平成最後の花園チャンピオンは大阪桐蔭!第98回全国高校ラグビー大会で悲願の初優勝。
■大阪桐蔭(大阪第1)26-24桐蔭学園(神奈川)
■第98回全国高校ラグビー大会/1月7日/東大阪市花園ラグビー場
平成最後の花園で、悲願の初優勝だ。
昨季準優勝の大阪桐蔭(大阪第1)が1月7日、今春の選抜大会決勝で敗れた桐蔭学園(神奈川)を26-24で下し、悲願の初優勝を遂げた。
天秤が傾いたのは前半6分。
大阪桐蔭は強力なスクラムプッシュでペナルティを獲得すると、敵陣で華麗なサインプレーを披露。FB伴井が先制トライを挙げた。5-0
序盤は大阪桐蔭BKのサインプレーが効果大。
エリア中盤でのビッグゲインから攻勢をかけ、前半13分にはSO嘉納がスコアラーに。12-0
相手の激しいDFに得意の継続ラグビーが披露できない桐蔭学園だが、次第に大阪桐蔭の反則(ノットロールアウェイやオフサイド)が増えてチャンス拡大。
すると前半22分、PR床田がショートサイドを攻めて1トライを返す。
勢いに乗った桐蔭学園は3分後、WTB佐々木が左サイドでゲイン。
プレッシャーをかけ、PR鈴木がパワフルな突進を見せて連続トライ。SO津田のコンバージョン成功で、12-12の同点に追いついた。
さらに桐蔭学園の勢いは止まらず、NO8佐藤が1年生らしからぬ突進力でチャンスメイク。
敵陣へ入り、HO紀伊のオフロードパスから、最後はWTB佐々木が左隅に勝ち越しトライを決めた。12-17
12-17で折り返した後半も、序盤は桐蔭学園が攻勢。
十八番のブレイクダウンのターンオーバーで主導権を握ると、SO津田の絶妙な防御裏へのキックなどでチャンスメイク。
しかし大阪桐蔭も負けず、後半7分に敵陣でFWが攻勢をかける。
最後はPR江良が押し込んで同点トライ。コンバージョン成功で19-17と逆転した。
白熱するファイナルは、大阪桐蔭に勢いが傾く。
ラインアウトでの桐蔭学園の好守などがあり、敵陣で仕留めきれなかった大阪桐蔭だが、後半16分、ブレイクダウンでターンオーバーして桐蔭学園のプランを崩す。
すると敵陣深くに侵入し、ここで大阪桐蔭は準備していたモールで前進。ゴール成功でリードは9点(26-17)に。
追いつきたい桐蔭学園だが、得意の密集戦でプレッシャーを受ける。反則(オブストラクション)などで得点機にスコアができない。
諦めない桐蔭学園は後半28分。左サイドで突破するとオフロードパスをつなげて左中間にトライ(ゴール成功)。
残り時間は2分弱。
逆転を懸けて自陣から64フェイズを続けた昨季準決勝を彷彿とさせる展開となったが、無念のボールロスト。
大阪桐蔭がFWでボールを確保し、タッチへ蹴り出し歓喜の瞬間を迎えた。
桐蔭学園の藤原秀之監督は「後半はFWの差が出ました。FWは強かったですね。僕の中でのポイントはトライを5本取れるかどうか。取れなかったことが大きい」と語った。
大阪桐蔭の綾部正史監督は「総合力は向こうさんの方が上でした。(トライを挙げた)モールは嫌がるだろうなと。3年生はタフになった。去年の決勝で負けた悔しさが一番の勝因」。
監督として初めて花園を制したが、「実感はないです。キャプテン(松山)と握手をしたときにすこし涙が出ました」と赤い目で語った。(了)