46歳未婚男性。子どもが欲しいので30代女性と出会って結婚したい(「スナック大宮」問答集27)
「スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに100回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載「中年の星屑たち」を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。
初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。
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「自営業がようやく軌道に乗ってきました。ようやく婚活に本腰を入れています。子どもが欲しいので30代の女性と出会って結婚したいです。誰かいい人がいたら紹介してください」(46歳の独身男性)
「同世代は老けつつあるけれど、自分はまだ若い」と思っていませんか
自分が40代に突入したあたりから、40代50代の友人知人が増えた気がする。以前からの知り合いが一緒に年をとっている面もあるが、新たにスナック大宮に来てくれる人も40代が中心となっている。同世代という親近感を持ってくれているのだろう。
30代だったときは、「40歳にもなれば自分も周囲もようやく大人になるのだろう」と思っていた。しかし、実際はそうでもない。良くも悪くも落ち着かず、不惑どころの話ではない。本音を言えば、「周囲は老けているかもしれないけれど、自分はまだ若い。10歳ぐらい若く見られることもある」だろう。だから、男女ともに年下との恋愛や結婚を望んだりするのだ。
冷静に考えてみてほしい。今から出会って恋愛をして、お互いの親に挨拶をして、新居を決めて、「妊活」に励んだとする。第一子が無事に生まれたとしても、そのときあなたは50歳に近づいている。子どもが大学を卒業するときには古希を過ぎるだろう。相手の女性は、10歳も年上のあなたに当然、頼りがいを求める。経済的にも精神的にもリーダーシップを発揮し続けることが必要だ。
シングルマザーと結婚して、子どもは「中途採用」で可愛がる
その自信があるのならば何も言うことはないが、もう少し話を聞いてほしい。今年にスナック大宮内で自然発生した2組のカップルはともに「アラフィフの男性と40代前半のシングルマザー」という組み合わせだ。男性からすると年下女性と恋愛していることには変わりないが、女性のほうにすでに成長した子どもがいることがポイントである。
この場合は、教育する期間や費用は大幅に軽減される。そもそも子育てへの貢献をあまり期待されていないこともあるので、例えば子どもと仲良く遊ぶだけで感謝してもらえる可能性も高い。筆者の周辺ではこれを「中途採用」と呼ぶ。
晩婚化が進み、離婚する人も増えている現在、まっさらな未婚者同士が結ばれて子どもを作るほうが珍しくなるのではないか。ぜひ離婚経験者にも目を向けてほしい。筆者自身がバツイチだから言うわけではないが、一度失敗をした人は必ず何かを学んでいるので次の結婚はうまくいきやすい。特にシングルマザーやシングルファーザーは肝が据わっている人が多いので、一方的に頼られるのではなく、助け合うことができるはずだ。
視野を広げることは市場を広げることにつながる。子どもが欲しいのは素晴らしいことなので、「新卒採用」だけでなく「中途採用」も考慮に入れて幸せな結婚生活をつかんでほしい。