#1 岡崎富夢×岩佐大輝 「日本でいちばん屋上を愛する男」のその後に迫る
透き通るような青い海と南国の空気が心地よい。ゆっくりと時が流れるこの地で辿り着いた場所は沖縄県恩納村。車を降りると海パン一丁のあの男が屋上から手を振っているのが見えた。2016年の初対談から4年。「日本でいちばん屋上を愛する男」岡崎富夢の現在に迫る。
岩佐)富夢ちゃんとは2016年に初めて対談をしたんだよね。その時の記事がすごいバスったんだ。あれから4年、今回は岡崎富夢のその後と題していろいろ聞きにきたよ。まず富夢ちゃんが今やっているビジネスについて教えて!
岡崎)僕は株式会社PASIOという会社で、ラグジュアリーテラス「COLORS」を作っているんだ。ダイニングセットやジェットバスを備えた空間を一般住宅の屋上に演出して、日常生活の中で特別な時間を過ごすライフスタイルを提案している。そのビジネスを軸にして、ここ沖縄でラグジュアリーなプライベート空間を一棟借りで体験できるヴィラ「Villa COLORS」の運営もしているよ。
岩佐)2016年はCOLORSブランドを起ち上げて間もない頃。これから走り出すぞっていうときだったね。あれから4年、どんな感じだったの?
岡崎)大輝ちゃんと対談した2016年はまだまだ売上も小さかった。それからパートナーを開拓して、COLORSの販売を伸ばしていったんだ。今はCOLORSのほかに、工務店の経営者に対して、会議の回し方から経営戦略まで僕のMBAスキルをつぎ込むようなエデュケーションビジネスもやっているんだ。
なんでやっているかっていうと、建設業界は経営リテラシーがものすごく低い業界なんだよね。MBAを持っている工務店の人とかゼネコンの人なんてほとんどいない。職人が活躍する世界だから、「ごちゃごちゃ言わず現場命」みたいな文化がある。要するに、経営的に一番遅れている業界だと思うんだよね。だから僕は、教育サービス事業を通して、建設業界の経営,マーケティングレベルを上げるサポートをしてる。それと同時に、この教育サービス事業を通してパートナーシップを結んだ若い社長さんたちが、COLORSの目指すライフスタイルに賛同して自分たちのモデルハウスに製品を取り入れる形でCOLORSを広めていってくれたんだ。そうやって販路を開拓して、COLORS事業も成長していった。
岩佐)なるほど。工務店の社長さんたちは単に経営教育のお客さんじゃなくて、ビジネスパートナーでもあるんだね。
岡崎)そう。これが大手家具販売店と違うポイントなんだ。彼らはアウトドア用ソファーとかテーブルをお客さんに直販しようとするけど、そもそも普通の家にはそんな家具置く場所がないよね。だから僕は工務店さんと組んで、家具を置く場所を家の一部として作っちゃうの。普通こういう場所をつくろうと思ったら、建てた家に自分たちで買った家具を置いたり、内装を作り変えたりしなくちゃいけない。そうじゃなくて、仕様、家具、加工までパッケージとしてデザインして住む人に提供するんだ。住宅ローンに組み込めば月々1万円しない価格で誰もがラグジュアリー空間を手にできる。場所の創造と同時にファイナンスの創造もしないと売れないんだよね。これが外家具のシェアNo1になった理由。
もう一つ大事なのは、やっぱり工務店さんの熱意なんだ。COLORSはジャグジーとか家具とか全部含めると、実は家のどの部分よりも原価が高い。そんな高いものを家の一部に組み込むっていうのを決めるのは、工務店の社長さんなんだよね。こういうものに価値を感じ、ライフスタイルに共感してくれて、自分たちのモデルハウスに入れて売るぞって決めてくれる。こんなすごい営業は他にないよ。営業マンを抱えて売りこむんじゃなくて、同じ思いをもった社長さんとつながることが最強の営業になるんだ。
岩佐)そうなんだ。普通の人でもこんなにステキな空間を自分の家にセットできるってすごいよね。どうしてそんな最強のコスパが実現できたの?
岡崎)僕は各地の地場工務店さんとがっちり組んで、COLORSの施工をしてもらっているんだ。
例えば、大手ハウスメーカーって全国にショールームを持ってたりするから、手掛ける家って値段が高くつく。そんなの買える人は一部の限られた人だから、多くの人はもっとコスパの良い地場工務店に家を建ててもらうよね。だから僕が組むのも、大半が地場工務店さん。コストを抑えて、多くの人にリーチできるんだ。
それともう一つは、僕の会社は俺ともう一人の専務の2人だけでやっている。これも最強のコスパを実現するポイントかな。
岩佐)2人しかいないの?!もっと詳しく教えて!
話を聞いていくと岡崎富夢の最強で強烈なビジネスタックパートナーの存在が明らかになってきた。語りの夜はまだまだ続いていく。