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高校2年生では約半分が運動部所属…中高生の部活動事情

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 吹奏楽も中高生の部活動ではメジャーなもののひとつ

高校2年生は半数が運動部所属

中学生や高校生ではほとんどの学校で部活動が行われる。多種多様な分野で生徒達が可能性を見出し、伸ばし、さらには人生の方向性を決定づける経験を得ることすらある。その一方であえて部活動に参加しない子供も多数存在する。また昨今では生徒・教師それぞれの部活動に対する負担に関して、問題提起がなされているのも注目に値する。今回は少年教育振興機構が2016年5月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」(2015年2月から3月にかけて各学校(小学校は1年から6年まで各100校ずつ、中学校は2年生対象に150校、高等学校は2年生対象に150校)への調査票発送・返信による回収方式で実施。有効回答数は学校数が851、子供の回収数が18031件、保護者が15854件)の報告書の各種公開データをもとに、子供の部活動の所属実情を確認していく

次に示すのは直近2014年度における、所属部活動の状況。小学校で部活動を実施するところは原則無いため、調査対象からは外れている。

↑ 現在所属の部活動(複数回答、2014年度)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、2014年度)

中学2年生は68.6%が運動部、20.2%が文化部に所属している。そして未所属、いわゆる帰宅部は8.1%。「その他」が気になるが、運動・文化の双方の区分がしにくいものに加え、部活動への参加が義務付けられているものの、生徒会活動など部活動に類するものに参加していれば免除される事例が該当するのだろう(つまり「生徒会執行部」的なもの)。

高校2年になると運動部の所属比率は大きく減り、その分文化部が増えるが、未所属者も増える。勉学に励むため、あるいはアルバイトに時間を充てるため、部活動に参加しない選択をする人も増えるものと考えられる。

これを男女別に仕切り分けしたのが次のグラフ。

↑ 現在所属の部活動(複数回答、中学2年、男女別、2014年度)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、中学2年、男女別、2014年度)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、高校2年、男女別、2014年度)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、高校2年、男女別、2014年度)

中高とも大よそ男子は運動部、女子は文化部の所属割合が高い。具体的な部活名までは調査の対象となっていないが、実情は容易に理解できる。また未所属やその他項目は男女とも変わりがない。

中学生では男子の8割が運動部、女子は6割近くが文化部に入っている。高校になると男子の運動部所属は2/3、女子の文化部所属は4割となる。女子は中学よりも高校の方が、文化部の所属割合が高くなるのは興味深い動き。高校に入ってからの方が、趣味趣向の領域が広がり、また部活の種類そのものも増えるからだろう。

グラフ化は略するが、男女別に仕切り分けしても、各項目をすべて足した合計値は100%をわずかに超え、1%から2%近い超過分が確認できる。統計上の誤差を超えており、1%内外で兼部をしている人がいるものと考えられる。

経年変化で部活動の加入状況を探る

運動部と文化部の入部動向は以上の通りだが、この傾向に時代の流れによる変化は生じているのだろうか。2007年度以降の動きを示したのが、次以降のグラフ。まず中学2年生について。

↑ 現在所属の部活動(複数回答、中学2年生)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、中学2年生)

大きな変化は無いが、ほんの少しずつ運動部が減り、文化部が増えているように見える。直近の2014年度分はその流れに反する動きだが、イレギュラーな可能性もあるので、もう数年動向を見定めないと、その傾向が確かなものかの判断は難しい。

変化の観点では高校生の方がよりはっきりとした動きを示している。

↑ 現在所属の部活動(複数回答、高校2年生)
↑ 現在所属の部活動(複数回答、高校2年生)

運動部、文化部共に回答率は上昇中。特に文化部ははっきりと増加傾向が表れている。運動部・文化部双方とも増えているのなら、差し引きでどこかが減らねばならないわけだが(掛け持ちの可能性もゼロではないものの、統計値上には上記の通り1%程度しか表れていない)、未所属が減っているのが確認できる。つまり帰宅部が減り、運動部や文化部に流れている次第である。単純に部活動への関心が高まりつつあるのか、それとも部活動への参加を義務付ける学校が増えたのかまでは分からないが、興味深い動きには違いない。

学生の部活動に関しては昨今教師側、学校全体の負担の観点で、見直しを求める声を見聞きする。また生徒の視点でも負担になるとの意見もある。今後そのような機運がさらに高まりを見せるようであれば、学校の方針、そして所属率の動向にも変化が生じてくるかもしれない。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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