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秋がやってきました。【季節性うつ(冬季うつ)】とは何か? そして、治し方について。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「季節性うつ」についてお話したいと思います。

季節性うつとは、冬季うつとも呼ばれ、夏が終わり秋になり、日が短くなるとともに、何となく気分が落ち込む症状を言います。

通常は、秋口から冬にかけて症状が表れ、春先になると自然に回復していきます。成人前後から発症する人が多く、男性より女性に多くみられます。1度発症すると、毎年繰り返すようになることが多いのが特徴です。

季節性うつの症状として、
1.気分が落ち込むことが多くなる
2.疲れやすくなる
3.体を動かすことが億劫になる。
4.集中力が落ちる
5.以前は楽しめていたことが楽しめなくなる。
6.食欲がなくなる、もしくは食べ過ぎる。
7.寝ても寝ても眠い。
等があります。

次に、
季節性うつの原因ですが、何と言っても日光浴時間の減少です。日光を浴びなくなったことにより、脳内のセロトニン、幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンが不足気味になってしまうことが考えられます。

次に、季節性うつの治し方ですが

1.なるべく日光に当たる。
これが1番重要です。季節性うつの原因の一つとして日照時間の短縮による日光浴時間の減少がありますので、出来る限り日光に浴びることが大切です。特に、朝日を浴びると良いでしょう。

日光を浴びると、脳内にセロトニンという物質が分泌されるのですが、セロトニンは「幸せホルモン」などと呼ばれ、人の幸福感に大きく関与されます。

日光に浴びることが難しい人は、自宅内や職場をなるべく明るくするようにしてください。それだけでもかなりうつ症状は改善されます。

2.栄養バランスの良い食事をする。
先ほども言いましたが、季節性うつにはセロトニンの不足が大きく関わっていますので、食事に気を付ける必要があります。炭水化物(ごはんや麺類)の摂取は、ほどほどにして、良質な肉や魚、野菜を適量取るようにしてください。

栄養面ではトリプトファンの摂取を心がけましょう。トリプトファンを多く含む食物として、バナナやカボチャやチーズや豆乳などがあります。

さらに、食事に関しては、くれぐれも、食べ過ぎ、食べなさ過ぎに注意してください。

3.運動をする。
季節性うつに限らず、運動はうつには効果的です。ちょっと汗ばむ程度の運動、ちょっと息が切れる程度の運動を、毎日20分から30分ぐらいするようにしてください。「毎日それだけの時間を取るのは無理」と仰る方は、せめて週に3回ぐらいはするようにしてください。そうすれば、季節性うつの症状は、かなり改善されます。

4.規則正しい生活をして、十分な睡眠時間を確保する。
季節性うつの発生には「体内時計」の乱れが大きく関係しているといわれています。よって、体内時計を乱さないようにすることが大切です。

せっかく日光を浴びたり部屋を明るくしたり、食事に気を付けてセロトニンやメラトニンが不足しないようにしていても、不規則な生活をしていては何もなりません。毎日、出来る限り、決まった時間に寝て、決まった時間に起きるようにしましょう。リズム良くテンポ良く、毎日を送るよう心がけましょう。

5.お薬を服用する。
冬季うつは、日光を浴び、食事と運動と睡眠に気をつけていれば、それほど症状が重くならない筈なのですが、症状が重くて辛かったら、我慢せずに、冬の間だけ、お薬(抗うつ薬)を飲むという手はあります。

お薬を飲むことに関しては、メリット・デメリットありますが、メリットのほうが大きいのであれば、私は、積極的にお薬の服用も考えられてみてはどうかと思います。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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