世界最古の「スナック菓子」は現代でも人気継続中!日本初の袋入りを販売した企業にも取材してみた
スナック菓子のひとつとして、愛されているポップコーン。
映画鑑賞の相棒的存在としてイメージされる方も多いのではないでしょうか?
現代人にも愛されるポップコーン、実は世界最古のスナック菓子ともいわれています。
そこで今回は、世界に残るポップコーンの歴史を紹介。
さらに、日本で初めてポップコーンの会社を設立した「マイクポップコーン社(現・ジャパンフリトレー株式会社)」に取材した内容についてもお伝えします。
ポップコーンは世界最古のお菓子…?
ポップコーンは世界最古のお菓子だといわれていますが、これは1948年にニューメキシコ州の洞窟遺跡で推定・紀元前3600年頃の「ポップコーンの残骸」が発見されたためです。
さらに2012年には、ペルーの遺跡から推定・紀元前6700年前のポップコーンの残留物と考えられるものが出土しています。
日本に到来したのはいつ?
ポップコーンが日本に到来したのは、1579年のこと。
四国や長崎に立ち寄ったポルトガル船から鉄砲と一緒に、ポップコーンの原料となる爆裂種の「フリントコーン」が持ち込まれたことがはじまりです。
日本で初めて袋入りポップコーンを販売する会社
現代の日本では、映画館やイベントでの露店販売のほか、スーパーやコンビニでも気軽に購入できるポップコーン。
日本で初めて袋入りポップコーンを販売する会社「マイクポップコーン社(現・ジャパンフリトレー株式会社。以下、ジャパンフリトレー)」が設立されたのは、1957年のことです。
ジャパンフリトレーは、会社の設立から半世紀以上経った現代でも袋入りポップコーンを販売し続け、TOHOシネマズではコラボレーションした映画館専用ポップコーンの「シネマイク」ブランドの取組を行うなど、幅広く事業を展開しています。
では、ジャパンフリトレーは、半世紀以上にわたって日本のポップコーン史をどのように牽引してきたのでしょうか?
日本初の販売方法
東京タワーや遊園地での実演販売から始まったマイクポップコーン社は、1957年に販路拡大を視野に入れた日本初となる「袋入りポップコーン」を導入しました。
そして、「携帯性の高さ」や「デパートやスーパーでも買える手軽さ」から、家庭のおやつとして浸透していきます。
袋入りという販売方法はポップコーンが割れにくく、紙袋入りよりも湿気にくいというメリットがあったのだとか。
また現在では、一般的なスナック菓子においては、製品への吸湿の防止、油脂の劣化防止のため遮光性を持たせたアルミ蒸着の袋材質が使われているようです。
「和」のフレーバーを取り入れ生まれた人気商品
1960年代〜1970年代には、多数のポップコーン会社が塩味やキャラメル味をはじめとしたフレーバーの開発に乗り出しました。
このようななかで、ジャパンフリトレーは焼きとうもろこしに醤油とバターを塗って食べる北海道名物に着目。
1983年に、日本人に好まれやすい「醤油の香ばしさ」や「バターのコク」をうまく組み合わせて仕上げた「バターしょうゆ味」を完成させました。
そして誕生した「バターしょうゆ味」は現在も大人気の商品で、ファーストフレーバーとよばれる1番の売上を誇る商品になっているといいます。
期待の新人味!
昨年2022年にマイクポップコーン発売から65周年を迎えたジャパンフリトレーは、集大成としておいしさの黄金比をテーマに「オリジナル 極みだし味」を販売しました。
さらに2023年10月2日には、北海道産クリームパウダーを使用した期間限定の新商品「ミルクチョコ味」が登場しています。
ポップコーンの豆知識
今回の取材では、ポップコーンに関する豆知識も教えてもらいました。
私たちが普段よく食べるのはスイートコーンですが、コーンスターチの原料になるデントコーンやもちもちとした食感が特徴のワキシーコーンなどがあるそうです。
また、ポップコーンに使われるトウモロコシの種類は「爆裂種(ばくれつしゅ)」といい、皮が固いうえに、さらに乾燥させて皮を固くしているので、皮のなかに残っている水分はわずか。
これがなぜ爆発するのかというと、熱を加えたあと、熱と水蒸気の圧力によってでんぷん質が膨らみ、弾けて、ポップコーンになるのだとか。
また、とうもろこしを主原料にした商品はたくさんありますが、ポップコーンは皮ごと加工して食べるため、食物繊維が豊富に含まれており、ジャパンフリトレー株式会社で販売している「マイクポップコーン・バターしょうゆ味 / オリジナル 極みだし味」には、レタス約2個分(※)の食物繊維が含まれているそうです。
※レタス可食部215g=1個として計算しています。(レタスの結球葉100g中の食物繊維は1.1g)「日本食品標準成分表2020」より算出
世界最古のスナック菓子「ポップコーン」は、さまざまな企業によって多くのフレーバーが開発され、現代でも多くの人々に愛され続けています。
皆様もぜひ、いろいろなフレーバーを堪能してみてくださいね。