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58歳。結婚4年目で別れ、思わずスキップしたぐらいに心が軽くなりました~おみおじリポート177~

大宮冬洋フリーライター
都内在住のソーシャルワーカー。一人息子は育て終え、婚活を始めました(本人提供)

「人と心の機微を重ね合わせながら暮らすのが人間らしい生活だと思う」

※2024年8月24日追記。松下さんは半年間の受けオネット期間を終了し、自動退会日を迎えました。残念ながら結婚につながるような出会いはオネットではご紹介できませんでしたが、彼女の幸せを祈りつつ見送りたいと思います。

 こんにちは。大宮です。自分の周囲にいる独身男女の婚活を前のめりで支援する「お見合いおじさん活動(略称:おみおじ)」を婚活パーソナルトレーナーのマチコ先生と一緒に推進しています。僕の読者(この記事を読んでいるあなたも該当します)で「そろそろ結婚したい」という人をオネット(大宮ネットワーク)にお迎えし、良縁を結ぶことをお手伝い中です。本連載ではその活動の一端をレポートしています。オネット会員の種類(受けor攻め)と募集についてはこちらをご覧ください。
 人と心の機微を重ね合わせながら暮らすのが人間らしい生活だと思う――。ドキリとするような感想を述べるのは、都内在住の松下美紀子さん(仮名、58歳)です。20代半ばで離婚し、両親とともに息子を育てながら医療ソーシャルワーカーとして働いてきました。
「この仕事のやりがいは、SOSを出せないクライアントのニーズをくみ取って寄り添いながら実現に向け伴走すること。黒子のような役割です。患者さんとご家族が現実との折り合いをつけながら落としどころを見つける過程を支援します。苦労を気づかれずに感謝されないこともありますが、その人が良い選択肢を自分でつかみ取ったと笑っていれば、私たちの仕事は成功です」

神社仏閣への参拝が好きな松下さん。「誰もが生きやすい、風通しの良い世の中になればいいなといつも思っています」(本人提供)
神社仏閣への参拝が好きな松下さん。「誰もが生きやすい、風通しの良い世の中になればいいなといつも思っています」(本人提供)

現場仕事と一人息子の両方が手元から離れ、喜びと寂しさを感じる日々

 人との関わりが大好きな松下さんですが、勤続20年近くになり、現在は管理職として後進を育てる側に回っています。支援の現場から少し距離ができたのです。
「難しいケースと向き合ってやり遂げる手ごたえはなくなりました。人との絆を感じにくい寂しさがあります」
 加えて、プライベートでもこの数年で両親を看取り、相続も無事に完了。風邪もひけないような緊張した日々が終わると、なんだか虚しさのようなものを感じるものですよね。
「かつては両親と妹と息子との賑やかな5人家族だったのに、気づいたら一人になりそうなことに焦りを感じています。同居している社会人の息子は週末は旅に出たりとたくさんの友人と楽しく充実している様子で、私の手はすっかり離れました」
 懸命に取り組んできた現場仕事と一人息子の両方が巣立った今、新しい生活にチャレンジすべきときなのかもしれません。

息子と一緒に行ったスリランカにて。「シギリア・ロックという岩山です。暑さを避けて日の出前に行き、頂上までの急な階段1200段と岩を一気に登りました」(本人提供)
息子と一緒に行ったスリランカにて。「シギリア・ロックという岩山です。暑さを避けて日の出前に行き、頂上までの急な階段1200段と岩を一気に登りました」(本人提供)

「オレの稼ぎに文句があるのか」という夫とは話がかみ合わずに離婚

 そんな松下さんが約30年前に離婚した理由は若気の至りに尽きます。専業主婦に憧れて専業主婦になったものの、すぐに外でも働きたいと思ったそうです。
「夫のお金を自分のお金だとは思えず、使うことに罪悪感すら覚えていました。外で働きたいと伝えたのですが、夫は『オレの稼ぎに文句があるのか』と話がかみ合いませんでした。結婚4年目で別れ、思わずスキップしたぐらいに心が軽くなりました。今から思うと、私もワガママだったと思います。わかってもらえるように時間をかけることもできたかもしれません」
 若い頃は自分のことがよくわかっていないものですよね。こういう失敗をしながら、「自分はどんなときに気分よく過ごせるのか」と「大切な相手と折り合いをつけて生きるには今何をするべきか」を少しずつ学習していくのだと思います。

食べた物で身体が構成されるので食事を大事にしているという松下さん。「いただきもののタケノコで作った煮物と炊き込みご飯です」(本人提供)
食べた物で身体が構成されるので食事を大事にしているという松下さん。「いただきもののタケノコで作った煮物と炊き込みご飯です」(本人提供)

「穏やかで優しい」と「異性として物足りない」は表裏一体。それでも求めますか?

 松下さんには「なんでも楽しくやれる」という特技があります。言い換えれば、様々な状況で自分が楽しめることを見つけられる能力です。海と森に囲まれた環境で生まれ育ち、毎日泳いで遊んで育ったことが影響しているのかもしれません。自然児の強さですね。
「旅行では意識して海沿いへ行き、自宅では植物が生き生きしているのを見るのが元気のもとです。神社仏閣のお参りも心が整う気がしています。今後は、穏やかで優しい方と、日々の生活を楽しくゆったりと過ごしたいと思っています」
 ここまで静かに聞いていたマチコ先生から確認事項があります。女性から独身男性を見た場合、「穏やかで優しい」と「異性として物足りない」は表裏一体の関係だったりするからです。具体的には、交際から結婚に至るまでのあれこれをスマートには進められなかったりします。松下さん、この点は大丈夫でしょうか?
「大丈夫だと思います。息子が小さい頃から年に1回は二人で海外旅行をしていました。日本語が通じない土地での冒険はきっと財産になると思い、宿を予約せずに現地で探すような旅です。だから、デートなどで男性にリードしてもらわなくても一緒に楽しめれば大丈夫です(笑)」
 ならば実績十分です。新たなパートナーができたとき、お互いに教え合い補完し合えるような関係を築けるといいですね。マチコ先生と手分けして、松下さんにとって良き相手を探そうと思います。

植物の手入れが松下さんの日課の一つ。自宅のいたるところに観葉植物があるようです。(本人提供)
植物の手入れが松下さんの日課の一つ。自宅のいたるところに観葉植物があるようです。(本人提供)

※文中の受けオネット会員は仮名です。松下美紀子さんの詳細プロフィールやマチコ先生と大宮による超実践的婚活アドバイス(ヤフーの有料記事です)を読みたい方(=攻めオネット会員になりたい方)はこちらをご覧ください。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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