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「ゴルフの聖地」セント・アンドリュースを愛したエリザベス女王の訃報。欧州では翌日まで試合停止で弔意

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:ロイター/アフロ)

エリザベス英女王の訃報は、ゴルフ界にも深い悲しみと衝撃をもたらした。

訃報が伝えられたわずか2分後の9月8日午後6時32分(現地時間)、英国の名門ウエントワース・クラブではDPワールドツアーのBMW―PGAチャンピオンシップが進行中だったが、プレーの停止を告げるホーン(警笛)が鳴り響き、第1ラウンドの残りはサスペンデッド(一時停止)となり、翌日の第2ラウンドも行なわず、喪に服すことになった。

DPワールドツアーは選手や関係者に向けて声明を発表。エリザベス女王とロイヤル・ファミリーへの弔意を伝えるとともに、第1ラウンドの残りと第2ラウンドをサスペンデッドとすること、その間、ウエントワースは練習施設を含めて全面的にクローズ(閉鎖)し、英国旗の半旗を掲げることなどを伝えた。

欧州ゴルフの総本山R&A(ロイヤル&エインシャント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース)のキャプテンを務めるピーター・フォスター氏も声明を出し、エリザベス女王自身はゴルフクラブを握らなかったものの、ゴルフに対する理解と造詣が深く、「ゴルフの聖地」セント・アンドリュースをこよなく愛し、長年、絶大なる支援を賜ったことを伝えた。

ゴルフに優しく温かい視線を注いでくれた英国の女王の逝去の報は、英国ゴルフ界のみならず世界のゴルフ界に衝撃をもたらし、英国に本拠を置くDPワールドツアーは、ゴルフより喪に服すことが最優先であることを、訃報からわずか2分で決めた。

進行中だったBMW―PGAチャンピオンシップは、DPワールドツアーにおいて、最も重要で権威のあるフラッグシップ大会と呼ばれている。

サスペンデッドのホーンが鳴り響いたとき、コース上では、まだ30人の選手が第1ラウンドのプレー途上だった。すでにプレーを終えた中では、ビクトル・ホブラン、トミー・フリートウッド、アンディ・サリバンの3人が8アンダーで首位タイに並んでいる。

DPワールドツアーは「詳細は追って発表する」と声明に記している。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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