSには歓喜の映像がたくさん、届いた。
■オープニングアクトは『U2』が登場! Sphere体験の魅力が伝わる!
この映像を見るだけで、人類2,000年間のエンタメ『LIVE』の歴史が変わった。
古代ギリシャの円形劇場、古代ローマのコロッセオからエンタメの歴史上とてつもなく長い。
しかし、このような最新テクノロジーを駆使してパーソナルなVR体験を、円形ドームで集団で体験すると、どこまでが現実でどこからが虚像なのかの理解に苦しむ。
最初に観たSNSの映像からは、U2のリアルのメンバーが精巧に構成されたCG画像かホログラムのように見えてしまった。
圧巻のドームステージの方こそがリアリティーを持ってしまったからだ。
ドームには、グラフィックスから、アーティスト、自然の景観とまるで万華鏡のようなステージ空間、いや没入空間が繰り広げられる。
これは、ぜひ、なんとしてでも体験したいという願望が湧いてくる…。
■アフター『VEGAS SPHERE』の可能性
想像以上のエンタメ空間となった『SPHERE』はラスベガスに行きたいという気持ちを増幅させる。
この『U2』のイベントのような、リアルアーテストとの『MR:ミックスドリアリティ』は、映像演出の新領域となった。また、ここでライブをやりたくなったアーティストも後を絶たないことだろう。
今後10年くらいは、著名アーティストの『VEGAS SPHERE詣』が続くことだろう。それは、ライブの表現の可能性を広げるからだ。映像コンテンツとしても『VRパッケージ』として提供できそうだ。
そして、『ライブ』は『経験』がすべてだが、実際のアーティストは、ホログラム程度にしか見えていないようだ。すると、今後は、ここが巨大『VRスタジオ』として、『撮影』と『再生』ができるようになると、リアルな公演以降、『再生型』公演も可能となりそうだ。
すると、ラスベガスに長期滞在できるアーティストでなくても、3日間くらいの公演でコンテンツを再現できるソフトウェアとして、ライセンスが得られる。興行による『権利収入(ライツ)』に『劇場再生収入』のような21世紀になって初めての『ライツ』が誕生するだろう。
米国ラスベガスの興行としてはこれだけでも十分な収益リターンを確保できそうだが、2024年には、Appleが『Vision Pro』を投入し、新たな『AR:オーギュメントリアリティ(拡張現実)』の世界が広がる。
『VEGAS SPHERE』の映像体験がサブスクで堪能できるとすれば、疑似体験としては最適かもしれない。
しかも、『本物の現場』には敵わないので、『VEGAS SPHERE』体験の絶好のプロモーションともなる。
そして、この『VEGAS SPHERE』が基本のフォーマットとなり、全世界でフランチャイズができるとなると、巨大な設備投資ができ、交通網があれば新たな都市を開発できるほどの吸引力を増すことが可能となる。
2025年の大阪・関西万博開幕時では、1970年の万博記念公園跡地に、これも一緒に作るのはどうだろうか?万博は跡地開発が開幕よりも重要だ。新たなエンタメ空間を作ることは関西の経済圏にインパクトを与えるだろう。
お金のあるところには、思いっきり資金が余剰となっている。新たなエンタメ巨大空間は、劇場、映画館、スタジアム、いろんな要素とあいまって、新たな21世紀型のビジネスモデルを構築しそうに感じた。
20世紀の映像経済が、次世代へとようやく革新したことを確信した瞬間だ。
ラスベガスの景色と合わせると、瞬間移動ができたような感覚になる。これからはLEDステージデザイナーの想像力でいろんな経験が可能となりそうだ。
Sphere, 255 Sands Ave, Las Vegas, NV 89169 アメリカ合衆国