TRNのVX Proレビュー!ハイブリッドIEMの入門に!
ハイブリッドIEMの入門にも。
TRNのVX Proレビュー。
ユニークな設計思想のIEM
今回取り上げるTRN社のVX Proは「中華イヤフォン」と呼ばれる最近一部のオーディオユーザーに流行のタイプのカナル型イヤフォン、IEM(In Ear Monitor)です。当りを引けば価格に見合わないすごい音が出てくるジャンルですね。
このイヤフォンも初期不良などを引かなければお値段以上の音を聴かせてくれると思います。もちろん個人の音の好みとの相性はありますが。
中身の方はなかなかに豪華で1つのダイナミック型ドライバーと8つのバランスドアーマチュア、BA型と呼ばれるドライバーを内蔵しています。すごい多ドライバー構成ですが、実は音的には3Way。低音用のDD型、中音用のBA型が4つ、高音用BA型が4つの構成です。
中音域、高音域をそれぞれ4つずつのドライバーを並行して無理のない鳴らし方をすることで、歪みなどが出ないように使ってやろう、そういう思想で作られた製品です。
インプレッション
このイヤフォンもすごくキレイにバランスの良い鳴り方をしてくれます。以前はBA型ドライバーには独特の音の癖があったようなのですが、今の製品でそれを感じることはまずありません。
高音と低音が強めな音の傾向を「ドンシャリ」と表現したりしますが、このイヤフォンに関してもそういったレビューが目立ちます。著者の環境ではその傾向は穏やかで、なんとか表現するならその傾向かな?ぐらい。高い音がきつくて耳に刺さる、なんてこともありません。
音の広がる空間も広くキチンと前後の奥行きが出るのも聴いて楽しい要素の一つ。若干低音がぼやける感じもありますが、それもほんのわずか。
また、耳穴にしっかり収まりきらなくても音のバランス変化が少ないのも特徴かもしれません。価格で考えるクラスを超える音が出てくる製品です。
リケーブルの入門用にも好適
このイヤフォンも実はケーブル交換が可能になっています。これを「リケーブル」と言いますが、ケーブルの品質や特性を変えることで音の変化が楽しめます。
TRN VX Proは販売価格の面から仕方がないのですが、本体付属のケーブルはそこまで高品質ではありません。2,000円とか3,000円程度から良質な交換用ケーブルが販売されていて、嵌まればかなり音質がアップします。
こういった楽しみ方の入門にもピッタリな製品です。