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出掛ける前からジャズ気分:海野雅威トリオ@モーション・ブルー・ヨコハマ

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

5月22日(水) 開場17:30/開演 1st 19:00、2nd 21:00

会場:横浜MOTION BLUE YOKOHAMA

出演:海野雅威(ピアノ)、吉田豊(ベース)、加納樹麻(ドラム)

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アメリカで磨きをかけた注目の新世代ピアニストによるリーダー・ライヴ

Tadataka Unno Jazz Piano
Tadataka Unno Jazz Piano

うんの・ただたか、と読みます。漢字を見ただけでは、たぶん読めません。でも、ボクは覚えてしまいました。だって、ジャズ・ピアニストとしての彼に注目してしまったから――。

彼が参加しているセッションを観る機会が、何度も重なったことがありました。いろいろな先輩ミュージシャンから声がかかるのは、彼への期待が大きいことはもちろん、それだけの柔軟性を備えているからでもあるはずです。

でも、彼のピアノは器用にそつなくまとめるという印象がありません。それでいて、紡ぎ出されるフレージングにはシッカリとした主張が感じられます。主張の土台となっているのは、彼独特のグルーヴ感なのではないでしょうか。

“アメリカン・ジャズの継承者”たるべき新世代ピアニストのリーダー・ライヴで、ネイティヴのアフリカン・アメリカンたちを唸らせてきた卓越したグルーヴを楽しみたいと思います。

東京藝術大学で作曲を専攻、在学中より自己のグループで演奏活動を重ねて来た海野雅威。2003年には“浅草ジャズ・コンテスト”のソロ部門でグランプリを受賞、翌年には“横浜ジャズ・プロムナード・コンペティション”でもグランプリを受賞するなど、2000年代初頭から徐々にシーンで頭角を表わしてきた。その後、鈴木良雄をはじめとするベテラン勢から重用され、2008年にはジョージ・ムラーツ、ジミー・コブとのトリオ作『マイ・ロマンス』をリリース。そのクオリティの高さが各方面に絶賛されるも、人気絶頂の最中、ジャズのルーツを求めて渡米を決意。彼の地でもジミー・コブ、ウィナード・ハーパー、クリフトン・アンダーソンなどの重鎮たちに認められ、「現在のシーンにおける新世代ミュージシャンの最高峰」とも評価されている。渡米から5年、様々な経験を経た海野が、モーション・ブルー・ヨコハマからお届けする5年ぶりのリーダー・ライヴ。10年来にわたって共演を重ねる吉田、加納と共に、ジャズ・ピアノの真髄を伝えてくれるに違いない。

出典:モーション・ブルー・ヨコハマ

1980年8月15日、東京生まれ。

音楽好きの両親の影響で幼少の頃より様々な音楽を聴いて育つ。

4歳よりピアノを始め、9歳からはジャズ・ピアノを大塚雄一、元岡一英氏に師事する。東京藝大で作曲を佐藤眞氏に師事、在学中より自己のグループを結成し演奏活動を始める。

2003年、浅草ジャズ・コンテストのソロ部門でグランプリ受賞。諸田富男六重奏団、小林陽一グッド・フェローズで活動する。

大学卒業後に日本のトップ・ベーシスト、鈴木良雄氏のレギュラーピアニストとしてその才能を見出される。そして活動が本格化。国内外のミュージシャンと共演、年間300日以上のライブ活動を精力的に行い研鑽を積む。

2004年、横浜ジャズ・プロムナード・コンペティションにて、自己のトリオ(吉田豊b・海野俊輔ds)でグランプリ及び市民賞を受賞。

同年12月にWhat's Newレーベルより初リーダー・アルバム「Pee ka boo!」を発表。

2008年4月に2枚目のリーダー・アルバム「My Romance ~ The first sketch of Tadataka Unno」をVillage Musicよりリリース。

ジャズのルーツを求めて、発祥の地アメリカでゼロからのスタートを決心し、アーティスト・ビザを取得後、2008年6月ニューヨークに移住。

現在のジャズシーンで、新世代ミュージシャンの最高峰と評価され、その卓越したテクニックとセンス、即興性、優れたバランス感覚、美しい音色は国境を超えて聴衆を魅了して止まない。

惜しまれつつ世を去ったジャズ・ピアニスト世良譲氏、そしてアメリカではジャズ・ピアノの巨匠Hank Jones氏が、晩年最も期待を寄せていたピアニストでもあり、CDでの共演の他、音楽のみならず人生の師として交流を深めていた。2010年5月16日、人々に愛され、最後まで音楽への情熱を燃やし続けたHank Jones氏が91年間の人生に幕を閉じる時、その最期に立ち会う。ジャズ・ピアノのバトンを託されたのは、今、彼の他にいるだろうか。

出典:Profile(抜粋)|Tadataka Unno Jazz Piano

♪Tadataka Unno Piano with Hassan Shakur Bass "Blue Wig by Gerry Wiggins"

♪Milestones (1) ..... 21世紀美術館の鈴木良雄 trio ..... 2007

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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