一発丸わかり・「レターパック、宅配便で現金送れ」は全部サギ
「特殊詐欺」とは少々いかつい名前に聞こえるが、警察白書の説明によると「被害者に電話をかけるなどして対面することなくぎもう(だますこと)し、指定した預貯金口座への振込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪」のことを指している。具体例としてはオレオレ詐欺に代表される振り込め詐欺や、金融商品などの取引を名目にした詐欺などをがある。警察庁ではこの「特殊詐欺」について、「特殊詐欺に関する情報提供のお願い」と称して、情報提供を呼び掛けている(「特殊詐欺に関する情報提供のお願い(PDFファイル)」)
この公知は、一時期高い頻度で情報提供のお願いが出された、危険な攻撃的集団のアジトに関する通報話と同じようなもの。振り込め詐欺的な金銭周りの問題事象を起こしている雰囲気がある事案を見かけたら、連絡をしてほしいとのものである。具体的には「振り込め詐欺に関わっている人を知っている」「賃貸マンションや賃貸オフィスの一室から「もしもし、お金が必要なんだ」との話し声が聞こえる」「賃貸マンションや賃貸オフィスの契約期間が残っているのに「夜逃げ」同然に突然退去してしまった」などのような、普通では見受けられないような状況を指す。
今件のような特殊詐欺も合わせ、金銭的な犯罪の手口では「レターパック」「宅配便」での現金送付が求められることが多い。一方商的取引において、国内法では現金を郵送できるのは現金書留に限られる。つまり、レターパックや宅配便で現金を送るよう指示を受けたら、それはまず間違いなく詐欺である。
なぜそれような詐欺では、レターパックや宅配便で現金を送る指示をするのか。答えは簡単。その方法なら送金記録が残らない、つまり足がつかないからに他ならない。
特殊詐欺では世間で話題に登っている話と連動させて興味関心を引かせる。昨今ならば「エボラ出血熱の特効薬を開発し、それに成功した企業の株式の小口販売を行っている。今購入すれば、情報が公開された時に莫大な利益を上げることが出来る」「ウクライナの商人が海外脱出のための資金プールの口座を求めている」とかいった形だろうか。また少額を提示してハードルの低さを見せ、「これぐらいならば……」と油断させるなど、手口は多種多様。しかし詐欺には違いなく、さらにレターパックでの現金郵送は、差出人側が処罰されることもある。
基本は「レターパック、宅配便で現金送れ」は全部サギ。これだけ覚えておけば、随分とリスクも減るはず。
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